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君の音  作者: 人間さん
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第1部①

初投稿です!よければ見てください。

 桜が舞い落ち、在校生の合唱と共に入学式が行われた。僕は今日、4月9日から笠上高校の新1年生となった。式が終わった後はクラスに戻り一人一人自己紹介をするのがこの学校のやり方らしい。僕は特にこれと言って趣味や好きなこともないし好きな食べ物、嫌いな食べものもない、そんなことを考えていると僕の番が来てしまった。

「じゃ次、山岡さんお願いします。」

甲高い声に呼ばれ僕は重い腰を上げた。

「山岡友明です。好きなことは...えっと"クリスマスローズ"という曲を聴くことです。」

咄嗟に出た曲だった。この曲は音楽アプリに唯一登録した僕の大好きな曲だ。この曲を聴くと今抱えていた悩みが洗浄されるような、そんな曲だ。音楽サイトにあったのをたまたま暇だったから聴いてみただけで曲を書いた人の名前すら知らない。しかしこの曲はきっと誰も知らない。正直に言ってしまえばこの曲の再生回数は数十回だった。(きっとその中の8割は僕なんだけど。)だから僕はこの自己紹介で変わった人だと思われてしまったようだった。本来であればみんなが知っているような曲を言った方が盛り上がるだろう。だが僕はあまり大人数が好きじゃないからちょうど良かったのかも知れない、それに隣の席の子は欠席だと先生が話していたので無理に話す必要もなかった。

 帰り道、結局誰とも話さず1人で帰っていた。これから一年間僕はきっと誰とも友達になることなく終わるんだろうなー、なんてそんなことを考えていた。その時だった、彼女が現れたのは。皆とは向いている方向が違ったからすぐ目に付いた。制服を着崩してもなお綺麗だと思わせるその立ち姿、風に吹かれ靡いた髪は太陽に照らされ輝いていた。少し茶色で肩に付かずふわっとしたその髪と同じ色で吸い込まれそうなほど綺麗な瞳。僕は彼女の名前を知らなかった、知りたいと思った。だから声をかけたかった。その時の僕は少しおかしかったのかもしれない、こんなにも人に惹かれ興味を持ったことがなかった。しかし彼女は違った。これまでに会った人の中でダントツなくらい綺麗で素敵だと思った。

「あ、あのっ...!」

 今までに出たことのない不思議な声だった。勢いのあまり少し裏返ってしまったかもしれない、初めの印象は最悪なものになったかもしれない。そう考えながらも届いて欲しいと思いながら彼女の方に目をやると彼女は僕の前にはいなかった、彼女はヘッドホンをしていた。僕の声は聞こえていなかった。届いて欲しいとは思っていたもののいつもと違う僕の声が届いてなくてホッとしている自分もいた。

 彼女は何を聴いているのだろうか、よく耳を澄ませたら聞こえるんじゃないか。そう思って彼女に近づいた。驚いた、いやほんとはそうだと願っていたのかもしれない。彼女のヘッドホンから音漏れしていたのは僕に馴染みのある曲で、僕がよく聴いている曲だった。

読んでいただきありがとうございます!

続きが書き終わり次第投稿したいと思っていますが不定期です、申し訳ございません。

ぜひ感想、ブックマーク登録よろしくお願いします。

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