ジャケットに腕が通らなーい?!
バーゲンで、超有名ブランドの、超売れ筋ジャケットを買った。
普通サイズは売り切れ。私と言えば、大きめサイズなので、まだ、かろうじて残ってた。
こんな時は、負け惜しみが、ちょっと、うーん、かなり入りながらも、痩せてなくてよかったと思う。
早速、翌日の出勤日に着ていった。
会社に個人ロッカーは有るが、ジャケットやコートなどの大きな衣服だけは、
ロッカールーム内の、別に準備してある大きなハンガーラックにかけて収納と決まってる。
(はあ、やっと仕事終わったあ!)
(ロッカールームに戻った時が、一番嬉しいねえ!)と、皆で、(ほんとほんと)と笑い合って、ジャケットを羽織った。
あれ、腕が入らない?!
一日で太った?
まさかね? 何で? ほんと入らない?!
何気なく、ハンガーラックの辺りを見直した。 よく似たジャケットが1枚ある!
恐る恐る、腕を通すと、わたしを待っていたように、ピッタリ! これだった!
間違った!ごめんなさい!と、誰に言うでもなく呟き、私のジャケットに着直した。
会社帰りの電車の中で、スマホゲームをしても、今日はゲームオーバーばかり。
あんなに小さいサイズが着られるのか。
腕の太さも、あんなに細いのかあ。
あんなにサイズ違うのかあー。
これでもか! どうだ! わかったか!
と言われたみたいだ。
小さいジャケットの感触がよみがえり、身に沁みて実感し悲しくなった。
痩せないとなあ。ショックやわあ。
最寄り駅についた。
いつもの、鉄っぽい駅の匂いを、駅内に最近オープンしたばかりの、焼き立てシュークリーム店の甘ーい香りが掻き消した。
それと同時に、私のショックも掻き消された。 5個くださーい!!!