表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Cぶれいく  作者: 才能ある暇人
4/4

オーレリア王国編 Ⅰ


「ほんとバカね!私まで巻き込まないでよ」


「俺のせいかよ!」


 お前だって飲み食いしてただろって言葉は飲み込んだ。


 連れて行かれた俺たちは今、牢屋の中にいる。といっても別々の牢屋だけど。

日も暮れていたし周りは暗かったけど、ここはどうやら城の敷地内のようだった。

すっかり、疲れていた俺は考えるのをやめて寝ることにした。


「もう、遅いし寝よう。おやすみ」


「…おやすみなさい」


 

「起きろ」


 朝になると警備兵らしき男に起こされた。


 「…ああ、もう朝か」


 よく眠れたとはいえないが昨日の疲れは大分とれていた。


「出ろ」


「釈放ですか?」


「……いいから出ろ」


 警備兵は全く取り合ってくれなさそうだった。

俺はやれやれと思いながら牢屋から出て、横を見るとどうやらイリも

同じように牢屋から出されていた。


「ついてこい」


 そう言って、ついて行った先に待っていたのは

警備兵とは格の違いが目に見えてわかる男の所だった。

男は部屋の真ん中にある机に肘を乗せ高級そうな椅子に座っていた。


「はじめまして、私はオーレリア王国の警備を預かっているバルドです」


 あまりに礼儀正しく名乗られ、棒立ちしていると横からイリに蹴られ俺は反射的に名乗った。


「あ、どうも。俺は朝霧夕です!それでこっちの女の子がイリです」


 どうやらこの男は警備兵の隊長らしい。


「君たちが捕まった理由はわかるね?」


「はい、お金を払えなかったからです」


「事情はあるだろうがこの際聞かないでおこう」


 正直、助かった。事情を話してもバカにされるのがオチだ。


「それで、実刑なんだが…通知によると城内にて5年の務めを果たすこと!以上!」


 5年!?長い長すぎる…なにか逃れる方法はないのか。


「質問があれば受けよう」


「あの、5年はさすがに長いのですが…短く出来たりは?」


「…可能ではある」


「ですよね…ってええ!?あるんですか?教えて下さい」


「今王国は戦力を必要としている!よって我が国の力となりうる奴はたとえ罪人でも開放している」


「力ですか…」


「ああ。この私と戦い、力を証明してもらう」


 無理だ。訓練もしていない俺では攻撃が当たりもしないだろう。


「やる」


 静かにしていたイリが突然、決闘宣言をした。

しかも、こっちを指差してだ!なんて奴だと心の底から恨んだ。


 バルドはニヤリと口元を歪め、いいだろうと了承した。その後

日時は明日の正午より行うと伝えると俺たちは牢屋ではなく普通の客間に通された。

扉を閉めイリを問い詰める。


「で、俺にどうしろと?素手や剣じゃ勝てないぞ。…それに魔法だってあるかもしれない」


 言ってて、ホント勝てる見込みないなと思った。


「多分、勝てるよ」


「だから、どうやって?」


「私たちにはコード改変があるじゃない」


「ばか言うなよ。そりゃ俺があのおっさんのコードを壊せば勝てるけど…人殺しはしたくない」


「違うわ。あなた自身の肉体強化の改変を行いましょう。

と言うか肉体改変が限界よ」


「そんなことできるのか?」


「読み取れるのだから簡単よ。コードを打ち込むのはあなただけど。ただ…」


「ただ?…なんだよ」


「ただ、これを行うとあなたの脳の領域はギリギリになるわ」


「領域?」


「あなたのコード改変はすごいけど、ほとんどがその能力の処理に回されているの

だから、もう単純な改変しかあなたには出来ない。それを超えると…自己を保てず崩壊する」


「コード改変した後、元に戻せたりはできるのか?」


「出来るはずよ」


「そうか、ならやるしかないな」


 そう言って、俺は自らのコードを改変した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ