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書物修復師  作者: kanoko
2/9

書物修復師2

扉の中は足の踏み場も無いほど書物に埋もれていた。


「モリーナさん、役所の方が来ましたよ。」


書物の影から返事がある。


「又ですか?

書物の扱いが悪すぎですよ。

あれ?初めて見る人ですね。」


薄汚れたスモッグを着た小柄な人物がこちらを見上げていた。

まさか、子供じゃないよな?


「本日赴任してきたランドルです。」


「ああ、モリーナです。

その子をこちらに下さい。」


その子?

後ろを見れば受付の彼女はもういない。

両手を出され、ああ、この書物の事かと思い手渡す。


大切そうに机の上に置き、箱の蓋を開けるのを見ていれば、空気が変わったのが感じられた。


『お疲れ様です。

何かして欲しい事はありますか?』


いきなり、独り言を言い始めた。


『お名前をお訊きしても?

お年は?

行きたい所とか、会いたい方はいらっしゃいますか?

そうですね、少しゆっくりして下さい。』


書物に向かって話し掛ける様は、先程の上官が【修復師サマ】と揶揄するのも仕方がないのかと思えるような絵づらだった。

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