【200文字】最短最小最速異世界旅行物語
ある寒い日。
ボンテージ姿の女神が俺の前に現れた。
「異世界に行って下さい」
「お断りします」
「今ならチート能力もセットですよ」
異世界でチートパワーで俺最強。
それなら、と快く引き受けた。
「ご武運をお祈りします」
見た目に反して清楚な声が響いた直後、世界は一変した。
そして、間もなく俺の意識は闇に沈んだ。
――女神の笑い声が聞こえる。
「やはり窒息死する人間の顔は最高だわ」
異世界だけに、空気の組成も異なるらしい。
太古の昔の生命は二酸化炭素を糧としていたと云われている。
環境汚染によって酸素が増えて行く中、その環境に立ち向かい適応したものが進化と淘汰の競争に勝ち残ったという。
果たして荒れ狂う空と青酸に満ちた灼熱の海の中で生きた彼らにとって、今の地球は異世界どころかこの世の地獄と言えるかもしれない。
つまるところ、何が言いたいのかというとだ……
―― 一時の愉悦の為に人を破滅させる邪悪な美神って萌えるよね。