表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

#6

「はぁ~い。これでもう終わり。じゃ、今からルールのおさらいねっ」


「んなのいらねえよ。応募した時に、目がチカチカして痛くなるほど何回も見たんだから」


「へえ、そーゆーとこはヒヨって確認するだぁ。でもね、追加したルールもあるんだよぉ? もし、それを知らずに一勝君が違反をして、脱落になっても知らないからねぇ? それでもいいのかなっ?」


「チッ、わあったからさっさと言え」


「はいはいっ♪ それで、追加のルールはね、嘘をついたらいけないってこと。それだけだよっ。まあ、」


「はぁ?」


 一勝が理解できないといった顔をすると、マギワはじぃっと皆の顔を見渡した。


「いまさら嘘をつく奴なんていない、って思ってんでしょ! 実はね、もう二人もいるんだよ。その嘘をついてる子っ☆ ほんとは、今私が言ったからとはいえ、即脱落なんだけど、ノロイマギワは優しいので、特別に今回は見逃してあげるっ♪ 感謝してね」


 そこまで偉そうに言われると、感謝しないと思うけれど……。


「明日からゲームが始まるよ。今はみんな適当に話したらどうかな?」


 そう言って、マギワは去ろうとした。


「ちょっと待って!」


 僕は叫んでいた。


「ねえ、僕は応募なんかしてないんだけど」


「ああ、うん、そうだね。ほら、君はゲームを美味しくするためのスパイスだから、攫って来ただけだよ」


 つまり、それってただの面白くするための「材料」に過ぎないってことじゃないか!


「じゃあね~。一月君のその絶望、最高だよ☆」


 マギワはニヤッと笑って去って行った。

 僕は力が抜けて、思わず座り込んでしまった。


「そんな……」


 僕はぼうっと前を見ていた。涙も出ていないのに、どんどん部屋やみんなの服の色が混ざって、滲んで見えた。

 すると、綺羅がフッと現れた。


「ねえ、絶望している暇、あるの?」


「え……」


 どういう意味なのか分からなくて、顔を上げてじっと綺羅を見ていると、僕の目の前に何かが落ちた。


「それ、あんたの生徒手帳でしょ。さっき落としてた」


「あ、ありがとう……」


「礼なんていらない。あなたに返すべきものを返しただけだから。それと、感謝されるの嫌いだから。じゃ」


 そう言って、また壁に寄りかかって考え込んでいた。

 マギワの言った通り、本当にクールな子だな。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ