突然やってくる少女
ピピピッ…ピピピッ……ピピピッ………
「ん、んぅ〜…………………」
ポカポカと暖かい日差しが差し込む春の日、
俺はいつものように6つの目覚まし時計と戦っていた。
ダッダッダッ、バンッ!!
ドアが勢い良く開かれた。
「う・る・さーーい。いつまで寝てんのよー!!」
「なっ?え??ちょっ、」
「うぉりゃ!!!」
そして問答無用のドロップキック
「ぐほぁっっっ…………」
何が起きたかわからず、ただ痛いだけの腹を抱えて悶える。
「まったく、いつまでも鳴らしてないでよね。ってか、何個目覚ましあんのよ?!」
彼女が驚くのも無理ないだろう。なにせ俺のベッドの枕元には6個の目覚まし時計がある。
苦し紛れに顔を上げるとそこには、呆れた顔をした1人の女の子がいた。
「え?誰?!?」
「だーかーらー、昨日言ったでしょ?忘れたの?」
「昨日……???」
それは新学期の準備をしていた時のことだ。
買い物から帰ってきたら一本の電話が入っていた。
「よう!我が息子よ!!急ですまんが、女の子を2人ほど引き取ってくれ。」
ガチャん、、ツーー、ツーー、ツーー、ツーー。
「は??どゆこと?」
何がなんだかわからない。というよりこの状況をわかる人なんていないと思う。突然親父から連絡がきたと思ったらいきなり女の子ときた。何を考えているのだ俺の親父は…….。
「一体なんなん…」
ピンポーン!!
「誰だよこんな時に!」
と、混乱している中、玄関から顔を出すと大きなスーツケースを持った2人の女の子がいた。
「えっとー、一応聞きますけど、どちら様ですか?」
「あなたのお父さんに言われて来たの。」
「あー。やっぱそうですよねーー。」
「やっぱってなによ。」
『お父さん』の一言で全てを理解した。困った人を見つけると放っておけないのが俺の親父だ。また何かに巻き込まれた子を助けたのだろう。
「あー、立ち話もなんだから、あがれば?」
もう何がなんだかさっぱりわからない。脳ミソ耳からが溶けだしそうだ。
リビングに向かい、2人をソファーに座らせ自分は向かいに座る。
「まずは、自己紹介しなきゃな…。俺は冬野勇矢。」
「あたしはルナ。よろしく!」
「よ、よろしく。」
「ほら、あんたも自己紹介。」
隣の少女がうつむきながら『舞依』と書かれた紙を見せてきた。
「もしかして、声が出せないのか?」
こくん、と頷く。何があったのかとても気になる。けれど、今はやめておこう。俺は一刻も早く休み、その溶けだしそうな脳ミソを冷やしたい。
「詳しいことは明日話すから。あとは適当にしてくれ。部屋は一階のなら何処でもいーから。」
「ちょっと、まだ話したいことが………」
パタンとリビングのドアを閉め、自分の部屋へと向かった。
「も〜、なによ。この家のこといろいろ聞こうと思ったのに。とりあえずお風呂に入って寝よう、舞依。」
こくんと頷き、2人は風呂へ入りそして寝たのだった。
そして次の日から全く予想もつかない日々が始まった。
初めてかいてみました!
続きは不定期にかいていきたいです!!