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勇者様は抑えられない!〜世界を救う勇者は好きに生きる〜  作者: ゆずリンゴ
第2章

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2ターン目(4)

はぁ……はぁ、ここが武道砂漠。


 とにかく暑くて熱い。それに、敵が強い。

 巨大パンダが出てくることは勿論として、緑色で尻尾に棘を持った二足歩行の魔物、一見普通の花の様に見える二足歩行の魔物、そして牙ウサギが茶色くなって二足歩行になった魔物などがいた。


 何よりも、全ての魔物が武道家としての心得を持っているのだ。

 リウさんと共に修行して居なければもっと苦労してここを通っていたんだろうな……。


 ―――そうして、数日かけて武道砂漠を抜けた僕たちはよくやく次の街へ着いた。


「勇者、この街で休憩を取らないか?」


「いえ!少しでも早く行かないと……」


「……勇者、もう少し仲間を見てやれ」


「え」


 ソルドさんに言われ、ふと後ろの方を見ると、一目で分かる疲弊したフィリの姿があった。


 ……僕は、勇者であるのにも関わらず自分の仲間のことも考える事もできていなかったのか。


「……ソルドさんありがとうごさいます。

 フィリごめんね……今日はゆっくりと休もう。」


 僕の言葉にフィリは安堵したような表情を見せる。


 ……フィリは言葉を出すことが出来ない。だからこそフィリがどんな体調を僕がちゃんと気にかけないと行けないんだ。


「あぁ、だが勇者もしっかりと休むんだぞ」


「はい」


 この一件を通して、僕は休憩や娯楽をちゃんと取り入れる事にした。


 今までは食事は食べられるのなら何でもいいと思っていたけど、やっぱり美味しいものものを食べた方がやる気だって出るし、何よりフィリは今の今まで色々と不自由だった事を考えると少しでもいい物を食べさせて上げたいと思ったから。


 ……この世界は魔物によって食べるものも、住む場所も失った人だっている。……早く魔王を倒さないと。


 ◇


 休憩を得ながらも、僕たちはついに遺跡へと着いていた。ここを抜けさえすれば次はもう雪の森だ。


「ここが遺跡……」


「ロボロボ遺跡だな」


「ロボロボ?」


 聞いた事のない言葉だ。


「あぁ、『ロボット』と呼ばれる特殊なモンスターが大量にいることからロボロボ遺跡と呼ばれているんだ」


「……ロボット、手強そうですけどこの道を抜けないと行けないんですよね」


「そうなるな」


「じゃあ行きましょうか……フィリ、行こう」


 僕の言葉にフィリは頷いた。そんな時だった。


「―――ウォォァォォォォオォ!誰か助けてくれぇぇぇぇ」


「シンニュウシャハイジョ」


「な、なに」


「勇者、敵だ」


「はい!」


 ▶ロボットの大群が現れた


「剣撃乱舞!」


 ▶勇者の攻撃

 踊るようにして威力の増されていく攻撃が放たれる

 ロボットが壊れた


「雷撃」


 ▶ソルドの攻撃

 ロボットち大きな雷が降った

 ロボットの動きが止まった


 ▶フィリの攻撃

 爆メラーフレイムがロボットに降りかかる

 ロボットは燃え尽きた


「よし、全部倒せたかな?」


「お、おい!お前らすげぇなぁ!」


 あ、ロボットに追われてた人だ。


「俺はトレジャーハンターのビルだ!さっきはトラップ起動させちまったみたいでよォ……助けてくれてありがとな!」


 トレジャーハンターだって?それなら……。


「ビルさん……僕は勇者です。これから僕達遺跡を抜けないと行けないんですけど着いてきてくれませんか?」


 遺跡を抜けるならこの人がきっと力になるはずだ。


「勇者様!通りで強いわけだ。いいぞ!むしろお前たちみたいな強いやつが一緒に来てくれるなんて心強え!」


 ▶ビルが仲間になった


「……それにしても凄いなぁ」


 遺跡の中は壁から床まで見た事の無い物で造られている。……所々出っ張っている所があるけどこれがトラップなのだろうか。


「あ、そこ危ねぇぞ!」


「え?」


「その前にある床は飛び越えねぇとトラップが発動しちまう」


「ビル、よく分かったな」


「あぁ!俺はトレジャーハンターだからトラップがどこにあるか分かる魔法が使えるんだ!」


 ……それじゃあなんでロボットに追われてきたんだろう?


「ここはロボット?って奴が至る所にいるからよぉ……中々進めねぇんだ。いやぁ一人じゃ攻略できなかっただろうなぁ」


「……ところでビルさんがいるってことはこの遺跡には凄いお宝があるんですか?」


「あぁ!なんでもエリクサーっていうどんな病気でも呪いでも直せる奇跡の薬があるらしくてな」


「どんな病気や呪いでも!?それって……」


「フィリの呪いも解けるかもしれないな」


「あ?フィリってのはそこのじょうちゃんか?」


「はい」


 フィリの方を見てみると彼女も大きく頷いている。


「そうかぁ……じゃあ、エリクサーが手に入ったらお前らにやるよ」


「え、本当ですか?」


「もちろんだ!」


「やったねフィリ!」


 うん、フィリも表情を明るくしている。


 ───そこからは、トラップを避けながら道を、歩き階段を登ったり降りたり、ロボットを倒したり、時には宝箱を開けたりして、その宝箱の中に魔物が入っていたりと、ここでも魔物を倒しながら着実に強くなりつつ僕達は遺跡を攻略を進めた。そしてついに。


「これがエリクサー!」


 秘宝、エリクサーに僕たちは辿り着いたんだ!


(シュッ!)

「ふっ、人間にこの秘宝は渡さないぞ」


 だ、誰だ?エリクサーが目の前から消えて……。


「だ、誰だおめぇ!」


「よく聞いた、俺ちゃんこそが四天王の1人、瞬速のボブだ」


 ▶瞬速のボブが現れた


「エリクサーは渡さない!」


 ▶勇者の攻撃

 しかしボブには当たらない


 ▶ソルドの攻撃

 ボブにはかすっただけだ


 ▶フィリの攻撃

 しかしボブには当たらない


 駄目だ……攻撃が、当たらない!こいつ、速い。速すぎる。目で追えてすらいないなんて。


 ▶ボブの行動

 反復横跳び

 ボブの俊敏性が上がった


 ▶ボブの攻撃

 高速のパンチがビルを襲う

 ビルが吹っ飛んだ


「い、イデェ!」


「この瞬速のボブに勝てると思っていたのかァ!?」


 ▶ボブの高速3連パンチ

 ビルが吹っ飛んだ


「ビルさん!」


「勇者!油断するな!」


「―――遅いなぁ!」


 ▶ボブの高速3連パンチ

 勇者は吹き飛んだ


「っ……一撃はアイツ(サン)よりは重くないけど早すぎて何も出来ない……」


「遅いヤツは可哀想だなぁ?可哀想だがら息の根止めてやるよ!」


 くそっ……どうしたら……。


「おいボブ!こっちこいよぉー!」


 え?ビルさんがボブに挑発を?


「あ?先に死にたいのかー?早く死にたいのかー?」


「ちげーよ!おめぇを倒すってんだよ!」


「早く死にたいんだな!殺す!」


 ▶ボブの高速移動

 ボブはビルの前に移動した

 ▶ボブの攻撃

 神速の一撃が離れた

 しかしビルは持ちこたえた


 なんだ……?ビルさんこんな時に笑みを浮かべている。


「かかったなぁ!?俺の最後の悪あがきによぉ!」


「あ?」


 ▶ビルの特大爆発トラップ

 ロボロボ遺跡が爆発した


 ―――っ……遺跡が爆発して……


 ◇


「……やるじゃん、自分の命をかけての攻撃の判断が早いなんて」


 爆発と共に僕は強い衝撃に襲われた。

 そして一瞬意識を失っていたが……目の前の存在に戸惑う。


「ボブ!?なんで……ビルさんの命懸けの攻撃で生きて……だってあの至近距離での爆発を」


「あー?すぐ離れただけだが?まぁ、結構痛かったけど……とりあえずエリクサーも爆発で無くなったから一旦引いてやるわ!ま、次に会う時は魔王城かなぁー?その時改めて、直ぐに、殺してやるから待ってろよー」


 そう言うと直ぐにボブの姿は見えなくなった。逃げたのか。

 くそ、ふざけるなよ!ふざけるなよ……。

 いや、今はソルドさんとフィリの無事を確かめないとを


「おーい!ソルドさん!フィリー!」


「……ふぅ、その声、勇者か?」


「ソルドさん!」


 ソルドさんの声が聞こえた方向に行くと……いた。何とか立っているけれど右足が瓦礫の下敷きになっていたらしい。血が滲んでいる。


「すまない……瓦礫で足が……これでは使い物になりそうも無い」


「そんな……」


「ところでフィリはどこだ?」


 ……どうしよう、フィリは喋ることができないから、今は瓦礫を地道に退かすしか。


(ボンッ!)


 !?今の音は……もしかしてフィリか魔法で瓦礫をどうにかしようしたのか?

 とりあえず行こう。

 ―――ここだ、瓦礫が焦げている。

 そうして、瓦礫を退けていると……フィリが、頭から血を流して……!


「フィリ!フィリ大丈夫!?」


 僕が抱き抱えると、フィリは右手で僕の腕を掴む。

 意識はある……けど、目が開かない。


 ◇


 ―――ロボロボ遺跡、そこでの被害はあまりにも大きく……ソルドさんは片足を、フィリは、視力を失った。

 せっかく仲間になったビルさんの命まで失い……本当はフィリの目を治すために秘宝を取ろうとしたのに視界までも……。

 それなのに、何故か僕だけが奇跡的な程に無事で……なんなんだよ、なんなんだよ!


 遺跡が壊れた影響で次の目的地である森は既に見えている。

 それでも2人のことを考えると、休ませて上げたい。でも近くには街の1つも無い。


 どうして、こうなった。

 どうして?僕が弱いからだ。

 もっと強ければ、誰も失わないで済んだはずだ。


 違う、やめろ、僕だって頑張ってるんだ。

 自分を責めるな。

 1人で冒険すべきだった、そうすれば犠牲になるのは僕だけだった……

 違う、1人だったらヨーに殺されていた。ここまで来れていないだろ。


 ……とりあえず森、雪の森に行こう。

 精霊様が助けてくれるかもしれない。


「……勇者すまない手をかけさせてしまって」


「いいんです……森までなら僕でも2人担いで行けます」


 ソルドさんに右肩を貸して、フィリはオンブ。そうして森へと向かう。

 フィリの僕に掴まる手は弱々しくて、だけど強くて……そうだよね、怖かったんだよね。


「―――開けユキユキ」


 僕が言葉を唱えると、普通の森であったその空間は歪み、空から何色もの雪が降り注ぐ、そんな場所へと姿を変えた。

 ……ここが雪の森か。


『―――おい!なぜここに人間がいる!』


 ……誰?いや、精霊様か。


「雪の精霊様ですか?僕は勇者です、水の精霊様に言われてここに訪れました」


『勇者だと?そうか……ところでその2人は仲間か?』


「はい、先程の戦闘で怪我をおってしまって……」


「そうか、ならば特別にここで休息するがいい」


 あ、雪の精霊様が現れた。


「はい、ありがとうございます」


「ただし!この雪の森は他と違って色々な精霊がいるからそいつらを起こさないよう気をつけろよ!」


「色々な精霊……ですか?」


「あぁ、俺は精霊の中でもすっごく偉いからその分多くの精霊が居るんだ!まぁ……夏以外は冬眠してるけど」


 ……ここ寒いから。


「それに、ここは安心安全の地帯!魔物は入れない結界を貼ってるんだ」


「凄いんですね」


「ふん、褒めても何も出ないぞ!」


「あはは……」


「っ!勇者、下ろしてくれ……嫌な予感がする」


 ソルドさんが急にそんなことを口にする。

 ……なんだろう?嫌な予感って。


(グワァン!)


 ……!?急に空間に穴が空いて身体を燃え上がらせる魔物?なんで、だってここに魔物は現れないって。


「ふっ、我こそは四天王最強のメランだ」


「―――あ、俺ちゃんもいるよー?」


 ▶追憶のメランが現れた

 ▶瞬速のボブが現れた


 え……?

 なんでボブまで?怪我も治ってるじゃないか!


「あ、その様子だと俺がピンピンしてる理由知りたいよねー?いいよ!魔王様が治してくれたの!まぁ、正確には魔王は魔王でも大魔王様なんだけど!」


 大……魔王?なんだ、魔王の更に上の存在なのか?


「ボブ……不要な情報を言うナ」


「いいじゃないの!だって―――ここで皆殺すんだから」


「させねぇよ!」


 ▶雪の精霊の攻撃

 凍てつく波動でボブが凍りついた


「氷の精霊、カ。やるナ」


「へっ……平気そうな顔で言うなよ」


「少しは涼しいゾ?」


 ▶ボブの準備体操

 体温が上がり氷が溶けた


「うーん、早く殺さないといけないヤツがいるねぇ」


「……ボブ、もう下がレ。終わらせル」


 ▶メランの攻撃

 <終焉の焔>

 森は燃え果てた


「……あ、あ、森が、精霊が燃え……俺は」


「まだ耐えるか」


 あ、あ……フィリが、ソルドさんが灰に……。また、また失った。

 抗いたいのに、アイツらには僕の姿は見えていない。敵ですらない。


「雪の精霊はまだしも人間が耐えるとは……あの方の力がまだ馴染んでいないのか?」


「ねぇねぇ!早く殺しちゃいなよー」


「言われなくとも」


 やめ……ろ、もう―――


 ▶メランの<終焉の炎>

 勇者は灰になった


 ◇


「―――勇者よ、そなたに魔王討伐の指名を与える」


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