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喫茶アトリ/JACK+ 番外編  作者: sungen
2018年 喫茶アトリ福みくじ ※気になる色を選んでください。
6/24

黒色のおみくじ


★★★ 大大凶 ★★★


暗闇で蜘蛛の糸にからまる象


このおみくじにあう人は、なにをやっても空回りする。尊敬する者には先立たれ、友人には嫌われる。小鳥やカラスにはつつかれる。万事あきらめたほうがよい。風邪と大怪我と事故に要注意。危険な場所には近寄るな。

絶体絶命の時は死……………………が、………………………じ。


「…大大凶ですね」

小雪が言った。


「……俺、死ぬのかな」

速水は項垂れた。最後は印刷がかすれて読めなくなっている。


「……そこに結べば何とかなるんじゃない?持って帰るのも微妙だし」

カオルがおみくじ機のそばの紐を指さして言った。

「じゃあ、そうするか。ノア、昼はカレーにしよう…」

速水はノアを見た。

「うん!カレー食べたい」「よっし!すぐそこのデリイチカレーに行こうぜ!!」

ノアと寿はじゃりじゃりと、上機嫌で小石を踏んで歩く。


ばさ、と羽ばたく音がして、カラスのソラが木から降りて来て、速水の肩ではなく、寿の肩にとまった。

「お。今日はこっちか?」

寿が笑う。

「…」

速水はカラスを見た。『カラスにはつつかれ』って―今日から良くつつかれるのか?


「あ。すみません、お父さんへのお土産に、お札と絵馬買って良いですか?」

晴れ着姿の小雪が言った。

「うちも買っていこうかしら」

同じく晴れ着姿のカオルも言った。


――小雪とその他の面々はおみくじ機の隣の販売所で絵馬を見た。

そのうち、寿に「重い」と言われ、カラスは速水に返却された。

「?重いかな?――痛った!」

速水はカラスに耳を盛大につつかれた。


絵馬には色々な絵柄があるようで、受付台の上に絵馬の写真見本がある。

柴犬、白い犬、チワワ、ボーダーコリー、シベリアンハスキー。

「チーフ、どれにしまっス?」

桂馬が言った。

「ええと…?確かここの神社に――カラスちゃんの絵馬があるって、隼人さんが…」

小雪は見本を探すが。それらしい物は無い。


「あ。これじゃないかな?」

乙川が言った。柱にくくり付けられた絵馬にはカラスが描かれている。

裏返すと柴犬だった。…値段は同じようだ。


「じゃあ、この絵馬とお札を一枚下さい」

小雪は微笑んだ。


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