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勇者様は抑えられない!〜世界を救う勇者は好きに生きる〜  作者: ゆずリンゴ
第2章

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2ターン目(2)

「……そういえばソルドさんって、すごいお強いですよね」


 次の街に向かう最中、ふと思ったことを口にする。この人と旅を初めてもう1週間が経った。一緒に魔物を倒していて思ったけど、かなり強い。


 倒す場面は見ていないけどあのヨーにも勝ったのだから普通の冒険者とも思えない。

 それこそ僕よりも強いくらいの実力を持ってるのだ。


「ふっ、剣の腕には自信がある」


「その剣も強そうですよね。かっこいいし」


 白い刀身は陽の光を反射するほどの輝きを放ち、その切れ味は岩をまるでスッライムを相手にしたかのように簡単に斬る。


 剣のつばには白と黒が混ざった毛皮の装飾がついている。


「あぁ、これは武道砂漠に出る巨大パンダの爪を素材にした剣なんだ」


「巨大パンダ?」


「そうだ。あそこはかなり危険な魔物が多い場所なのだが、その中でも特に巨大パンダは手強い。体は白黒の斑模様で一見可愛いのだが、実際はかなり凶暴な魔物だった」


 巨大パンダ……初めて聞いけど強そうだなぁ。というか、武道砂漠って場所自体初めて聞いた。


「もしかして、ソルドさんって有名な冒険者だったりするんですか?」


「そうだな、有名かもしれない」


 有名なんだ!ソルドさんと一緒に居たって人もきっとすごく強いんだろうなぁ。


「ところで少年、次の目的地には闘技場があるのだがそこで力試しをしてみないか?」


「闘技場ですか?」


「そうだ、あそこの闘技場はかなりの猛者が集まっている。少年の力試しにもちょうどいいだろう」


 ……うん。ソルドさんのように、僕よりも強い人はいる。もしかしたらそんな強い人と手合わせ出来るのなら僕も成長できるかもしれない。


「僕、闘技場に出てみたいです!」


 ◇


 闘技場での受付を終え、控えの部屋に僕たちは待ち構える。そうして居ると舞台を中継するビデオから大きな声が響く。トーナメントの開始だ。


「さぁ始まりました!地上1闘技場の勝ち抜きトーナメントォー!優勝したものにはなんと、なんと、なんと!金と奴隷が与えられます!」


 そう司会の人が言うと天井にぶら下がる檻が下が。……そして、そこからは白髪の、僕と同年代であろう美少女が現れた。

 すごく、綺麗だ。


「あの奴隷……呪われてるな」


 僕が、見とれているとソルドさんがそう言う。


「呪われている、ですか?」


「あぁ、目を凝らしてよく見てみろ」


 ……目を凝らしても何もおかしな所は見当たらない。


「あの、本当に呪われてるんですか?」


「見えないか。ということは相当に強い呪いのようだな」


「強い呪い……」


「まとわりつく様にとても重たい呪いがあの子を縛っている。……それも魔物にかけられたものでない、《《人の手で作られた》》呪いだ」


 人が人を呪う……。


「なんとか、助けられないんですか?」


「……ふっ」


「え、なんで笑うんですか」


「いや、さっきの様子からあの子に一目惚れでもしたのかと思ってな」


「ひてませんよ!」


 噛んだ……


「何はともあれ、あの子を救いたいのだろう?ならまずは優勝をしなければな」


「はい、頑張ります!」


 決勝に行くとしたらきっとソルドさんと戦うことになると思うけど、それまで僕は勝てるかな。ううん、弱気になってないでとりあえず1戦目に行こう。


「おいおい、こんな子供が相手かよォ!いい戦いにしようぜぇ!」


 この人が初戦の相手か、頑張ろう!


「はい、よろしくお願いします」


 ▶勇者は連勝した


 ―――そうして、僕はついに最終的に決勝戦まで上がってきた。

 決勝戦の相手はとても大きくて筋肉の塊のような人だ。


 ……ソルドさんが勝ち上がってくるかと思ったけど、この人に負けちゃったみたいだから多分、この勝負に僕は勝てない。

 だけど、間違いなく勉強になる。


「俺はシールドだ!お互いに良い戦いをしよう」


「はい!」


(ドォーン!!)

「魔王四天王、物理のサン参上!」


「なっ、どうしてここに四天王が!」


 四天王……!?ヨーに続いてこんな所に。

 間違いなく一人じゃ勝てない。肌でヨーとは比べ物にならない程、恐ろしいと感じている。


「シールドさん、ここは共闘をしましょう!」


「そうだな少年!」


「鍛え抜かれたその肉体……正に至高の領域だ!お前も魔族にならないか?」


「愚問!くらえ、シールドラッシュ!」


 ▶シールドの攻撃

 サンは吹き飛ばされた


「素晴らしい!やはりお前は魔族になれシールド!散々ラッシュ!オラオラァ!」


 ▶サンの攻撃

 止むことない攻撃が無数に勇者とシールドを襲う

 勇者とシールドが負傷した


「うっ……」


 強い。一撃が重い、なのに量も圧倒的だ。


「大丈夫か少年!」


「フハハハ!いいぞ!2人とも耐えるなんてやるじゃないか!もう2人とも魔物になると言え!」


 このままじゃ……勝てない。


「助太刀する!」


 観客席から……!


「ソルドさん!」


 ▶ソルドの攻撃

 激しい風がサンの巻く

 サンは耐えている


「お前はさっき準決勝の!一緒に戦ってくれるのか」


「あぁ、ここは3人で立ち向かおう」


 いける、この3人でならきっと勝てる!


 ▶勇者の攻撃

 頭に向かって思い切り刀身を振り下ろした

 サンは負傷した


「っ、硬い。刃が欠けるなんて」


「魔法はどうだ!蒼雷あおいかづち!」


 ▶ソルドの攻撃

 蒼い電撃がサンに降り注ぐ

 サンは負傷した


「ぬぉぉぉお!シールドプレス!」


 ▶シールドの攻撃

 高く飛び上がったところから盾と共に落下する

 サンは負傷した


「いいぞ!もっとだ!もっと来い!」


 間違いなく僕達に追い詰められているのになんでこいつは興奮して……いや、とにかく攻めて攻めて攻めるんだ!相手に隙を生むな!


 ▶勇者の攻撃

 刃の衝撃波を放った

 サンは負傷した

 サンは興奮している


「いい!たぎってきたァ!」


 ▶サンのPowered by excitement

 サンの力は滾っている、力を解放したことで振動が発生した


「さぁさぁ!死んでくれるなよォ!!」


 あ、やばい……避けられな―――


「懲懲散々《こりごりさんざん》ラッシュ!!!」

 ▶サンの攻撃

 しかし、シールドが勇者達を庇った

 シールドは瀕死だ


「シールドさん!」


「こ、こりぁ効くなぁ……でも、ただじゃ終わらんよ!」


 ▶シールドはサンを抱き留めた

 サンは動けない


「いけ!俺諸共貫け!」


「でも、シールドさん……」


「早くしろぉぉー!」


「行くぞ!力を全てこの一撃にこめろ!蒼雷一刀!」


「う、うおぉぉぉお!」


 ▶ソルドと勇者の渾身の攻撃

 サンとシールドの身体を貫いた


「ガッハッ……や、やるじゃないか……お前らが敵なのが惜しい……ゼ―――」


 ▶サンは消滅した


「グッ……」


「シ、シールドさん!」


「俺は……もう駄目だ……」


「そんなこと言わないで下さい!」


「なぁ、お前ら、俺を襲った魔物の頭……をよ、俺の……代わりに……倒して―――」


「シールドさん……シールドさん!!」


 あ、あ、……僕はまた、目の前で人を……


「少年……いや、勇者、君は頑張った。シールドの意思を無駄にすることなくだ」


「ソルドさん……でも……」


「言っただろう?1人で背負うなと。今回の件の苦しみ、俺も共に背負おう。そしてシールドという勇敢な男がいた事を俺たちが生きて、伝えていくんだ」


「そう……ですよねシールドさんの意志は無駄にしない。こんな所で止まっていられません」


 そうだ、僕は元凶である魔王を討伐するんだ。


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