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私と彼とガードレール  作者: くらコン
2/5

2月11日

こんにちは、くらコンです。この物語は、大体20話くらいでの完結を予定しています。自分はタイピングが遅いので時間がかかります。。。ガンバリマス。では、前回の続きをどうぞ。

2月11日

放課後、今日も私は慎吾シンゴの死んだあの場所へと向かう。その道中、慎吾と再会したあの時のことを思い出す。

「慎吾・・・?」

私の小さな声に気づき、慎吾は視線を真子マコに向ける。彼は一瞬驚いたような顔をしたが、静かな笑みを浮かべ、

「元気?真子。久しぶり」

と話しかけてくる。私はそんな彼に向かって、そっと手を伸ばす。空気をつかむ感触。それを見て彼は、少し悲しそうな顔をした。

「俺、死んじゃったみたいなんだ。」

呆気にとられた私から目をそらして、彼はそう答える。詳しく話を聞くと、少しずつ理解できるようになった。どうやら彼は今”地縛霊”として生きている(死んでいる?)らしい。そう言われて、まじまじと慎吾のことを見てみる。中学校の制服である灰色にチェック柄の長ズボンに、紺色のセーター。長くも短くもない髪に、スポーツメーカーのスニーカー。ガードレールの曲がった部分に腰掛け、足をぶらぶらさせている。”幽霊”と聞くと白装束を思い浮かべてしまった真子だが、どうやらそういうわけではないらしい。一見、普通の人間に見えたが、、、彼の身体は半透明で、後ろの景色が透けて見える。まるで、水を混ぜすぎた絵の具のような、淡い色。慎吾の体越しに、一台の車が通りすぎていったのが見えた。

その後、彼は、自分の今の状態について理解していることを話してくれた。まず、慎吾は車に撥ねられて死んだこと。その後気が付いたら今の状態になっていたこと。このガードレールの上からは動けず、人や物にも触れないこと。そして、真子以外の人間には見えないこと。実際に、通行人は道に置かれた花束に目をやるだけで慎吾のことは見えていないようだった。これらが、今彼が背負っている大きな問題だった。今の彼は、決して「生きている」とは言えなかった。自分の両親にも、友人にも触ることも話すことさえできないのだ。そう考えると、真子の目から涙があふれてきた。慎吾が「大丈夫?」と聞いてくる。大丈夫なわけがない。再開した幼馴染が背負っているものは、あまりにも重すぎた。悲しくて、何もできない自分が、悔しかった。

真子が帰る時、慎吾は

「・・できれば、明日もこうして話がしたい。明日も、来てくれないかな、、?」

遠慮気味にこう言った。

「・・うん。わかった。また明日ね。」

私はそう答えてそう慎吾に手を振る。彼も、笑って振り返す。私は、今の慎吾のことを知っているただ一人の人間なのだ。私にできることならば、してあげたいと思った。

今日も慎吾は、ガードレールの上で真子のことを待っていた。

いかがでしたでしょうか。今回は説明が多いので前回より長くなりましたが、、、この分量は維持できません。ご了承ください。次回は所変わって真子の学校での様子をお届けする・・・予定です。お楽しみに。今回も、あとがきまでお読みいただきありがとうございます。では。

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