第1部②
第1部①を読んでくださりありがとうございます!
引き続きお楽しみください!
「あの、なにか用ですか?」
流れていた曲が切れるのと同時に彼女はそう言った。
焦った、絶対変な人だと思われた。僕はこれまでの行動を後悔した。
「あ、すいません。そのー、曲が良かったもので聴き入ってしまって...」
しどろもどろになりながらそう答えると彼女の瞳孔が開いた。
「えっ...この曲知ってるの!?」
「まぁ...はい、僕この曲が好きでよく聴いてるんです。でもこの曲なかなか再生回数が伸びてなくて知ってる人に今まで会ったことないんですけどね笑」
「そ..そうだよねー笑私も初めて知ってる人と会ったからびっくりしちゃったよぉ〜」
嬉しかった。こんなに知りたいと初めて思った彼女が僕とおんなじ曲を聞いてくれていて。
「あ、ごめん!私もう行かないと。」
「そうですよね、すいません引き留めてしまって。」
「いや、そんなこの曲を知っている人がいたって知れて嬉しかった!ありがと」
彼女とは校門の前で別れた。家に帰ってからは彼女と同じ曲を聴き今日の出来事について考えていた。彼女は僕より身長が低く美人というよりは可愛いらしい顔立ちの子だった。肌は白く透けそうで綺麗だった。スカートは短く膝が見えており風が吹くと少し太ももが見えていた。そんなことを考えている時に絶望した。そう、名前を聞き忘れたのだ。もしかしたらもう会えないかも知れない。名前さえわかっていれば学校中の全てのクラスをくまなく探せば彼女が見つかるかも知れない。しかし名前が分からなければそれができない。
「神様っ!どうか彼女にもう一度会わせてください。そしたら名前を聞いてもっと曲について話したい...」
大声で叫んだ後の静けさはなんとも言えないものだった。神様は僕のお願いを聞いてくれるだろうか。そんなことを考えながら眠りについた。
これからどうなるのでしょうか、、、!?次回をお楽しみに!