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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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579.イヤイヤ期ではないみたい

「レオンが火傷……痛くなるから、後ろから抱っこはダメだよ。わかる? ローズ」


 兄弟姉妹として育てばいいと思い、ランドルフにも呼び捨てを許可している。同じ公爵家同士なので、外で聞かれても問題にならないからよ。ユリアーナはその辺きちんとしていて、外では敬称付きで呼んでいるわ。今日はオイゲンと約束があるから置いてきたけれど。


「やっ!」


「じゃあ、レオンが痛くて泣いてもいいのかな?」


「やああ!」


 両方とも嫌なのは、やっぱりイヤイヤ期到来? レオンはなかったし、少し早い気もするけれど……おかしくはないのよね。個人差があるうえ、女の子のほうが成長は早いと聞くし。口を挟もうか迷っていると、ローズが洟を啜った。


 ずず……っ、その音ではっとする。


「ヘンリック様、ローズをこちらへ」


「あ、ああ」


 驚いた顔をしたものの、素直に渡してくれる。膝立ちで受け取り、やっぱりと項垂れた。


「今日はこの後すぐ帰りましょう。ローズは風邪を引いているわ」


 馬車に酔ったのも、聞き分けがないのも……興奮状態だったのも全部。体調不良が原因ね。風邪も含めて、うつる病だった場合を考えれば……ルイーゼ様に会わせないほうがいいわ。きょとんとしているレオンの額に触れ、問題ないと判断する。続いてランドルフも確かめ、やはり風邪の兆候はなかった。


「二人は大丈夫そうね」


 体温も正常だし咳もしていない。本人達もいつも通りだから……可哀想ね。自分達も具合が悪ければ諦められる。でも何ともないから、遊びたい気持ちが勝るでしょう。


「るぅとあそぶ、だめ?」


「ローズが病気なの、もしうつしたら大変でしょう? ルイーゼ様が具合悪くなってしまうわ」


「……うん」


 こういう時、聞き分けがいいのは助かる。でも不満そうにしながらも我慢する顔を見ると……私もつらかった。遊びたかったでしょうし、一緒に話をしたり、手を繋いだり。レオンにとって大切なお友達だもの。ここまで来て会わずに帰るのは、悲しいはず。


 何とかならないかしらね。


「アマーリア、こういう時は俺を頼ってくれてもいいぞ。どうだ? レオン、俺がついていこう。ランドルフも一緒だ」


 目を丸くしたレオンが「お父様、いっちょ?」と昔の口調で尋ねる。個人的に「おとうちゃま」のほうが聞きたかったわ。そんな感想を抱きながら、ヘンリック様に視線を向ける。ぐずるローズを抱いた私に、笑顔で簡単そうに請け合った。


「任せろ、仕事は問題ない」


「……そうね、任せます。ありがとうございます……頼りになる夫で嬉しいわ」


 本人がやる気なのに、私が潰したらダメよね。微笑んでお願いしたら、ヘンリック様がレオンを手招きした。膝の上に座らせ、見ているランドルフも呼ぶ。


「ほら、二人とも一緒だ。子供が遠慮するな」


 出会った頃のあなたに、いまのあなたを見せてあげたいわ。立派な父親になったわね、ヘンリック様。

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― 新着の感想 ―
すっかり立派な父親ですね! ローズちゃん、お風邪でしたか!すぐ気づいて良かった!お大事に。 久々のいっちょw可愛い!
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