表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

202/684

202.後はマナーの確認だけ

 バランスを見るために運び込まれた衣装は三着。私とヘンリック様とレオンよ。どうやらヘンリック様は仕事の調整に成功したみたい。または、どうあっても休むつもりなのかも。


 今回は紫がポイントカラーで、全体に淡い水色と紺が使われていた。女性のドレスはフリルや刺繍、レースで飾るため、華やかになる。男性は形が決まっているし、飾りが少ないので同じ形になりやすいの。それを襟の形やシルエットの変化で、まったく違う衣装に見せるのはプロの技術ね。


 感心しながら眺める間に、仕立て屋が伯爵家分の衣装を運び込んだ。お父様は同行しないと聞いたけれど、四着ある。紺色なら、今後も着用の機会がありそうだわ。同じ紫のポイントカラーだけれど、伯爵家の方が赤紫ね。私達は青が強い紫だった。


 似ているけれど、微妙に違う。並ぶとわかる色合わせに口元が緩んだ。家族だけれど、家門は違う。そう示すのにぴったりだった。エルヴィンは半ズボンを卒業し、大人のスーツに近い形だ。襟や袖に赤紫の刺繍が入っていた。胸元にスカーフで差し色してもいいわね。


 ユリアーナはフリルの縁を赤紫でかがり、胸元や襟に同色の糸で刺繍がされている。少し背伸びした印象になるかしら。上品でいいわ。お揃いで作られた双子のユリアンは半ズボン。サスペンダーのような紐が肩を通る。そこに赤紫の二本線が入っていた。さらに水色のブラウスにも、小さな刺繍がある。


「どれも素敵だわ。さすがは本職ね」


 褒め言葉に、仕立て屋の顔が綻ぶ。腕もいいし、センスも最高だわ。急いで間に合わせてくれたのも、ポイントが高い。お金の支払いはフランクが手配するので、私は口にしないのがルールだった。


 並んだ服をじっくり眺め、処理の丁寧さや刺繍の美しさにうっとりする。実は刺繍の腕が自慢できないレベルなのよ。できなくはないが、上手ではない。微妙な感じね。恋愛結婚だと、婚約期間にハンカチやクラバットに刺繍を刺したりする。それがないだけでも、とても助かった。


 余計なことを考えながら、刺繍に触れた。本当に美しい。このくらい上手に刺せたら、刺繍も楽しいでしょうね。


「奥様、署名をお願いいたします」


「わかったわ」


 金額欄を見ないようにしながら、さらさらと署名した。高額だけれど、あの衣装の代金としたら妥当だった。これで準備は終わり、明日から弟妹のマナーチェックをしなくては。


「俺、ピアノの練習してくる」


 衣装合わせが終わった途端に、ユリアンはさっさと部屋を出ていく。呆れ顔のエルヴィンの横で、ユリアーナはくるくると回った。レオンが手を叩いて喜んでいる。


「あにゃ、きれぇ」


「ありがとう、レオン様。お姉様もありがとう」


 双子なのに、本当に対照的な二人だわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます。 お茶会楽しみです。 家族の繋がりの変化と、家令などの仕えてくれている人達との繋がりが嬉しいです。 感謝を込めて
レオンくんは女性への褒め言葉を惜しまない素晴らしい紳士(*´▽`)
更新嬉しいです! お茶会への準備が着々と進んでますね!素敵な衣装!色違いなお揃い!凝ってますね! 個性のある双子! マナーのおさらい…どうなることか…。 大きな問題なくお茶会終わると…まだ始まってもな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ