表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

714/811

602.大泣きディをあやす夫

 淑女教育の特別授業として、お茶会に呼ばれていたユリアーナが帰宅した。車椅子で出迎えようとしたら、慌てたイルゼやリリーに止められる。でもディの様子も見たいし、と伝えたら連れてきますと返って来る。そんなに重傷ではないのよ。


「明後日には動けると思うわ」


「いいえ、さらに二日ほど車椅子を使っていただきます」


 医者でもないのに、イルゼに断言された。うちはお茶会も開かないし、滅多に来客もない。子供達の世話だけなら……何とかなるかしら? 怒らせるのはまずいので頷いた。イルゼが止めるのなら、私に良かれと思って口にしてくれたのだと思うから。


 何より、ヘンリック様が罪悪感たっぷりの顔で無言の圧力をかける。休め、動くな、俺が移動させる。さすがにレオンも驚いて、やや距離を取っていた。確かにあなたとの……その、夜の運動で痛めた可能性があるけれど、私だって止めなかったし……というか、誘ったの私よね。


 今後は誘い方も注意しましょう。こんな騒動になるなんて、想像外だったわ。ユリアーナは過保護っぷりに驚くでもなく、さらりと受け止めていた。それどころか、お姉さんっぽい言動で子供達を誘導していく。


「お姉様、ローズちゃんのお風呂は私がするわね。レオンはラルフとお風呂に入れる?」


「うん!」


 手を挙げて満点のお返事をしたレオンに、ランドルフが嬉しそうに笑う。あとは子供部屋のディが心配だわ。マーサが抱きかかえて運び、後ろからベビーベッドがついてきた。それって、ベビーベッドに乗せて運んだらダメなの? 疑問の答えはすぐに判明する。


「奥様、ディルクぼっちゃまです」


「ありがと……」


 差し出された我が子を抱いた瞬間、うとうとしていたディが「うぎゃあああああ!」と大泣きした。息を吸い込むときから、凄い音がしたわ。全力で息を吸い、全力で音にして吐き出す。その元気さに安心するも、揺らしても泣き止まなくて。


「どうしましょう……困ったわ」


「……っ、俺が」


 さらに無理だと思うけれど……言ったら傷つけるでしょう。試してみるのはいいことよ。父親ですものね。身を乗り出すヘンリック様に預ける。まだディルクは這い這いも出来ないのに、突っ張る手足は力強かった。


「よしよし、母様を困らせるものではない。ディルク」


 どこで覚えてきたのかしらね。苦笑した私は、驚きに目を見開いた。だって、あんなに泣いていたディが、ぴたりと泣き止んだの。それどころか小さな手を伸ばそうとしている。ヘンリック様が顔を近づければ、ぺたぺたと手が肌に触れた。


 まるで形を確認するように、左右上下に動く。何度も瞬いて、ディルクがへらりと笑顔に似た表情を作った。母親の私よりヘンリック様に安心するなんて、ちょっと嫉妬しちゃうわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
お父様が好きな?お子が出来て良かったですね!ヘンリック様!という感じでしょうか。レオンは母が、ローズはレオンが好きだから。ウーン四人目ができるのでしょうかね~
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ