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大小川帝国奮闘記  作者: 河童技研
20/24

転生20日目 陥落

どうもお久しぶりです。間が空きましたが、投稿です。


 私の名前はシャール。ザメギア帝国の貴族だ。それも珍しい女貴族だ。先代の父が床に伏して亡くなってしまったので唯一の跡取りの私がシャール家を継ぐことになった。

 私の領地はシャール軍港一体であり、帝国にとっては重要な場所である。その為私兵の所持が認められており、帝国の魔法騎士団や竜騎士団も多数駐在している。


 ちなみに私の私兵だが、帝国では『戦乙女騎士団』と呼ばれており、帝国唯一の女騎士団である。

しかしその強さは折り紙つきで帝国ナンバー5に入っている。


 本日もいつも通り朝の朝会をしていた。


 騎士団長でもある私の前には騎士団員全員が整列している。


 「えー。諸君。本日も朝会を始める。


 伝達事項としては、今大陸戦争に新たな国が参戦してきたらしい。その名は『大小川帝国』だそうだ。情報によると転移国家であるらしい。よってどのような国かは不明だ。


 しかし帝国ナンバー5を誇る我が騎士団にとっては敵ではないだろう。


 諸君。いつも通り鍛練に励むように。以上。」


 私は伝達事項を終えるといつも通り訓練を始める。


 すると12時頃、ふと港の方角を見ると、水平線の彼方にポツリポツリと黒い点が見え始めた。


 「きっと我が国の戦列艦が期間したんだろう。」


 みんなそう思っていた。


 しかしそれにしては様子がおかしい。


 戦列艦とは我が国が誇る50メイル級のものだ。風で進むため逆風のこの時期は時間がかかるはずだ。


 それなのに見えているモノはもう少しで細かいところが見えそうである。


 明らかに速度がおかしい。


 そうしている間にソレらはもう港の沖1000メイルまで迫っていた。


 「団長!アレは一体!?」


 団員のうち一人が私に尋ねてくるが、正直さっぱりだ。


 そして更に10分後、港の沖には海を埋め尽くさんばかりの巨大な真っ黒な船で埋め尽くされた。


 「団長!とても嫌な予感がします!」


 団員がそう言う。

 

 「確かにどう考えても味方とは思えない!総員、港までいくぞ!」

 

 私がそう言った時である。


 

 ドム!ドム!ドカアアアアン!


 

 「団長!沖の黒船が火をはきまs···」


 団員の一人がそう言った時、



 ズム!ズズン!ドム!バッコオオオオオオン!


 

 地面のあちこちから火が出た。いや、火が吹き上げるというよりはなにかが破裂したような気がする。


 

 「ウワアアア!」


 「グヒャアアアァ!!」


 「キャアアアアアアアア!」


 「な、なにいいい!」


 悲鳴をあげながら団員達だけでなく、市民達まで吹き上げる炎に巻き込まれる。


 「くっ!おのれえ!」


 「団長!てっ敵の攻撃です!」


 「そんなことぐらいわかってるわ!みんな、伏せて!」


 

 ドカアアアアン!ドム!ズズン!···


 

 ······


 

 「止んだ?」


 「そのようです!」


 「よ、よしみんな、各自点呼!」


 私がみんなの生存を確認していると、


 「だ、団長!」


 「今度は何!?」


 「敵が、敵が小舟に乗って港まで迫っています!」

 

 どうやら敵は上陸をしようとしているらしい。


 それは非常にまずいことだ。なぜならザメギア帝国の軍港が陥落するということは、敵に上陸地点及び補給地点を確保されることを意味する。


 補給の行き届いた軍隊は非常に強い。その為、敵がこの軍港を占領してしまうと、ザメギア帝国に取れる作戦は限られてくる。


 そのことが理解できるとシャールには絶対死守を部下達の命じた。


 「騎士団員全員聞いて!敵がこの軍港と町に上陸している!絶対死守よ!」


 「了解!」


 「本国から派遣された騎士団は町で敵を食い止めて!私達はシャール家の城で敵を撃破する!」


 「了解しました!」


 「シャール様に付いて行きます!」


 騎士団員全員が命令を理解したようなので、シャール達は城へ、ザメギア帝国から派遣された騎士団は町へ向かった。


 ドカカカカ···


 馬の蹄のけたたましい音を立て、それぞれが持ち場につく。


 そして···


 「てっ敵だ!きたぞぉ!」


 「弓隊!撃てえ!」


 弓隊から放たれた矢が一斉に敵に向かって飛んで行く。並みの兵士ではひとたまりもないだろう。


 しかし相手が悪かった。悪すぎたのだ。


 カンカンッ!


 「な、なんだアレは!」


 ザメギア帝国の兵士が矢が弾かれたことに驚いた時だ。


 ドン!

 ダカカカカカカカ···


 57ミリ砲と車載機関銃を連射しながら4両のチハが。


 続いて一両の新砲塔チハが進んできた。


 「てっ鉄の化け物だぁ!」


 「怯むな!騎馬隊!突撃しろ!」


 指揮官がそう命令して騎馬隊が抜刀突撃を行ったが···


 

 ドドドドン!


 ダカカカカカカカ······


 

 「うぎゃああぁぁーー!」


 「グハァッ!」


 5両のチハが主砲、機関銃を連射し、あっという間に殲滅した。


 「あんなのに勝てるわけがねえ!」


 「化け物だぁ!逃げろぉ!」


 しかし5両のチハは撤退する兵士に向け機関銃を連射する。


 ダカカカカカカカ···


 「グハァッ!」


 「痛っ!足をやられた!誰かたすk···」


 わずか三分で港を守る守備隊は文字通り全滅した。



 その頃、空でも小川帝国軍とザメギア帝国軍が戦っていた。


 

 「喰らえ!ファイアボール!」


 体長10mほどのドラゴンに乗った竜騎士がそう言うと、ドラゴンの口に火球が現れ、小川帝国軍のフォッケウルフに向かって飛んでいく。


 しかし、フォッケウルフはそれをひねって避け、後ろにまわりこんで機銃を撃つ。


 ダララララララ····


 「グヘァッ!!」


 放たれた銃弾は騎乗するドラゴンの厚い皮膚を貫き、内臓をぐちゃぐちゃにして生命を奪い、竜騎士ごと地上に落下していく。




 「くっ制空権もとられた!」


 もう港は完全に小川帝国軍の手に堕ちた。


 あとはシャールの領地にあるシャール城だけだ。


 「みんな!シャール城に立てこもるからついてきて!」


 シャールがそう言うと、「戦乙女騎士団」のメンバーが続く。


 途中は敵の隙をついて、なんとか丘の上にあるシャール城までたどり着いた。そして素早く城門を閉める。


 と、その時···


 グォォォォォォォォ···



 けたたましい音を立て、ティーガー、Ⅳ号戦車、Ⅲ号、T-34、JS-2、シャーマン、スチュアート、チハ、チヌが丘を登ってくる。


 「敵だ!バリスタ用意!うてぇ!」


 シャールの号令により城壁からバリスタが放たれるが、近代の戦車には全く歯が立たず、精々着弾の衝撃で中の乗員を揺らす位だった。


 そしてお返しと言わんばかりに各戦車が砲撃し、シャール城の城壁を崩し、ティーガーやJS-2などの口径が大きな砲弾は城壁を貫通するものもあった。


 「くっ!もはやこれまでか···。ならば···」


 

 小川帝国軍視点


 「小隊長、城門が開きました!」


 新砲塔チハのキューポラから頭を出し、無線で通話する。


 「なに?小隊、砲撃中止!他の部隊にも伝えろ!」


 そして開いた城門から、一人の馬に跨がった騎士が出てくる。


 「私の名前はシャール公爵だ!これ以上戦っても死者を増やすばかりなので降伏する!但し私と決闘をし、私が勝ったら捕虜となった民達を解放して欲しい!」


 これを聞いた小隊長は


 「おい、清水。お前確か帝国軍事学校で戦車指揮官の首席だよな。お前やれよ。」


 「じ、自分でありますか!?」


 「ああ。いってこい!」


 「では清水、いって参ります!」



 数分後、決闘の準備が完了した。


 部隊の者達が騒ぎを聞いて駆けつけ、さらにはこれを聞き付けた健治までもが決闘を見守る。


 「ほう。貴殿が相手か。何やら鉄の箱車に乗っているが。」


 「はっ。清水小隊長補佐であります!」


 「民達の為!いざ参る!」


 シャールが馬を走らせ、突進してくる。


 「操縦手!戦車前進!」


 新砲塔チハが履帯を回し、前進する。


 「速い!しかし!これならどうだ!ファイアボール!!」


 シャールが剣先から火の玉を生成し、新砲塔チハに向かって飛ばす。


 しかし、チハの装甲により、火の玉は弾け飛ぶ。


 「なにっ!」


 「今だ!全速力で横に回り込め!」


 グォォォォォォォォ!!!!


 チハのエンジンが唸りをあげ、シャールの騎乗する馬の側面に回り込み、そして衝突。


 シャールはその衝撃により、馬から投げ出された。


 「···私の負けか···。」


 仰向けになってシャールは呟く。


 この決闘により、戦闘は終わり、小川帝国軍はシャール軍港を占領した。

ご意見、ご感想など、お待ちしています。作者のやる気があがります。

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