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第4話

 朝食を済まして、面接の時間までにテレビとスマホゲームで遊び、カバンを持って<11:00>頃に自宅から出た。


 自転車に乗り、度々止まってスマホの地図を確認しながら現地へと向かった。


 さらに、途中でコンビニに寄り昼食を取る。

 

 時間30分前に玉岩倉庫のテナントに到着した。駐輪場に停めて出入口に足を運んだ。


 「あのー、すみません。」


 「はーい。どちらさまでしょうか。」


 「昨日アルバイトの広告を見て電話した田中です。」


 「はい。お待ちしておりました。こちらのロビーで待っていてください。」

と言われ、長椅子の多いロビーに待たされた。


 「田中さん。こちらの応接室へどうぞ。」


 指示を言われ入室した。


 「本日はありがとうございます。玉岩倉庫主任の岩谷だ。よろしく。」


 「はい。よろしくおねがいします。」


 「うちの仕事は、倉庫の荷物を整理したり、出荷する日時が決まっており、出しやすくトラックを積み込むのが仕事だ。」


 「そうですか。荷物を整理しますが、統一する作業もあって、伝票の確認もありますか。」


 「まあ、それもあるな。だが、うちのトラックを運転するドライバーもいるが、最近普通免許を取得したばかりなんだな。」


 「はい。そうです。」


 「まずは、倉庫内の作業をやってみてから経験を積んでみよう。明日から9:00前に出勤して貰うので来れる。」


 「はい。わかりました。その時間に来ます。」


 「よし。じゃあ出勤して頑張ってみてくれたまえ。」


 そうあっさり面接は終わったのだった。最後にメモに指定時間を記入したのだ。


 テナントから出て寄り道をしながら自宅へ戻った。

 

 「面接どうだった。」


 「明日から9:00前に来てくれって言われた。」


 「今日は夕飯食べてしっかりしようね。」


 明日から初めてのバイトが始まるのである。


 夕飯を済ませて就寝する。照明を消灯し瞼を閉じる。


 夢の視界に映る。


 透明な薄い殻があり、じたばた身体を動かした。


 殻は破れ冷たい海に触れて刺激を感じた。


 それもそうだろう。海の中なんだから。


 稚魚から生まれて他の稚魚も泳ぎ始めていてついていった。


 海では広くて群れで行動した方が一番安全である。


 でも、巨大な魚達から飲み込まれない様に周りを警戒している。


 海を探索して泳ぎ続けて、途中で大きな魚とすれ違ってすぐに襲い掛かった。


 稚魚たちはバラバラに逃げて行ったが、飲み込まれてしまう。


 逃げ延びたが時間の問題だ。


 泳ぎ進むと吸い込まれて飲み込まれた・・・・・・


 夜中に目を覚まして身体も起き上がり呼吸も荒かった。少し落ち着いて仰向けとなり就寝する。


 悪い夢をみることはないだろう。

 

 目覚ましが鳴り、起床して準備に取り掛かる。


 天気は晴れてて自転車に乗り、通勤したのだ。


 途中でコンビニに寄り朝食を買って休憩をする。


 それを済ませて自転車に乗り、バイト先に到着する。


 「おはようございます。」


 「おはよう。君が新人の田中君かい。」


 「はい。そうです。」


 「よし。じゃあ更衣室がここなのでロッカーを用意してますので作業着に着替えてロビーに来てくれ。」


 「はい。わかりました。」


 指示通りに着替えてロビーに向かった。


 上司の方から点呼を告げられる。


 「朝礼を始めるぞ。」


 作業員全員が集まり、夢人は上司の方から呼ばれたのだ。


 「本日の新人田中君だ。初日なのでわからないことがあるので、佐藤君と一緒に作業を始める様にしてくれたまえ。おっと失礼。俺はここの班長高田だ。よろしくたのむぞ。」


 「はい。本日はよろしくおねがいします。」


 「よろしくおねがいします。」と全員挨拶を受けた。


 初めは助手で佐藤さんと共にスケジュールを確認して、当日に搬送する荷物を移してトラックに積み込みを行う作業なのだ。


 だが、ダンボールの重さはそれなりに重たかった。


 「大丈夫か。」


 「はい。何とかいけます。」


 「まだ当日に搬入する荷物も残っているはずだが、ついてきて。」


 「はい。」


 別の場所に当日の搬入予定の荷物を見つけて、台車に積み上げ、トラックのゲートの出入口近くまで運んだ。


 夢人は少し思った。


 (黙って作業に集中するのも良いがまだわからないからな)と自覚したのである。


 「よし、昼食の時間だ。休憩するか。」


 「はい。」


 「休憩するなら更衣室かロビーで飯食ってるからな。弁当とかあるか。」


 「いえ。持ってないです。」


 「そうか。近くのコンビニでいいか。場所を教えるので徐々に覚えていこう。」


 「わかりました。」


 コンビニで昼食を購入し、昼休みが終わるまでに作業を再び始める。


 後日の搬入する荷物の日付を確認して別の場所に移動するのである。


 初日のバイトが終わり、夢人もへとへとだ。


 「初日おつかれさま。」


 「はあ。はい。おつかれさまです。」


 「少し時間もらっていいか。」


 「なんですか。」


 「オーナーと主任にご挨拶しようかなと思って、顔を合わせようとな。」


 「わかりました。」


 指示通りに事務所に入った。


 「失礼します。佐藤入ります。おつかれさまです。」


 「おおっ、おつかれさま。」


 オーナーが気づいた。


 「君が田中君かい。」


 「はい。おつかれさまです。」


 「おつかれさん。僕がオーナーの原と言います。主任はただいま不在ででして、名前を教えておきます。岩谷主任と言って明日には出勤しますのでわからないことがあれば遠慮なく声をかけて入室してください。」


 「はい。ありがとうございます。」


 「よろしい。田中君には明日も出勤させてもらいますんで朝の9:00前に来てください。」


 「わかりました。」


 初日のバイトが終わり、着替えて自宅に戻った。


 「ただいま。」


 「おかえり。バイトどうだった。」


 「初めてだったから身体も疲れた。」 


 「そりゃそうでしょ。世の中楽な仕事もないからね。」


 初めて社会人になったからこんなきつい思いを受けると実感したのであった。


 いつもの様に夕食を済ませ、明日のバイトに向けて身体を休ませ眠りに就いた。


 夢の視界に入り。


 飛行船に乗っていて倉庫の仕事に入っていた。


 夢人はふと思う。


 (この仕事が終われば夜勤なしで寝られる。)


 仕事を終わらせて自室に戻り窓を覗いた。


 (ああ、まだ暗闇なんだな。)


 空を飛んでいるし真夜中だ。


 (ああ、僕も倉庫からパーティに入りたいな。)


 豪華な食事もあり、たくさんのテーブルも並んでいる。


 乗客が貴族の方々がいらっしゃる。


 静かでクラシックの曲も流れているのである。


 横になり、夢の中でも目を閉じる。


 目が覚めるとどこかの知らない世界で芝生の上で眠っていた。


 周りを確認すると日本ではない景色を見ることになる。


 しばらく歩いていたら地響きが鳴り、大型の獣が突然現れて襲いかかろうとする。


 懸命に逃げたが追いつかれ手のひらで潰され・・・・・・


 「はっ!」


 悪夢を見てしまいすぐに目を覚ます。


 まだ3:00でため息も漏れる。また寝直そうと目を閉じる。


 再び夢の視界となり、銀河鉄道の車内で席に着いていた。


 まず、ウェルカムドリンクを提供され、スパークリングワイン一杯目に乾杯。


 次にお通しの前菜がゼラチンを固めた野菜と甘みのあるドレッシングが出てきて食した。


 窓を覗くと宇宙になっており、惑星が並んでいる。


 ぶつからない様に配慮されているのだ。


 さらに、お魚料理も出てきて、甘鯛とバターソテーのキノコと蕪のエキスを利用したカプチーノ仕立ても出てきてワインも進んだ。


 進んでいるうちに楽しい夢をみているのだ・・・・・・


 目覚ましが鳴り、身体を起した。が、身体にズキンと感じた。

 

 「いててててて」

 

 痛みを耐えながら朝の準備をして家を出た。

 

 自転車で通勤しながら心に思う夢人。


 (最近、良い夢と悪い夢を見ることが多くなったな。)


 毎回の日常がそうなのである。


 バイト先の倉庫に到着し、更衣室に入り着替えた。

 

 朝礼が始まり、高田班長の話も終えた。


 まだ二日目で佐藤さんと同じく作業することになる。


 当然、夢人にも倉庫の配置場所すらわかっていないのである。


 「今日は2日目なんだが、班長かベテランの先輩に聞いてみると良いかもな。」


 「ありがとうございます。」


 「しかし、俺もなんとか一か月位で覚えたけど、君と一緒に任命されたから俺の責任があるからな。徐々にスケジュールを覚えるか、毎日が変わるので直接オーナーまたは主任に聞いてみるといいよ。」


 「わかりました。ありがとうございます。」


 それでも、作業を続けるしかなかった。


 「倉庫内の動きとか読めたかな。」


 「いえ、全然わからないです。」


 「そうか。まだ作業があるみたいで昼食が13:30になるかもだ。」


 「そんなにですか。」


 「ああ。そうなるんだ。」


 「じゃあ、まだ続けます。」


 「わかった。俺の合図で休憩な。」


 「はい。」


 午後になる30分前にそう言われたのだ。


 新人にして仕事とは厳しいものなのだ。


 オーナーと倉庫の責任者から任せられているのである。


 しかし、問題点に気づくことができるのかも心配だ。


 たまに主任が視察に出ていても良いだろう。


 岩谷主任が夢人に近づく。


 「田中君。2日目はどうだった。」


 「はい。ここまで厳しいとは思いませんでした。僕も頑張っております。」


 「良い心がけだ。でも、きついと思ったら俺に言って欲しい。もし、事務所に入室する時に声をかけますので。」


 「はい。」


 作業は黙々と進んでゆくのである。


 夕方になり、夢人は高田班長に呼ばれたのだ。


 「田中くん、事務所に来いって言われたぞ。今日の仕事上がって着替えてこい。」


 「あっ、はい。」


 「とりあえずはおつかれ。着替えて事務所に行ってて。」


 「ありがとうございます。」


 着替えた後に昨日佐藤さん掛け声の様に事務所に入る。


 「失礼します。田中入ります。おつかれさまです。」


 「おおっ、おつかれさま。」と太田主任が顔を合わせた。


 「2日目もおつかれさん。まだ、慣れていない部分もあると思いますんで、今日は佐藤君のアドバイスを受けていると思う。」


 ちなみに、原オーナーも一緒だった。


 「まあ、とりあえず朝はバタバタだと思うので1日のやり取りを覚えるのも難しいと思います。ただ、質問があればいつでも受け付けております。」と原オーナーも告げたのであった。


 「じゃあ、明日は田中君お休みとさせていきます。」


 「いいんですか。」

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