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竜に育てられた最強  作者: 原案・監修:すかいふぁーむ 執筆:epina
セレブラント王都学院編

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59.神滅のダンジョン⑤

 凄まじい爆音とともに衝撃波がサイクロプスを飲み込んだ。

 それまでどれだけ魔法を雨あられと喰らおうと悲鳴すらあげずに前進しようとしてきた巨人たち。


 それが今や、跡形もない。

 視界が晴れた後には文字通り何もなかった。

 物理破壊が不可能なダンジョンの壁や床はさすがに健在なれど、肉どころか骨すらも。


「ハァ、ハァ……これが……私の放った魔法だと?」


 美しさも芸術性の欠片もないセレブラント王家にあるまじき破壊魔法。

 それなのにリードの胸の内から湧き上がってきたのは過去に味わったことのない満足感と達成感だった。


 間違いなくリードは成し遂げたのだ。

 人類術式による未曾有の炎と水による反属性混合(アンチダブル)を。


 生徒たちも一様に勝利を喜んでいる。

 リードを称える声がするものの、彼の耳には入ってこない。


「この威力……私の想定していた以上だ。どうして私は無事なのだ……?」


 この魔法、撃てばただ死ぬだけではない。

 間違いなく自分自身も消し飛ぶはずだ。

 考えられる理由はひとつしかない。


「すっげえ! すごいぜリード!」

「アイレン……」


 当のアイレンは自分のことのように喜んでいた。

 

「お前、()にいったい何をした?」

「リードを精霊に守ってもらったんだ。それについてはまた今度。そんなことより、ほら」


 アイレンが指し示したほうをリードも振り向く。


「リード様! すごいです!」

「ラウナリース……」


 いつも表情に憂いを帯びていたラウナリースが満面の笑みを浮かべていた。

 こんな屈託のない微笑みを見るのは、いつぶりだろうか。


「みんなアイレンみたいになれるわけじゃないって思ってたけど。結構やるんだね、リードも」

「ミィルさん!? 私の名前を……」

「うん、呼んだよ。ヘンかな?」

「いや……ありがとう、ミィルさん」


 認められたかった人に認められるのが、こんなにも嬉しいものとは。

 すべてができて当たり前だったリードにとって、これは初めての経験だった。


 クラスメイトたちもリードの元に集まってくる。

 その瞳に映るのは王家へのへりくだりのない心からの尊敬の念ばかりだった。


「皆の者、ありがとう。私もどうやらひとつ壁を超えることができたようだ」


 その成果に驕ることなく謙虚な口調のリード。


「それにしてもリード様があんな魔法を使えただなんて! もはや神滅のダンジョンなんて攻略したも同然ですわ!」


 令嬢のひとりの称賛にも、リードは首を横に振る。


「いいや、今の魔法は不完全だった。本来であれば威力に耐えられずに私の身は消し飛んでいた。守ってくれたのはアイレンだ。彼は私の命の恩人ということになる」


 リードの言うことではあったが、生徒たちには、にわかには信じがたい話だった。アイレンに胡乱な視線が向けられる。

 しかし、リードを後押しするようにラウナリースも前に出た。


「本当です。わたくしの神眼には視えていました。アイレンさんから何らかの力がリード様に作用するのを」


 神眼を持ち、隣国の第二王女であるラウナリースの証言を覆せるような貴族はいなかった。

 さらにリードが皆に訴える。


「たとえ身分は平民であろうとも、貢献度においては建国貴族に匹敵すると断言しよう。アイレンの力は凄まじい。我らの預かり知らぬ力ではあるかもしれないが、今はこれ以上ないほど頼もしい味方だ」


 これまで疎ましくも認めざるを得ない力を見せつけてきたアイレン。

 もはや、リードの中にいささかのわだかまりもなかった。


「そして、今の戦いでアイレンを含む全員が力を示した! 必ず全員で生きて地上に帰ろう!」


 リードの締めくくりに歓声があがる。

 王賓クラスが一つになった瞬間だった。


「お前の力を借りていいか、アイレン」


 アイレンに手を差し出すリード。

 最初に出会った時とは違って、手の甲は上を向いていない。

 普通の握手だ。


「もちろん。俺なんかでよろしければ、リード様」

「今更『様』はいらん。リードと呼べ!」


 ふたりが握手を交わした瞬間、生徒たちから大歓声があがった。


 この日、アイレンはようやく本当の意味でクラスメイトに受け入れられたのだった。

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「お前はサボってばかりいる!」と勇者に追放されたけど、俺のバフ抜きで大丈夫なのかな? ~全部が全部もう遅い。勇者を見限ってついてきた仲間たちは俺の『全自動支援』スキルで世界最強の英雄になれます~
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