2日目①、班決め
午前6時、由宇は外にいるゾンビの声で目を覚ました。
「昨日は大変だったな...」
昨晩はゾンビ騒動があり、外に出られなくなってしまったので店内で夜を明かした。
ホームセンターは布団も収納もプライバシーを保護するための仕切りも揃っていたのでよかった。
「それはそうと...あいつらをどうするか...」
外には昨晩よりゾンビが増えていた。
「おはよう佐倉君、昨日は助かったよ。それにしても大変なことになってしまったな...」
店長の宮間さんが目を覚ました
「おはようございます店長、これからどうしましょうか...あいつらをこのまま放置しているわけにはいかないですよね...」
「そうだよね...どうするか...」
と、店長は参ったなという表情で頭を掻いた。
「君さえよければここにいる人たちの指揮を執ってくれないかい?」
「俺ですか!?」
「いや、だって昨日は君のおかげで何とかなったから...」
そう言われても一人でここにいる五十名をまとめるのはキツイんだよな......でもやるしかない。
「わかりました。やるだけやってみます。」
午前9時、全員が起きたところでサービスカウンター前に集めた。
「皆さんの指揮を執ることになった佐倉由宇です。」
「このガキ何言ってんだ?こんなバイトのガキのお前が仕切るのか?」
五十~六十代の男が不快そうに言ってきた。だが、ここで引いたら指揮を執るなんてことできるはずがないので
「嫌ならどうぞ出て行ってください、すぐあいつ等の仲間入りがオチだと思いますが。」
男は黙ってしまった。
気を取り直して、
「皆さんには五人一組の班に分かれて行動してもらいます。各班に一人は店員をつけ、班長とします。
それぞれの班の役割は一~四班は戦闘班、五~八班は生活班、九,十班は医療班とします。勿論班分けはそれぞれの適正で判断させていただきます。」
さきほど先程の男を含む一同が納得してくれたようで安心した。
一時間後、班が決まった。
一班の班長は由宇だ。各班の班長をにインカムをに配り、それぞれの仕事に向かった。
その前に戦闘班はまず武器の調達をしなければならないのでそれぞれ武器を探しに行った。
変なもの持ってくる奴がいないといいけど......
その不安は的中してしまうのだった。