表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

756/810

644.お茶会を延期した罪悪感はあるけれど

 ランドルフは勉強を始めている年齢だけれど、レオンの勉強はもう少し先。予定があるか尋ねたところ、考えてから返答があった。自習だから、レオンの昼寝中に済ませると。


「眠くならない?」


「平気です」


 即答されたので、今日は屋敷にいるベルントに頼むことにした。ランドルフの自習に付き合い、眠そうなら休ませるよう伝える。もちろん、子供達に聞こえないように……ね。聞いたら気にしちゃうでしょう? 目いっぱい楽しめなくなるわ。


「みずうみ! 行きたい!!」


 以前なら「みずゅうみ」になった発音が、かなり上達したレオンは笑顔で手を挙げる。真似してローズも手を挙げた。レオンは右で、ローズは左なのね……向かい合っているから、同じほうを挙げたつもりだったりして。


「おてて、繋いでいく」


 レオンが手を差し出した相手は私ではなく、ローズだった。弱い妹を優先する。理解できるのに、ちょっとだけ……負けた気分よ。嫌だわ、娘と張り合う気はないのに。ふっと浮かんだ「負けちゃった」の気持ちが、次のヘンリック様で吹き飛ぶ。


「リア、手をどうぞ」


「ありがとう、あなた」


 紳士的にエスコートの手を差し伸べられ、素直に手を重ねた。レオンはローズと手を繋ぎ、さらにローズがランドルフの手を握る。三人の真ん中がローズなのは、転ぶと危ないから? それとも女の子だからかしらね。


 マルレーネ様のお茶会を延期したのに申し訳ないけれど、屋敷の敷地内だから許してほしい。以前に遊びに行った湖へ向かった。散歩コースとしては短い。芝生の上を歩き、その先にある手入れの行き届いた林を抜けたらすぐ。距離にして十五分くらいだった。


 後ろから侍従や侍女が荷物を運び、騎士も同行する。貴族のお遊びでも、護衛は欠かせないの。人だけでなく、獣も警戒対象だった。小さな兎が突進しても、ローズは尻もちをついて泣くでしょうし。安全は後回しにしたらいけない。


 木の根に躓くこともなく、蔦に足を絡め捕られず。林を抜けて湖へ到着した。真っ青な水に緑が見える。首を傾げたら、あれは水草の一種らしい。リリーが良く知っていて、清い泉でも生えてくるとか。冬の冷たい水の時期だけで、夏になれば消えてしまう。


 きっと枯れるのね。その後流れるか、水に沈むか。どちらにしろ冬限定みたい。やや寒いけれど、この王都では雪も降らない。別邸は雪が降るから、地域的なものだと思うわ。


 コートを着るほど寒くないのが不思議だわ。季節感があまりなくて……王都周辺は温暖なのね。以前の台風も珍しいようで、数十年に一度規模だとか。出来れば二度と経験したくないけれど。


「お母様、水に触って、いい?」


 かなり流暢に話すレオンに頷いた。すぐに騎士が同行して、ランドルフやレオンの隣に控える。三人で水を覗き、指先を濡らして「ちべたい!」と笑い合った。


 その間に絨毯とお茶が用意され、私とヘンリック様は先に座った。クッションに凭れながら、子供達を見つめる。水面がきらきらと輝いて、とても美しい。澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ