第3話
「結構時間かかったな。16:30に出入口集合しようぜ。」
「了解です。」
夢人の財布を確認し、残高が1万8千円分残っていた。
施設内を探検してやってみたいゲーム機を探しているのである。
「節約しないと帰りの交通費用がかかってしまう」
見つけたのは、レースゲームでマニュアルのギアとハンドルがある。
座る前に両替をして、のめりこまない様に意識していた。
ゲームのプレイが終わり、夢人は1,000円分でなんとかしのいだのである。
時間になり出入口に合流し少し待機した。
数分後、勇人も出てきて駐輪場に向かい教習所に戻った。
同じように夕食を取り、大浴場に入り自室へ戻った。
「明日は、検定だな。」
「そうですね。」
「テレビ点けて適当に時間潰すからさ、勇人はどうする。」
「検定の地図を確認して気が向いたらテレビでも見るよ。」
「おう、わかったぜ。」
地図は、2種類あって当日にならないと選別されないのである。
目を通し終えた夢人はテレビに目を向けた。
そして、消灯時間となり目を閉じた。
夢の視界となり、地上の周りは雑草だらけで視界は小さくなっていた。
夢人自身がバッタとなりジャンプして公園の草むらにいた。
少し歩いて細い葉っぱに登り様子を伺った。
「えっ、ウソだろ。」
遊んでいる子供たちもおり、捕まえられたら一環のお終いになる。
葉っぱの上からジャンプして羽を出してバタバタと飛んで行ったのである。
草むらに降りてジャンプしながら進んだ。
だが、大きな靴底に踏まれてしまい・・・・・・
すぐに目を覚ましたのであった。身体は汗でびっしょりだった。
勇人に起こさない様にTシャツを仰いだ。
また、深い眠りに就いた。
目覚ましが鳴り、いよいよ検定当日である。
いつもの様に朝の準備をし、朝食を取った。
検定が始まる時間までに地図を確認した。
担当講師から車番の車で指示を受けて、ハンドルの座席に座った。
夢人と後部座席の教習生2人が座った。
準備完了次第で「発進してください。」と言われ、路上に出た。
安全運転で外周りを確認し、前方を気にしながら進んでいた。
さらに、講師から、「次の路地を曲がってください。」と指示を受けていた。
夢人の検定も終わり、全員の検定が終わるまで結果を待っていた。
ロビーで夢人も悩んでいる。
(落ちたらどうしよう)
「それでは結果を発表します。」
言われた瞬間に緊張が込みあがる。
「ああ、全員合格です。卒業おめでとうございます。」
夢人も安どの緊張から解放された。
さらに、教習生全員も喜びもあった。
講師から卒業証明書を受け取り、次のステップが筆記試験を受けなければならなかったのである。
「夢人、卒業おめでと。やったじゃん。」
「ありがとうございます。勇人さん。検定は終わりましたか。」
「いや、俺は14:00に検定なんだ。夢人はどうする。」
「僕は、自室に戻って学科の勉強するつもりなんだ。勇人さんは検定終わり次第、ロビーで様子を見てみるよ。」
「ありがとな。まず、昼飯を食おうぜ。」
一緒に食堂に向かい昼食を取った。
その後、勇人は検定の地図を確認し呼ばれるのを待っていた。
「午後の検定が始まります。」
勇人も指示にしたがって誘導された。車番の車に乗り検定が始まったのである。
午後の教習生全員が終わり、結果を待っていた。
「それでは結果をします。」
夢人と同じく緊張も上がる。
「全員合格です。午後の検定おつかれさまでした。そして、卒業おめでとうございます。」
全員も緊張から解放され、喜びもあふれていた。さらに、卒業証明書も交付された。
「おめでとうございます勇人さん。」
「まじでやった。助かった。危なかった。」
みんな必死で合宿免許を乗り越えたのである。
期間はあと1日で食堂に向かい夕食を取っていた。
大浴場に入り、娯楽室で遊んだり、自室に戻ることも珍しくない。
あとは、学科試験を受ければ免許も取れる。
「明日はさ、ここもおさらばだな。」
「そうですね。実家に帰って数日勉強ですね。」
「それもそうだな。俺も実家に帰って勉強だ。」
互いに筆記試験のことで明日になれば我が家だ。
消灯時間になり、目を閉じた。
夢の視界は壁に絵画が立てかけてあり、オランダの水車小屋の絵が描かれている。
すると、絵画が光りだして吸い込まれた。
目を開けると絵の中にいる。
周りを見てみると緑の草原と青い空、水車小屋がある。
また、水車小屋周りでは、畑が並んでいて永遠と続く道のりである。
途中の椅子に座り休憩していた。
突然、雨が降り出し慌てて走りだした。
雷が光だして・・・・・・
悪い夢を見てしまい目を覚ました。
気づかれない様にゆっくり起こしてTシャツを仰いだ。また、目を閉じる。
目覚まし時計が鳴り起床。
いつもの様に朝の準備をし、帰り支度に取り掛かった。
夢人の出身地が埼玉県である。
勇人の場合は、茨城県である。
群馬県の合宿所で卒業証明書を手に入れた。
「じゃあな、夢人。世話になったぜ。」
「はい。お元気で。」
それぞれの教習生達は、実家へと運んだのである。
学科試験
「ただいま。合宿免許卒業したよ。」
「おおっ。まだ、筆記試験受けてないよね。」
夢人は少し固まり、意を決してこう告げた。
「3日位に勉強して試験会場に行くよ。」
「合格できたら免許証を見せてね。」
必死になって猛勉強となった。
睡眠は、大事だよね。
3日後、自宅から試験会場に向かい、通勤電車を利用した。
必要なものをそろえて筆記試験に挑んだ。
始まる前に受験番号を控えて、試験官の合図で始まった。
受験者全員も真剣な目で黙々と静まって進んでいる。
時間になり、夢人は掲示板のモニターに移動した。
「それでは、結果を発表します。モニターに受験番号が表示されますので待機していてください。」
放送のアナウンスの指示に従い、すぐ表示されたのである。
控えた番号を確認し、モニターは夢人の番号があった。
「おおおっ。やった。」
別の場所に移動され、免許証が交付されたのである。
試験会場から出て、自宅に戻った。
「ただいま。お母さん、合格したよ。」
「おおっ。じゃあ働いてお金を返してくれるんだね。今日はゆっくりしてさ、明日から仕事を始めるのかい。」
「うーん。まだ、仕事の宛てが無くて。まずはバイトのチラシを見てみないと。」
「それくらいがいいかもね。」
明日に向けてバイトの広告を探すこととなる。
夜になり、夕食を済ませ、就寝した。また、良い夢を見るか悪い夢を見るのか。
夢の視界で群れの多い紫の霧が漂い宙に浮いていた。
(えっ、ここはどこだ。)
進んだ先に、薄くなった霧が映しだされた。
約100億年前の何も無い高い崖と滝があり、緑もあちこちに生えている。
まさにタイムトラベルしている様に見せられている様だった。
さらに進むと数年後の出来事が映したのだ。
宇宙から地球に隕石が落下してしまい大陸と海も変わってしまった。
大陸も跡形もなく海へと沈んだ。
また、数年後、どこかの海で氷が固まり、波の影響で大きく固まりだしたのだ。
さらに、新たな大陸も現し、新生の生き物が誕生されたのである。
(これって、信じられない。)
長い数億年の出来事を・・・・・・
目覚ましが鳴り、目を覚ました。
「ああっ、もう朝か。」
頭をボリボリかきながら身体を起した。
朝食を済ませて、バイトのチラシを探しに出かけたのである。
最寄りの駅にフリーペーパーを見つけて持ち去った。
さらに、文具店に入り履歴書を購入し、自宅に戻った。
バイト
履歴書を記入し、アルバイトのフリーペーパーを見ながら、条件に合う仕事先を探していた。
コンビニのバイトもいいんだろうとふと思う夢人。
だが、高校新卒して社会はそんなに甘くはない。
「ドライバーの仕事を始めてみようかな。」
トラックの輸送会社に就職しようと思っていた。
ところが、近年の法律が変わり、準中型免許以上と記載しているのであった。
「しまったな。準中型にしておけば良かったな。」
初めて後悔したのだった。
自宅から離れ気味の倉庫の仕事を見つけて問い合わせた。
「お電話ありがとうございます。玉岩倉庫株式会社です。」
「もしもし、アルバイトの広告を見て電話した田中です。」
「はい。ありがとうございます。面接についていつ来れますか。」
「明日お伺いすることができます。お時間を教えてください。」
「お時間は、昼間の13:00位に面接に来られますか。」
「はい。わかりました。13:00頃に到着すればいいんですね。」
「はい。もしわからなければまたこの番号にご連絡ください。」
「わかりました。明日面接をよろしくおねがいします。」
「よろしくおねがいします。では、失礼します。」
初めての電話のやりとりで一安心した。
さらに、場所と地図を確認して最寄り駅から4つ程先の駅に距離があった。
明日の面接に向けて、夕飯になった。
「バイト先見つけた。明日から面接なんだ。」
「そうなんだ。面接がんばって。」
「あと、免許で後悔したのが準中型を取れば良かったなと思った。」
「ええっ、なんでよ。普通免許でもいいんじゃない。」
「それでもダメなんだ。これからのバイトで稼いで車校に通い直しなんだ。仕事先で条件が厳しかったんだ。」
「まあ、まずは面接を受けて、雇ってくれるのならやってみなさい。後ねお金を少しずつ返すのよ。」
そうだった。
夢人には借金していた。
短期のバイトやら長期バイトで稼ぐ必要がある。
夕飯も済ませて明日の面接に向けて準備をしていた。
忘れ物が無いように…
ベッドに入り就寝する。
夢の視界となり、ガタガタと揺れている。
馬車に乗せられていて鎖につながれて拘束されていた。
(ええっ、ここは・・)
知らない世界に映しだされたのであった。
空は薄い紫と青空となり、周りは草原ばかりであった。
拘束されたままではどうしようもなく目的地まで到着しないと動けなっかた。
馬車の動きが止まり着いたのが薄気味悪い工場に収容されたのであった。
つまり、奴隷として無理やり働かされるのである。
監視の大男が立っていてムチも持っている。
サボりが出ない様に監視されているのだった。
(うそだろ。)
この様な展開となってしまう。
作業が進むにつれてふらつき始めてムチが出てくる。
大男の恐喝で耐えられなく・・・・・・
ばっ、と深夜に目を覚ました。
「ひでぇ夢を見たもんだな。」
まだ時間があるので目を閉じた。
再び夢の視界に映り。
薄い緑がかったタンパク質の殻に閉じこもっている。
手を動かして殻の先を何度も叩いて破った。
(ぐはっ!)と全身全裸で出てきて立ち上がった。
周りを確認すると同じく何人か閉じこもっている。
薄緑色の光で洞窟にいることがわかる。
しかし、出てきていない殻の中には背中に羽が生えている。
己の背中にも羽が生えているのだ。
(あああああっ)
唖然となる。
洞窟内で湿った身体を乾かして行動することになる。
歩き始めてから出口が見えて地中から出てきたのであった。
なんというか新鮮な空気で風も気持ちがいい。
背中の羽を広げて飛んだ。
飛び出すって自由に行けるんだな。
ところが、雲が濃くなって雷と同時に光だし視界を妨げられ地に落ちる・・・・・・
目覚ましが鳴り、いつもの朝に起きた。
「深夜と言い、二度目の悪い夢を見てしまったな。」