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僕らは浅瀬で恋をする  作者: 秋乃しん
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流れる僕ら2

夜だー、冬だー、寒いの嫌だー。


よろしくお願いします


 「宿題ってのはどうしてこんなにもめんどくさいのよ」


僕の母さんが経営しているカフェ店。テーブルを四人で囲い座って早速のこと、夏休みに対しての文句が二ノ宮の口から漏れた。


「茜ちゃんは先に終わらせちゃうタイプ?」


そう天野が控えめに問うと、少し悩むようにして二ノ宮が応える。


「うーん。弟にやらせる」


「クズ姉貴やん」


「だねっ」


進藤の辛辣な言葉に続いて僕も話に加わる。


 店内に流れるジャズは毎日聴いている。

店内のクーラーに浴びながら涼しさを感じるのが一番に心地いい。

海辺の方向に合わせて、その景色が見えるようなガラス張りになっている。

だからなのか、他のカフェ店よりも落ち着く感じはしない。まぁ、他のカフェ類似の店に入ったことがないから比較はできないけれど。

 この時期になると観光客も増える。

だから、僕の夏休みは店の手伝いと宿題、それと友達と遊ぶことで忙しい。


「おまちー」


この店のアルバイトをしてる女子大学生2年生の大崎 あずみさんが、僕らが注文した飲み物を運んできた。


 「生きかえるわー」


進藤と二ノ宮はバニラフラペチーノ。

天野さんは抹茶フラペチーノ。

僕はキャラメルフラペチーノ。


この4人で、ここで他愛のない話をする時はいつも、それぞれが毎回決まって同じ飲み物を頼む。この街限定のフラペチーノもあるけれど、それは僕らの口には合わなくて、用は観光客向けの物なのだ。


 「夏休みさ、みんなで東京行かない?」


二ノ宮の一言。

それまでどうでもいい話をしていた僕らの頭の中。突然に現れるたった一つの言葉。それがいったいどれだけの現実を帯びている話なのか、それを理解する為に、沈黙した。

ありがとうございます

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