慕ってくる子は皆可愛い
「せーんろは続くーよどーこまーでもぉー」
勇者は歌う。線路なんて無い砂漠の上で歌いながら2人目の仲間を探しに行く。
「勇者様、どこ行くのかしら?それに1日で行ける距離にこんな砂漠地帯無かったと思うのだけど」
「うーん……女武道家がいるところに行こうかと」
「あら、それはどこかしら。それともう1つの質問にも答えて貰えるかしら」
勇者は「うっ……」と言わんがばかりの顔をする。
「言わなきゃダメ?」
「えぇ。だってこんなのおかしいもの。私自分がボケちゃったのかって不安になるわ」
「……ワープしたんだよ。魔法、魔法でワープ」
「ワープ……空間を移動する魔法なんてあるの?」
「うん、他の生物の気配を辿ってそこに行く魔法とか、魔法陣を描かれた場所にとぶ魔法がある」
「そう、若いのに博識。私の『隠された手』にも気づくし勇者様ってやっぱり特別なのね」
マネからの褒め言葉。勇者も満更では無さそうな顔をしている。
「いやぁ……ま、それ程でもあるんですけどね?」
「ところで辺りに魔物も魔法陣も居ないけどこれはどんな魔法だったの?」
「えーと次の目的地はファイターストリートってとこでさ!あそこの料理は美味しいんだよね……旨みがある!いやぁ楽しみだなぁ」
勇者は話を逸らした。
「そう、まぁいいわ。勇者様、もちろんご馳走してくれるわよね?」
「もち!」
勇者とマネーが次に向かったのは武道家の街・ファイターストリート。たまにファイターとストリートを逆に読む人が居るが、それはタブーとされる街だ。
そんな場所に着くが……?
「うーん……男ばっか」
「仕方ないわ、そういう武道家をする女の子は少ないし。でも、強そうな男なら沢山いるわ」
「えー、嫌だなぁ」
街は男ばかりであった。
赤いキャップをしたテリヤキという男となんか浮いてるダルゥシヌゥと言ったとても強そうな奴は居るが勇者は旅のメンバーには入れたくないらしい。
「可愛い短髪美少女武道家は居ないものか……」
「居ないと思うわ」
「いっそ人妻でも……」
確かに人口が中々いる以上、人妻の武道家は間違いなくいるだろう。
「それは論理的に良くないわ」
しかし当然、マネに注意された。
勇者は男を拒む。どうしても女が良いのだ。
「―――うわぁ!魔物だぁ!」
そうして女武道家を探して街を歩いているときだった。街中に巨大パンダの魔物が現れた。
「パンッパンにしてやるパンー」
▶巨大パンダが現れた
「大きいなぁ……」
勇者は巨大パンダの大きさに感動している。
「大きいわねぇ」
マネも巨大パンダの大きさに大きいなぁと思っている。
「それじゃあ倒そうか」
「そうねぇ……それじゃあ勇者様、頑張ってくださいね」
そうして勇者とマネが被害が出る前に巨大パンダを倒すべく動こうとした時だった―――
「昇給拳!」
女武道家が現れて巨大パンダに青く光るオーラを纏ったアッパーカットを放った。
「あ、短髪美少女武道家だ」
濁りの見えない純粋な黒い髪は短くボブカットをしているようだ。
赤を基調とした武道着は風通しの良さそうな袖の短さで足と腕がちょうどよく見える。
童顔のまだ幼さの見える顔の活発な女の子と言った印象だ。
「まさか本当にいたなんて……」
「パン……パンパンパン!」
昇給拳を喰らった巨大パンダであったが致命傷には至らず……むしろ昇給拳を打ったこと時に巨大パンダの身体に押し返された衝撃で体制を崩した女武道家が巨大パンダに掴まれてしまった。
「パンパンしてんじゃねぇ!」
▶パンパンしてる巨大パンダにキレた勇者は腹部にパンチを食らわせた
巨大パンダは倒れた
ただ勇者の敵ではなかったようで、1発の攻撃で倒れ込んだ。
「勇者様って本当お強いのね」
「勇者だからね!それにしてもあの野郎パンパン言いやがって!パンパン……」
「パフパフ?」
「パフパフ!」
▶勇者はパフパフした
金貨1枚を失った
「―――あの!」
「女武道家だ」
「女武道家ね」
「先程の技……感服しました!私の師匠になってください!」
女武道家の勇者を見る目は曇り1つない尊敬の眼差しだ。
「まぁ、さっきのはただの腹パンだけどね!それはそうと美少女は大歓迎だよ」
勇者は美少女を拒むことは無い。
▶女武道家が仲間になった
「ところでさ、巨大パンダって食えるかな?」
勇者の巨大パンダを見る目はまさに獣。
食べることしか考えていない。
「そうね、蒸したらいけるんじゃないかなしら」
「料理なら私にお任せを!」
「女武道家で料理もこなせるとは……お得だなぁ……」
▶勇者一行は巨大パンダの蒸し焼きを食べた
巨大パンダの蒸し焼きと言えば某大食い美食家が食べていたが、やはり美味しいのだろう。勇者一行も満足そうである。
「あ!やばい装備買うの忘れてた」
「そうね、勇者様が守ってくれるとは言えちゃんとした装備は欲しいわ」
「装備!お師匠、私強くなるための装備欲しいです!」
「じゃあ次の街でいい感じの装備買おうか」
「わーいお師匠様大好き!」
▶女武道家は勇者に体を押し付けた
なにか起きそうで何も起こらなかった
「よろしくねリウ」
「はい!」
リウを仲間に加え、スパイシーな辛旨料理を食べた勇者の旅はまだまだ続く。




