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私と彼とガードレール  作者: くらコン
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2月19日 2月20日

こんにちは。宣言通り今回は長めです。といってもそこまで変わらない気もする。気のせいってことにしておこう。では、どうぞ。

2月19日

今日は、朝からずっと雨だった。放課後、慎吾シンゴのところへ向かうと、案の定水たまりだらけだった。大きな水たまりを飛び越え、慎吾の隣へ行って「慎吾」と声をかける。濡れているので、ガードレールに座るのは止めておいた。彼は、どうやら雨の音で気が付いていなかったらしい。少し驚いた顔をしてから、「おはよう、真子マコ」と答えた。

「もう夕方の五時だよ?」

「あ、そっか」

雨音に交じり、二人の笑い声が響く。が、すぐに二人とも黙ってしまい会話は続かなかった。こんなことは初めてだ。いつもは大体、慎吾の方から話を振ってくるのだが。

「雨って、あんまりいいことないよね。私は嫌い」

真子はそう言って会話を始めようとするが、慎吾からは反応が無い。

「慎吾?」そう問うと、

「あ、ごめん。何?」という気の抜けた返事が返ってきた。

「聞いてなかったの?」

「ごめん、考え事してた」

「考え事?」

「うん」

幽霊の考え事ってどんなだろう。改めて慎吾の方を見ると、彼は足元の水たまりをじっと見つめていた。水たまりには、真っ暗な空だけが映っていた。よく見ると、慎吾は雨に濡れていない。雨粒もすべてすり抜けてしまっているのだ。それに気づき、そうか、慎吾は幽霊なんだ、と再認識する。その時、

「やっぱり、真子には話そうかな」

慎吾はポツリとつぶやき、真子の方を向き直って言った。

「これから俺がする話、できるだけ冷静に聞いてね」

いつになく真剣な表情の慎吾に、真子は思わずうなずく。慎吾はもう一度視線を水たまりに落とし、続ける。

「俺が車にハネられて死んだとき、うっすらとだけど、覚えてることがあるんだ。目の前に男の人がいて、その人が『三十日やる。お前の未練を断ち切ってこい』って言ったんだ。その後気づいたら、この状態になってた。だから、、、」

「あと、三週間、、、」

「そう。そしたら、たぶん本当に消えちゃうんだと思う」

頭が考えることを止め、しばらく慎吾の横顔を見つめる。徐々に落ち着いてきた頭には、なんで?という感情で埋め尽くされていた。なんで、彼は死ななければならなかったんだろう。なんで、彼ばかりがばこんな目に逢うんだろう。現実は、私たち子どもにも等しく無慈悲だ。

耳障りな雨音に混じり、「夕焼け小焼け」が暗い町に響く。


2月20日

「真子~一緒に帰ろ?」

リン、ごめん。今日は用事があるから、、、」

「わかった。また明日ね~」

心の中で凛、ごめんと謝りながら、真子は慎吾のもとへ向かう。今はどうしても、慎吾のところへ行かないといけなかった。今の慎吾のことは、凛にも話していない。話したところで信じてもらえないだろうし、それで凛の信用を失うのが怖かった。凛とは、小学生の時からの大親友だ。凛との仲に傷をつけたくなかった。

いつものように慎吾の隣に腰掛け、他愛のない話に花を咲かせる。慎吾が本当にいなくなってしまう日、3月11日は、中学校の卒業式の日でもある。私にできることはちっぽけだが、せめて卒業の日までは一緒にいようと思った。大きな決意を胸に秘め、真子は今日も声を響かせる。

だんだんここで書くこともなくなってきました。基本的に一日中ヒマな人間なので、話のネタがありません。ラーメンおいしかったとかピザ美味かったとかそれくらいです。そんな人間が書いてます。良ければこれからも読んでやってください。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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