2月17日
こんにちは。くらコンです。次回が長くなる予定なので、今回は短めです。面白かったら、コメントもよろしくです。それでは。
「そしたらね、レナが、、、」
「マジ?ちょっと凄いな・・・。」
他愛もない会話を繰り広げる、放課後。最近は、放課後こうして慎吾とおしゃべりをするのが日課になっていた。慎吾のとなり、まだ曲がっていない割と新しめのガードレールが、真子の定位置になっていた。話す話題もその時によって違う。真子は主に学校で起こったこと、慎吾は車や人の往来を眺めていて気づいたことを話す。
「こうして話すようになったのも、本当に久しぶりだね」
「うん。いつくらいだっけ?最後に二人で話したのって」
「真子の誕生日会だから、小五かな?」
「そっか、もう4年もたつのね」
「幼稚園の頃は、すごいよく遊んだよね」
「そうそう。慎吾がお母さんにナイショでおたまじゃくし飼ってて、バレてすごい怒られたこととか」
「ちょっと。蒸し返さないでよ」
二人の笑い声が薄暗い空に吸い込まれていく。忘れかけていた。慎吾はこんなくだらない話でもしっかり聞いてくれて、笑ってくれるような優しくて親しみやすい人だった。やっぱり、慎吾と話すのは楽しい。
ふと、どこからともなく「夕焼け小焼け」が聞こえてくる。午後六時を知らせるチャイムで、真子たちが小さいころから鳴っているのだが、どこから流れてきているのかはみんな知らない。もちろん真子も慎吾も気にしたことがなかった。
「六時だから、そろそろ帰るね」
「うん、またね」
ガードレールから立ち上がり、家へと歩き出す。慎吾は、ガードレールの上からひらひらと手を振っている。こんな日々が、続くと思っていた。続いてほしいと願っていた。
現在、「起承転結」で例えるとまだ「起」の部分にいます。次回から「承」の章の幕開けです。また次回もよろしくお願いします。お読みいただきありがとうございました。