神の壱
「今日からあんたが神なのっ!!」
恋が天使に言い放たれた言葉・・・・。そう、この瞬間から恋は神様となった。
△▼△▼△▼
ピピピピッピピピピッピピピピッ
「うう・・・あぁ・・・眠いわ・・・・・」
(全くなんだったんだよあの夢は・・・夢っ!?あれは夢だったんだっ!)
バッ!恋は起き上がった。
「ほっ・・・やっぱ夢かぁ~そんなハズないよなぁ~俺が神だって!?バカみたいっ!!」
「もう・・・うるさいわねぇ~・・・まだ眠いじゃないっ!」
「わっ!ってえぇぇぇぇ!!!!」
恋の隣、腕の中には白くて丸い球体のようなものが転がっていた。
恋は、一度目をギュッと瞑り、頬をパシッっと一発ビンタした。
「えぇ~っと、これは夢の続きだ。もう一度寝ようか。うん。そうしとこう」
「ちょっと待て~~!!天使ドロップっっ!!!」
「ネーミングセンスっぼへらぁぁっ!!」
鳩尾に一発お見舞いされた。恋の体がくの字に曲がった。
「おいっ!イテぇーじゃねーかよっ!」
「あんたがとぼけるからでしょ?夢なんかじゃないわよっ!!」
「じゃあなんだよっ!俺は神か?あぁ?ならその証拠はほら言ってみな!」
「証拠ねぇ・・・まぁこれといったものはないわ。しいて言うなら私がここにいることかな?」
「天使がここにいること・・・・・?」
「うん。天使が人間界に来る事はないし、あったとしても普通の人間には見えないわ」
天使は自分の体の見せ付けるかのように手?羽?を広げた。
「へぇ~じゃあ例えば今俺がお前に美少女になれっ!って言ったら変身するわけ?」
「えっ・・・引くわぁ・・・気持ちが悪い・・・・・・」
「嘘やって!信じてんじゃねーよ!例えやって!た・と・え!」
「あっ嘘ね。もしホントだったらあなたを変態視するところだったわ」
「やめてくれよ。俺は断じて違うぞ」
「そうね。でも今のあなたにそんな力はないわ。名前が神なだけのただの人間よ」
(へぇ~やっぱ体自体は何も変わってないのか・・・あっそうだ。俺が神って決めたのって誰だ?)
「あぁ~あと一つ、俺が神って誰が決めたの?」
「それねぇ・・・まぁ・・・いずれわかるわっ!うん!」
「何かごまかしてねーか・・・・・・」
「えっ?そんなことは・・・あっ!あなた学生でしょ?学校は?」
「学校・・・・あっ!!ヤバっ!ゆっくりしてらんねぇーよ!遅刻だぁ~!!」
すぐに制服に着替え、昨日の残りのカレーを食べて、急いで玄関を出た。
「ヤベぇ~今日は一限から鬼教師だよっ!あぁ~今何時だっ!?」
「8時43分よ」
「そうかっ!ありがとっ!って!!!なんでお前がいんだよっ!!!」
「誰にも見えないから別にいいじゃない」
「邪魔なんだよっ!色々とっ!」
「えぇ~っと・・・色々・・??」
(見えないやつと会話してたら、頭おかしいやつだと思われるじゃねーかよ・・・・)
もうこの時点で見えないやつと会話して十分おかしいやつなのだが、なんだかんだ言い争いながら恋は学校の校門前にたどり着いた。
「ゼェハァゼェハァ・・・今ぁ・・・何時・・・・?」
「9時12分よ。ってかなんであんた疲れてんの?」
「歩いてるからだろーがっ!優々と空飛んでるやつに言われたかないわっ!!」
「おうおう・・・最上・・・劣等性のくせに堂々な登校だな・・・・」
「グッ!岩男・・・岩崎先生っ!」
「あっ?てめぇ~今なんか言わなかったか?」
この先生は、岩崎豊空手、柔道、剣道に合気道、更には総合格闘技まで極めた最強先生である。生徒からはそのたくましい体つきと名前から、「岩男」と呼ばれている。ちなみに体育教師ではない。バリバリの数学教師である。
「先生これにはれっきとした理由が・・・・・」
「理由か?いいだろう聞いてやろう」
「ありがとうございます!!では・・・・・・・」
(いや・・・待てよ。ここで天使のこと言っても絶対信じてくれないし、余計に大変なことに・・・)
「んっ?どうした言ってみろ」
「あっあのぉ・・・・・あっ!!あんなところにプロテインジュースがっ!?」
「な、なんだって!どこだっ!どこにあるぅぅぅ!!!!」
(よしっ!鉄板のプロテインジュース作戦大成功っ!これだけは絶対引っかかるんだよなぁ~)
急いで校内に逃げ込み、全力で走る。校内で隠れながら逃げればなんとかなるだろうという作戦だ。
「ねぇねぇ、今の人って魔族なの?」
「えっ?・・・はぁ?そんなわけあるか、れっきとした人間だよ。ってか魔族ってなに」
「そんなことも知らないで神やってたの?魔族とはその名の通り悪魔達のことよ。でもあんな大きい人間いたのねぇ・・・・」
「ハァ?俺はあんなのを相手にしないといけないわけ?」
「そりゃそうよっ!まぁ実際は『魔王』なんだけどあんたの相手は。魔王についてはまだ何も知らないわ」
「絶対強いだろっ!イメージでは・・・でっかい椅子に座って、黒い服をまとっていて、龍の杖を片手にこの世界の・・・これは違う王か」
「いや、多分ね。本当の魔王は自分だと思うのよ。自分に打ち勝ってこそ自分になりきれるんだと思うのよ私は」
「キレイごとぬかしやがって!・・・ってかお前の名前知らねーんだけど」
「私の名前ねぇ・・・名前・・・・・私誕生したばかりだから知らないわ」
「へぇ~生まれたてなんかぁ~・・・ってはいぃぃぃ???」
「な、なによっ!気持ち悪いわねぇ!!天使はねぇ、生まれてすぐに自分の役目が当たるのよ。それで偶然にも私はあんたの天使になったってことよ」
「じゃあ、名前は無いんだね。それなら・・・エンジェルだからエンジとか?」
「勝手に名前付けないでよっ!それになにそのダサさ」
「ならジェル」
「私はゼリーかなんかなわけ・・・・?ってかそれに人間に名づけされることはタブーなのっ!でも・・・あんたが呼ぶだけならそれは名づけにはならないんだけど・・・・・」
「わかったよじゃあメアリーなっ!」
「なぜにメアリー!?ま、まぁ・・・別にそれって決まったわけじゃないしね。いいわよ」
「おっ!まぢ?メアリー!メアリー?メアリーーー!!メアリーメアリー」
「ちょ・・・恥ずかしいからやめてよっ!!!」
そうして天使の名前が決まったところで恋は教室に着いた。
「おっ!速かったじゃないか!最上!」
「あっ・・・岩・・・崎・・・先生・・・・」
(おもいっきり忘れてた・・・一限は・・・数学だった・・・・)
「皆、よく聞け、今からこいつに大爆笑をとってもらうからなっ!ガハハッ!」
「えっ!!なぜにお笑い要素を取り入れた!?意味わからんしっ!!」
(なんか聞いたことあるぞ・・・この岩男・・・以上にお笑い番組が好きとか・・・・・・)
「まぁまぁ、笑わせれば、遅刻も許してやるよ」
「え、えぇ・・・・マジかぁ・・・・・」
(ここ最近一番驚いて面白いこと・・・最近のこと・・・最近・・・!!これしかないっ!!)
「えぇ~あのぉ~始めまして!僕は神ですっ!神様なんですっ!」
教室中が冷めに冷めまくった・・・。その後恋は別室に連れてかれ、岩男に地獄のような説教を受け、帰ってきた頃には、超真面目な優等生に成り変ったという。
まだまだ面白くもなんもないんすけど、頑張るんでっ!
感想、評価よろです~w