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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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700.自分でできたほうが素敵でしょ?

 ヘンリック様の分も、招待客のリストを用意した。帰ってきて、もし渡さなかったら……拗ねてしまうでしょうね。表面上は何でもないように振る舞って、部屋でこっそり落ち込むの。想像したら叱られた犬みたいで可愛いけれど、虐める趣味はないわ。


 お昼寝から起きた子から、順番に顔を拭いていく。顔を拭いたタオルを渡せば、自分で手も拭くよう教えた。使用人が一生涯(かしず)く貴族であっても、自分でできて損はないわ。もしかしたら旅をする経験があるかもしれないでしょう?


 仕事で他国へ赴いて、侍女や侍従がいないから顔も洗えないなんて。そんなの教育と躾の片手落ちだと思うの。例えばヴァイオリンが弾けなくても、生活は出来る。音楽は心を潤してくれるけれど、その点を差し引いても必須事項ではなかった。


 顔や手を洗う、着替える、服を畳む。この辺は自分で出来たら楽よ。普段は使用人に任せても、いざとなれば自分でできるからこそ……使用人の手際の良さに気づけるでしょう。それが働く人への感謝になれば、優しい子が育つはず。


 まあ、私の勝手な持論だけれど。


「お馬の音!」


 顔を拭いたタオルで手も清めたレオンが、興奮した様子でタオルを放り出す。そのまま窓辺に走っていった。馬車はこのお部屋からは見えないのよ。苦笑いしてタオルを拾い上げた。慌てる侍女に手渡し、にこりと笑う。


 近くにいた人が拾ったらいい。それが公爵夫人でも子供達でも同じ。片付けは侍女達の仕事だから奪わない。きっちり線を引いて、私なりにルールを守っていた。


「レオン、ローズと手を繋いで頂戴。玄関までお迎えに行きますよ」


「はい!」


 元気に手を挙げて答えるレオンが、タオルで遊ぶローズに話しかける。しゃがんで視線を合わせ、タオルを侍女に渡した。手を繋ぐと、ローズが「よっちょ!」と掛け声一つで立ち上がる。まさか、私が「よいしょ」を連発して覚えさせちゃった?


 ドキドキするけれど、確認はあとね。ラルフにローズが手を伸ばし、指先を掴んだ。


「いっちょ」


 ……もしかして、さっきの掛け声は「いっちょ」が間違って聞こえただけ? そう思いたい、思うことにしましょう。自分を納得させて、後ろのマーサを振り返った。お昼寝の時間、一緒の部屋で過ごしたディが毛布に包まっている。


「玄関、寒いかしら」


「奥のほうに控えますね」


 玄関ホールは丸いから、後ろのほうに立てばいい。出迎えは手の空いた使用人が集まるため、人数も多かった。彼らの後ろなら、直接冷たい風が当たる心配もなさそう。


「そうね。お願いするわ」


 そうしなさいと命じるより、やっぱりお願いのほうが口にしやすいわ。

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