6話 ウミと冒険
教会から歩いて、門へと向かう。
すると、門のすぐそばに座っている人を見つけた。
このゲームは顔、身長は現実とほぼ変わらない。から、あれは鳴瀬だ・・・と思う。
「・・・ウミ?」
陰の者として魂を削る思いで話しかけた。違ったら草原でゴブリンに突撃して死ぬ。
「・・・・・・アマネ?」
「あ、ああ。そうだぞ」
合ってたっぽい。良かった。無駄なデスペナルティを喰らわずに済んだ。
「やっぱりアマネって・・・現実でももう少し髪とか整えれば良いのに」
「俺は陰の者だから、そういうのは必要ないな」
「そう・・・」
そういうとウミは少し悲しそうに目を伏せた。
なんでそんな顔をするんだ・・・?
「まあ、ウミとどこか行くってなったら流石に整えるよ。ウミの周りからの評価を下げる訳にはいかないし」
そう言うと、ウミは呆然とした表情でこちらを見てきた。・・・あ、マズい。
「あ、いや、別にどこか行こうとか誘ってるわけじゃなくてだな?もし、どこかに行く場合の話な?」
これじゃあ俺が遊びに行こうと誘ってるみたいじゃん・・・危ねぇ。
「違うんだ・・・ていうか、そういう優しいところ・・・ズルい」
「・・・ん、なんか言ったか?」
ウミがなにか言った気がするが、考え事をしていたせいで聞こえなかった。
「大丈夫。それより草原に行こ。パーティー申請とフレンド申請送っておいたから」
両方受理してウミのステータスを確認する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 ウミ LV12
職業 魔法使い
HP 200 MP 1000
STR 1 DEF 1
INT 1000 MIND 100
AGI 1 LUK 1
SP 0
SKILL 氷魔法 LⅤ3
所持金 4200kor
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺よりINTに振ってる・・・それ以外は似たような感じだな。最低限のHPで、INTを上げることで
ダメージを受ける前に、魔法で相手のHPを削りきる作戦か。
「よし、じゃあ行くか」
2人横に並んで草原を進んでいく。
このほうが敵にすぐに反応できるし、魔法を撃つときも楽だからな。
「あ、敵いた。【アイス・アロー】」
ウミが放った氷の矢が、ゴブリンに当たって動きを止めた。
炎の場合は威力上昇だが、氷の場合は相手の動きを高確率で止める・・・らしい。
「【ファイア】」
俺がとどめをさし、ゴブリンは消滅する。
「そういえば、こういう場合ってどっちに素材渡されるんだ?」
「確か、より貢献度が高い方・・・だったはず」
「そうか、じゃあ素材はウミのものだな」
「ん」
2人で戦うと、スムーズでに敵を倒せて良いな。
どんどん奥へと進んでいく。
「あ、そうだ。アマネ、これあげる」
ウミからプレゼントが贈られた通知があったので、確認して受け取る。
「MPポーション。多分もうすぐ、レベルが上がる速度がMP切れる速度を下回ると思うから」
「そうなのか、ありがとう!助かる」
そういえば町に売ってたな・・・10本もらったから、これがなくなる前に素材を売って、
そのお金で買っておくか。ずっとお世話になりっぱなしというのも良くないしな。