45-1.(ローズ)弟なんて嫌い
昨日は体調不良ですみません。今日、まとめて2話更新しますペコリ(o_ _)o))
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あたちには、お兄ちゃまがいる。カッコ良くて、優しくて、あたちを大好きなの。ずっとあたちのお兄ちゃまでいると思ったのに、弟ができた。お母ちゃまのお腹が大きくなったと思ったら、いきなり出てきたの。
お母ちゃまが痛いって言ったら、会えなくなって。寂しいけれど我慢したのは、お兄ちゃまが一緒に寝てくれたからよ。あたちはお兄ちゃまのお嫁たんになると決めたの。お嫁たんは、ずっと一緒にいられる。アニャ姉ちゃまが言ってたわ。
「ローズちゃん、弟の顔を見たいでしょ? 一緒に行きましょう」
しゃがんであたちの目を見るアニャ姉ちゃまは、にこにこと笑っている。何がそんなに楽しいの? お母ちゃまに痛い思いをさせた弟なんて、あたちは大っ嫌いなんだから! でもアニャお姉ちゃまは好きだから、手を繋いでもいい。
とてとて歩いて、ベビーベッドの前で止まる。高いベッドの中は見えないけれど、リリーが椅子を持ってきた。ここに立っていいの? 頷いたので、上に乗せてもらう。ベッドの縁に手をかけて覗いたら、顔がくちゃくちゃの生き物がいた。
猫みたいな毛はないし、あたちとも違う。汚い赤い色で、くちゃくちゃ……これ、お母ちゃまのお腹から出てきたの? 本当に? 二度も三度も確認して、皆が頷くので唇を尖らせて眺めた。こんなの、嫌い。あたちはお兄ちゃまだけいたらいいわ。
アニャお姉ちゃまが抱っこで、下ろしてくれた。まだベッドの上のお母ちゃまへ駆け寄る。お兄ちゃまは弟に夢中で、にこにこしていた。それも気に入らないの。あたちがお兄ちゃまの二番目なのよ! お母ちゃまが一番なのは、私も同じだから我慢するけれど……二番目はあたち!
アニャお姉ちゃまも「ディルク」と名を呼んで、指で触れたりしている。こないだはあたちに可愛いと言っていたのに……。弟なんて可愛くないわ。むっとしたあたちの足に、猫が触れた。真っ白な毛はシロ! しゃがんで撫でたら、ぐるぐると喉が音を出す。
弟もこのくらい可愛かったら、ちょっとくらい構ってあげてもいいけど。ちらりと振り返った先で、お父ちゃまはお母ちゃまの手を握っていた。お父ちゃまは弟が好きじゃないのね? じゃあ、お父ちゃまのところへ行こう。一人で歩くと、なぜか揺れちゃう。
とてんとてん歩いたあたちは、お父ちゃまの足にしがみついた。椅子に座って、ベッドの上のお母ちゃまと話していたお父ちゃまは「どうした? ローズ」と優しく話しかける。あたちが両手を伸ばせば、抱っこで膝に乗せてくれた。お母ちゃまが近くなってよく見えるわ。
「ローズ、弟が出来たのよ。仲良くしてあげてね」
「………………うん」
嫌いだけど、お母ちゃまが言うなら我慢できる。あたちが機嫌悪いと気づいて、お母ちゃまは穏やかに話し始めた。そういえば、なぜ寝ているの? お腹が痛くなったから? 弟の所為だわ。
「あなたが生まれた時も、こうして皆がお祝いしてくれたの。今はまだわからないけれど、だんだんとレオンやローズに似てくるのよ。三人とも私の可愛い子供達だわ。仲良くしてね」
あたちが弟を嫌いなこと、お母ちゃまはわかってる。仲良くしてと二回言われたから、お母ちゃまのために我慢してあげるわ……。




