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Etude「ラブレター」

作者: はるはるの式部

 こんにちは。春咲和奏です。

 急なお手紙でごめんなさい。私はどうしてもあなたに伝えたいことがあって、お手紙を書いています。最後まで読んでくれたらうれしいです。


 一緒のクラスになってから、もうすぐ1年が経つね。

 去年の今頃は、私はあなたのこと、すごくやんちゃで……なんていうか、手を付けられない子だと思ってた。なんかいっつもガラの悪そうな男子とつるんでるし、話しかけづらい雰囲気だったから。実際、同じクラスになってからも、授業中はいっつも寝てるし、宿題もやってこないことばっかりだし、なんか一生かかわることがない人かなってだと思ってた笑。

 でも、あなたは体育祭の時や文化祭の時、周りを率先して取り組んでくれたし、私たちにもたくさん声をかけてくれたよね。正直、なんでいっつもめんどくさがり屋で不真面目なあなたが、そういう風にしてくれたのか、わからなかった。文化祭の方針について、私と言い争いになった時も、正直、いつも不真面目なあなたに言い返されたことが、すごく腹立ってた気がする。もちろん、今では全然そんなこと思ってないよ。でもその時にあなたが言ってた、「こういう時じゃないとさ、クラスのみんなと一緒に何かを頑張ろうってこと、ないじゃん。短い高校生活の3年間で、俺はできるだけたくさんの思い出を作りたいんだ」って。

あなたが本気で私たちのことを考えてくれているんだって、それを言われてからハッとしちゃった。あなたが常に何かに夢中でいるときって、あなたも、あなたの周りの人も、とっても楽しそう。そう思うと、だんだんあなたの周りの人が羨ましいって思ってきちゃった。文化祭の時から、私ともたくさんお話をしてくれたけど、それでも私は物足りないって感じてしまってる。

 あなたが何かに夢中で一生懸命に頑張っているときも、授業中の少し気だるそうにしている時も、私は気が付けば目であなたのことを追っていました。


 あなたのことが、好きです。

 良かったら、私と付き合ってください。

 お返事待ってます。

 新しい季節がやってくるその時に、隣にあなたがいてくれますように。

 最後まで読んでくれて、ありがとう。

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