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勇者様は抑えられない!〜世界を救う勇者は好きに生きる〜  作者: ゆずリンゴ
サイドクエスト

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53/68

勇者が失踪した時その仲間は大体曇っている

 完全体ルシフェルに殺され、俺はまた戻ってきた。


 俺のこれからの旅の目的は複数ある謎を改名する事だ。魔王を倒すことではない。大切な人と幸せな暮らしをする事は出来ない。


 ……そんな状況下、俺は目標というのを定めていた。俺の先代の情報を集めるという事だ。これをする理由は主に2つ。


 まず先代勇者の情報はルシフェルも知らない情報だ。彼が一体どのようにして勇者になったのかがルシフェルは気になっているらしい。


 あいつの残した呪いによると「自らの意思」であるはずだが、どこか引っかかっかりがあるのだと。なにせ一人勇者が現れた事ですら奇跡なのに続けて二人、そして俺と誕生したのはあまりにも都合が良すぎるから。

 まぁ、過去2体の魔王を倒した人物は同一の可能性もあるが。


 そして、その先代をフィリアさんと合わせる事を俺は約束をしたから。


 ということで俺が今回最初に行くのは酒場だ。


 ◇


「少年よ、大丈夫か?」


 何度も見た光景。俺に突っかかるエーさんとそれを粛清するソルドさん。

 記憶を持ち越すようになってからは酒場に言ったら何を言うでもなく直ぐに一緒に店を出ていたからエーさん達が眠る事も無かったのに。


「はい、大丈夫です。助けていただきありがとうございます」


 ……前回はこの時に焦って逃げ出したが今回は冷静に言葉を続けることができる。


「そうか、なら良かった」


「ところで……貴方は勇者様について何か知りませんか」


 俺は無理に話を切り出した。少し不自然な質問だが、これでも最低限にしたつもりだ。


「……勇者について?何故そんなことを聞く」


 瞬間、ソルドさんが警戒を顔に見せる。

 当然だ。初対面の人物がピンポイントに「勇者の仲間」に聞く内容としてはあまりに怪しい。これが情報を職にした職の人間なら別だが俺の外見は凡庸な少年。


 ただ、俺は今回切り抜けることも出来て、かつ謎を解明できる言い訳を持っている。


「近くにゴッツ様を祀る教会がありますよね。俺はそこで修道女をする子の……『友達』なんですけどその子の大切な人が勇者様なんです」


「……なに?」


 この反応。どうやらソルドさんはフィリアさんの存在までは知らなかったみたいだ。

 しかし、これも知りたかったことの1つ。


 次にいこう。


「……あ、勇者だけじゃ分かりませんよね。ルミリという名前の人です」


 とても重要な質問だ。これが肯定されれば、過去2体の魔王を倒したのが同一人物だった事になる。できたら頷いて欲しい質問だ。


「ルミリ……」


 ソルドさんは俺が言った名前をどこか噛み締めるように口をする。良かった、これを見るにソルドさんの言う勇者はルカスさんだった。……これなら「実はもう死んでいた」という事もないはずだ。


 だって魔王との戦いで亡くなったのならソルドさんがその姿を探そうとしていたのはおかしい。少なくとも俺の目に彼がどこか狂ってしまっていた様に写った事は無いから。


「もし、その人物の居場所について一つでも知っている事があるのならどうか教えてくれませんか!……この人の帰りをずっと待ってる子がいるんです」


「……すまない」


 くっ……!ダメか。ソルドさんの様子は苦しそうだった。隠している訳じゃない。


「いえ、聞いてくれてありがとうございます俺は……他に知っている人がいないか探します」


 例えその先が地の果てまでだろうと時間はある。いくらでも、できるのなら無限に。


「待つんだ。俺は分からないが、俺の知り合いだったら何か知っているかもしれない」


「……仲間?」


「あぁ。実を言うと俺は君の言う勇者と共に旅をしていた。その時に他に2人、度の同行者がいてな―――」


 ◇


「……ここが、ソルドさんの言う仲間がいるらしい場所か」


 ソルドさんから聞いた話は先代勇者についてと共に旅をしていた時の仲間の事だった。「どこまでも不思議な男」が印象。いつも先の事まで見通しているような人。……やはり先代、ルミリさんも俺のように繰り返していたのか?


 仲間にむいては他に2人いたらしい。役職は召喚士と魔道士。


 そのいるかもしれない居場所を聞くと俺はヨー……そして、サンの2人を倒すとそこへと向かった。


 場所は召喚士の街、テンノファンタジー。

 ここに勇者パーティの召喚士を担った女性がいるという話を聞いた。……ただ、会うのは少しばかり難しいというのも。


 単純に距離が遠く道中に出る魔物が強いためあの街から一人で移動するのが難しいというのはある。


 それは俺のとってはなんの障壁にもなりはしないだが。……だが、それ以上の障壁があったのだ。なんと今回会う存在はこの街における第一王女様だと言うのだ。


 ……仮にも一般市民の俺では会う口実が難しい。じゃあ勇者であることを話せばいいのではないか。


 無論、既にそれはしたのだ。

 一応は勇者、その顔の特徴程度は殆どの国では認知されている。……その特徴が一般市民なのはさておき、この世界の勇者事情とも相まってその事実は容認された。それで顔合わせの確認までは到着した。


 ……ただ、そこで終わってしまったのだ。終わってしまったのだ!

 確認を取りに行き戻ってきた門番から「会う気はないと言われた」と。


 無理やり強行突破をして会うこともできはする。ただ、そんな事をすればまともな話も出来ないだろうし……困った。―――そんな時の事だった。


 街を歩く住民の一人からとある会話が聞こえる。


「ねぇねぇ知ってるぅ?実は第一王女の婚約者候補を決める試練がもうすぐ行われるんだって!キャッ」


「知らねぇよ。俺が興味あるのは……いや、なんでもない」


 それは、確かに男二人による会話だった。


「……婚約者候補を決める試練か」


 これは使えるかもしれない。婚約者になるつもりは無いが、対象と会話をするチャンスになるには違いない。


 俺は、その婚約者候補を決める試練に出ることに決めた。




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