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勇者様は抑えられない!〜世界を救う勇者は好きに生きる〜  作者: ゆずリンゴ
第2章

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終わらない(3)

「待て!逃がさないぞぉー」


「待つもんか!」

(へっへー追いかけてくるなぁ!?)


「逃がさないって言ってるだろ?加速ゥ!」


「早すぎんだろ!?」

(や、やべぇ。予想よりも早い……けど)


「ここで大ジャーンプ!」


「もう捕まえ───」


 ▶ボブは巨大落とし穴に囚われた


「へっへーん!この勝負俺の勝ち───」

(ドン!ドン!)


「……もしかして、ジャンプで上がって来る感じ?なら爆弾もドーンだ!」


 ▶ボブは小型爆弾をバラまいた

 ボブに大ダメージ


「クソ人間!汚い手を使うな……!」


「汚いかどうかじゃねぇ!勝つか負けるか、取るか取られるかだ!ってことで逃げるんだよォー」


 ◇


 ビルさん……大丈夫かな?


(ドォン!)


「ば、爆発音!?まさか……いや、遺跡が壊れてないからあの爆弾では無いけど……」


 不安だ。やっぱり追いかけた方が良かったのかな?……いや、ここはビルさんを信じよう。

 それより、今の内にフィリにエリクサーを使うんだ!


「フィリ、エリクサーを今から使うね!」


 ……多分飲ませたらいいんだよね。


 ▶勇者はフィリにエリクサーを飲ませた


「フィリ、呪いは解けた……?」


「───あ、あ」


 喋っ……た?呪いが解けたんだ。


「フィリ……良かった。やっと───」


「おーい!逃げるぞー」


 え、ビルさん?


「ボブが、追ってくる!!!」


「殺す!すぐ殺す、今殺す、絶対に殺す!」


 これはヤバい奴だ。


「フィリ!逃げよう!」


「う……ん」


「あ、ちょ、俺もオンブしてくれぇー」


 ▶勇者は2人を抱えた


「そこ、罠あるから気をつけろ!」


「え、え、ロボットもきた!」


「ボ……ブ、きてる……」


 ▶フィリの攻撃

 火球がボブに目掛けて飛んでいく

 ボブが少し怯んだ


 ▶勇者の大ジャンプ

 ロボットを飛び越えた


「これは大変だ……」


「次、右だ!その次は罠があるから駆け抜けろ!そしたら───」


 情報が多い。


「殺すぞぉ!このチマチマとした罠にはビリビリが含まれており、女からの攻撃が厄介!これには流石の俺ちゃんもキレ───」


 ▶遺跡の構造が変わった


「ボブ、消え……た?」


「お!遺跡の構造が変わって遠くに行ったみてぇだな」


 ……助かったぁ。


「とりあえず急いで遺跡の外行くぞ!5分以内にだ!」


「は、はい!でも安全になったんならビルさん降りてくれませんか?」


「あぁ、すまねぇ」


「ゆうしゃ、私も……降りる?」


「いや、フィリは大丈夫だよ」


「おいおい!勇者様も男なんだなぁ!っていえか嬢ちゃん喋れるようになって……エリクサー使ったのか」


「はい、これもビルさんのお陰です」


「もっと、感謝してくれてもいいんだそぉ?……まぁ、とりあえず抜けるぞ!」


 ───そうして、ボブと会うことなく僕たちは遺跡を抜けることに成功した。


 ◇


「ふぅ……今までで一番ドキドキしたぜ!」


「本当ですね」


 やっぱりボブは厄介だ。結局倒すことは出来なかった。


(“ド“ッカ“ァ“ァ“ァ“ァ“ア”ーーーン”)


 ……え。


「あの……遺跡爆発しましたよ?」


「あぁ、アイツは危険だから念の為にとびっきりの爆弾を仕掛けて来たんだ」


「そういうのは、心臓に悪いので先にいってください」


「ほんとに……よく、ない……」


「あぁ、すまねぇ!でもこれでボブってやつも流石に……」


「多分、生きてる気がします」


 それで、前回と同じように雪の森で襲ってくる。きっと。


「はぁ、まじかよ。四天王ってのはヤベェんだなぁ……でもアイツが最強の四天王なんだろ?」


「いえ、上にもう1人いて、前回はそいつに為す術なく……」


 あまり、思い出したくない。手も足も出なかった。敵とすら認識されなかった。


「まじかよ!なら、俺も一緒に旅に行くかな」


「え?今の流れからそうなったんですか?」


「おう!このまま世界が滅ぶくらいなら少しでも抗いたいってのが俺だからな!ちなみに次はどこ行くか決めてんのか?」


 次は……雪の森だけど、今の強さで行ったところでアイツには勝てる気がしない。


「まだ考えてます……」


「じゃあ情熱の街ラブケーンって所に行かねぇか?」


「ラブケーン?」


「おう!龍の加護で守られた世界一安全な街らしいんだが……道中の魔物が強くて行けなかったんだ。だけどお前らがいるなら安心だし行ってみたくてな」


「龍が出る街……それに強い魔物も……強くなれる気がするので、行ってみたいです!」


「ゆうしゃが行くなら……私も」


「じゃあ情熱の街に決まりだなぁ!ちなみに、ここから結構遠いぜ!……何日かかるかなぁ」


 雪の森を後にしてもいいのだろうか?

 いや、雪の森が襲われるタイミングに僕が行くことが関係している可能性もある。

 今の僕が行ったところで前回と同じで勝てない。それなら今回は情熱の街を優先してみよう。



 ◇


 ラブケーンの近くらしいけど……ここは暑い。


 砂漠という訳でもなく、普通の草原だけど太陽がジリジリと照らしてくるのとは違った暑さがある。


 なんというか身体の芯から何か熱いものが込み上げてくるみたいな。そんなことを考えていたら……魔物だ。


 ▶アイクズの群れが現れた


「なにこの魔物」


 ピンクの植物系の魔物……だよね。


 ▶アイクズAのチャーミングな踊り

 ビルはアイクズに魅了された


「あぁーんメロメロォ」


「え、ビルさん!?」


 ▶フィリの攻撃

 炎の渦がアイクズに放たれる

 アイクズaは燃え尽きた


「ゆうしゃ、この魔物……弱いよ」


 ……弱いんだ。


 ▶勇者の攻撃

 斬撃を複数飛ばす

 アイクズbとアイクズcは散り散りになった


「はっ……俺は一体何を」


「魔物にメロメロでしたよ」


「オェェエ!さっきな魔物にメロメロォ?」


「強いの、来た……かも」


「確かに、なんか凄い気配がしてきた」


「パ……パァォーショォン!」


 なんだこいつら……。巨大パンダよりも大きい。


 ▶興奮したエレフォンと魔物の群れが襲いかかってきた


「油断出来ないね」


「うん、ヤバ……そう」


「大丈夫だ!俺の爆弾が火を───」


 ▶エレフォンの踏みつけ

 ビルは回避した


「あ、あっぶねぇ!」


 ▶勇者の攻撃

 斬撃がエレフォンの皮膚を切った

 エレフォンは怒っている


「あんまり効いてない。これは……」


「私の出番……」


 ▶フィリの攻撃

 メテオがエレフォンを襲う

 エレフォンはこんがりした


「パァァーショ!!」


「硬い……!興奮までしている」


「ゆうしゃ……これ」


「逃げろぉー!」


 ビルさんの言う通り、ここは逃げた方がよさそうだ。


(バサッ!バサッ!)


 ……?何の音だ。


「フゥーーー!」


「龍!?」


 なんて威圧感。緑色の大きな龍。あの四天王に感じたのと同じ……いや、それ以上かもしれない。


「大きい…ね」


「こりゃあすげぇ!……けどヤベェぞ」


 ▶風龍の扇風

 エレフォンの熱が冷めた


「……ぱおん」


「あれ、さっきの魔物が様子が落ち着いた」


「助けて…くれ、たの?」


「みてぇだな!」


「フゥー!フゥフゥ!」


 ……なんて言ってるのか分からない。

 けど、敵では無いみたいだ。


「フゥ!」


 ▶風龍が翼を広げ乗れと促している


「おい!これ乗っていいんじゃねぇか?」


「確かに、そんな感じがしますね」


「乗って……みよ」


「じゃあ、龍さんお願いします」


「フゥ、フフゥ!」


 ▶風龍はラブケーンへと飛んだ


 ◇


「……おぇ、速すぎる」


「凄かったな!」


「すご、すぎ……」


 少し気持ち悪い。けど街には着いて……あれ?なんか街の雰囲気がおかしいような。


「あついわぁ」


「あんっ身体が疼くぅ」


「俺の!身体が!ンン!アァ!」


 うん。すごく、おかしい。


「フゥ!フゥ!」


 なんだか、この龍もすごく慌てているみたいだけど。


「あ、あん!あなたは!ンッ……風りゅンッ!様!」


 なんだかすごく乱れた服のおじさんだ。

 というか街の人全般服が……はだけている。

 バニーの街とは違うタイプの露出だ。


「あの、すみません!この街でなにがあったんですか?」


「あんっ!あなたはゅ旅ィ!の?」


「はい、魔王討伐の旅をしてて……本当になにがあったんですか?あなた大丈夫ですか?」


「大丈ぶンッ!」


 大丈夫じゃなさそうだ。


「先オホォ!媚龍びりゅう様がぁ、降りてきて、ブレスをぉ!吹いてたせいでぇ皆ぁ興奮してるんですぅ!」


「……もしかして、さっきの魔物もその媚龍っていう龍のせいで?」


「勇者様の言う通り……そうかもなぁ!おっ」


「え、ビルさんまでどうしたんですか?」


「なんかっ、なんだァ!?ここに来てからヤベェんだ!」


「媚龍様のぉすごいのがァ残ってるのぉぉぉー」


「フゥ!フゥフ?」


「あッ、媚龍様はぁ、山へと戻りまひたぁ」


「フゥ!」


 風龍がどこかに飛んでいった。

 ……なんだこれ。


「ゆう……しゃ、私も身体、が火照……んっ」


「フィリまで!?……でも確かに僕もさっきから」


 身体が、芯からどこか燃えるようだ。それによく分からないけれどモワモワと変な感覚になる。


「明日にはぁ収まると思うのでぇ!宿屋に行ってぇくだっさイッ!今日はあ無料!でぇす」


 無料らしいので、一旦宿屋に行くことにしよう。……僕もおかしくなりそうだし。


 ▶勇者は宿屋に向かった


 ……宿屋に来たのはいいけど。


『あんっ!そこっ、そこがいいのぉ!』


『いくぞ!インナちゃん!!!うぉぉぉ!』


 色々な部屋からなんだが声が……嫌だな。


「あちぃ……ヤベェよこりゃ!勇者様はあんで平気そうなんだぁ?」


「いや、平気って訳じゃないけど」


「勇者、こっち…きて」


 ▶フィリが勇者をベッドに誘っている


 平気じゃない。いや、本当に。


「ゆう……しゃぁ」


「フィリ、そういうのは……」


「いっしょに、寝るだけ……だよ?」


 そうだ。ただ寝るだけ……だよね。

 むしろ断る方が変か?そうだ我ながら変なことを……いや、でも。


「おいおぃ、そういう関係かよぉ!羨ましいぞコノヤロウ!」


「そういうわけじゃ……」


「ゆうしゃ、早く……きて」


「……」


 ▶勇者は1夜を過ごした



「───はぁぁあ!昨日はとんでもなかったな!」


「ですね」


「……」


「お?フィリが顔赤くしてるけどなんかあったか?ん?んん?」


「ないですよ!何も無かったです!」


「してくれなかった……」


「フィリ……」


 あぁ……うっ。仕方ないんだ。


 とりあえず、落ち着こう。


 昨日は色々と大変だったからほとんど何も出来てない。


 媚龍っていうのも気になるし、助けてくれた龍についても気になる。街に出て情報を集めてみよう。



「―――あ、旅人のお方ではありませんか。先日はご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ありませんでした」


 あ、乱れた服のおじさんだ。

 ……なんでかな、街を覆っていた変な雰囲気は緩和されたのにこの人は今日も今日とて乱れている。


「ほんとに色々大変だったぜ!ありゃあ一体なんだったんだよ?媚龍だとか、なんだとかよぉ!」


「あ、僕も気になります」


「はい、媚龍様ですね。この村は2体の龍、風龍様とその妃である媚龍によって守られてるいるのですが……たまに喧嘩をなされると怒った媚龍様が周辺に媚薬作用のある毒を撒き散らすのです。その被害は村の外の草原にまで及び、興奮した魔物が暴れて暴れて……まぁ、外から人がやってくる事はそう多くないのですが……」


「……そりゃあ、大変な街なんだなぁ」


「大変な事もありますが、風龍様と媚龍様の加護で街自体は平穏ですので……」


 ……平穏?


「そういえば、街の人の格好も変わってますよね」


「着てるの……色々、薄い」


 フィリの言う通りだ。


「それはですね、媚龍様の加護で村人の性なる欲求が刺激されて体温が上がってるので、普段は涼しい服を着ているんです」


「確かに昨日と比べりゃマシだけどまだなんかオカシイもんなぁ……同い年のナイスバディな女の子を旅に連れていきてぇなぁ」


「……ビルさんってまず何歳なんですか?」


「26だ!」


 思ったより若い。失礼だけど30はいってると思ってた。


「じゃあいつか、バニーの街に行きましょう」


「お?いい響きの街じゃねぇか!」


 ▶フィリは睨む

 勇者とビルは悪寒に襲われた


「あ、えーと、そういえば風龍の事も気になります!草原の途中で興奮してた魔物を落ち着かせてたのを見て……」


「あぁ、あの方は風を起こすことで冷静を取り戻すことが出来るのですよ!……まあ、我々の様な一般人だと風圧に耐えることが出来ないので媚龍様のアレを喰らっても時間が解決してくれるのを待つしかないんですが」


「そういえば、龍と話して……なかった?」


「あぁ!その事ですか!実は龍様は人語を理解しておりまして!まぁ、私自身もこの街の村長である以前に龍の研究家なので風龍様達の言葉も理解できるんですよ!」


「龍の言葉を……?それは凄いですね」


「はい!良ければ教えましょうか?」


 龍の言葉って理解した方がいいかな?

 もしかしたら次回以降の役に立つかもしれないよね。


「じゃあ、お願いします」


「おぉ!それでは長くなりますが一日中語らせてもらいますよ!」


「え、……そんな長いんですか?」


「えぇ、まずですねぇ───」


「あ、ちょっと俺は買い物でもしようかなぁ!」


 ビルさんが逃げた。

 ……それにしてもこの人、龍に関する熱量が凄いなぁ。




「───そして、私は風龍様と和解してこの街を守ってもらうことになったのです!」


「すごい……壮大……な話」


「最初はどうかと思ってたけど、感動しました」


 ……途中から龍の言語の話じゃなくなったけど面白い話だったなぁ。

 まさか、村長さんが媚龍に惚れられてあんな目にあった挙句に風龍に浮気相手として飛ばされかけたなんて。


 でも、最後には和解できて街を守って貰う約束まで……凄いなぁ。


「ふぅ、熱く語りましたがこの街は風龍様達の身体の一部を利用した装備品も揃っているので良ければ見ていってください。本来とても高いのですが今日であれば値引きもされているでしょうし」


「そうなんですね。それじゃあ……行ってみようかな」


 ▶勇者は装備屋に向かった


「うわぁ、凄いなぁこの装備、特に布面積が。……でも、確かに凄い力を感じる。


 この剣なんて下手したら勇者の剣よりも強いような……いや、まさかそんなはずはないさ。


「勇者、私、この服……欲しい」


「え、杖じゃなくて?この服?」


 ……待って、この龍の鱗で作られたビキニアーマーってやつ胸以外隠れないじゃん。


「これが……いい」


「いや、でも流石に」


「勇者に……見て、もらいたい」


 !!??!


「いや、その……僕はフィリの事いつも見てるよ」


 そういう僕の顔は昨日のどんな時よりも赤くなっているだろう。


「なら、いい……よ。代わり……に、この杖欲しい」


「うん」


 納得してもらえて良かったけど、危うい。ダメだフィリが愛おしい。


 もう、絶対に死ねないじゃないかこんなの。


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