初の女の子との下校は寒かった。
逃げようとする彼女を必死で説得し、やっと俺はこの世界の概要を知ることになった。
だいたい、間違えられた転生だし、乙女ゲームだと言ってもどんなものかわからない。
乙女ゲームでは攻略対象の男子はそうそう悪い運命にならないはずだが、たまには、死亡して主人公哀しみエンドもなくわないのではと疑っていたので、ゲームを知る人の出現は逃せるはずはない。
「で、ここは何と言うゲームなの?」
「ラブキュンで乙女は世界を救うかもね、、です」
なんだろう、、自分がこんなふざけた題名の世界にいる理不尽を叫びたくなるわ。
高橋さんもそうなんだろうなんかうつむき気味だ。
「えーっとで俺はさっきも話したとおり、このゲームのことは何も知らないんだ、高橋さん概要だけでも教えてもらいたい。
そうあの庶務課の新しい主任のロキだっけ、あいつも必要事項を何も告げず逃走したんだから許せん。
「はい、でも、遅くなると」
「そうだな、俺たちまだ小学生だから、帰らないとまずいな、送っていくよ、その道々でも教えて欲しい」
「このゲームは学園乙女ゲームで、他のゲームとあまり変わりなかったと思います。主人公が転校してきて、いろんな事情で悩むイケメン達の心を開き、最後は彼らとの個別のエンディングエンドと、みんなと仲良くなって、恋はこれからエンドです。あまりたいして面白いわけではないんですが、声優陣が豪華なのと、キャラクター原案が人気のある漫画家だったので、まあまあ売れてました」
まあまあと言うあたりに、つまらないゲームの予感満載だが、リアル人生に関わるのだから、悲劇てんこ盛り、殺人てんこ盛りよりはいいだろう。
「私はこのゲームのヒロインのライバル役なんですが、あなたをヒロインと取り合い、硫酸をヒロインにかけようとして自分にかかってしまい、入院エンドです」
「はあ?ちょそれまずくね?平凡なゲームじゃないよね」
「こういう最後を迎えたくなくて、私、、あなたに出会いたくなかったんです」
そう言いながら彼女は俺を見た。
「でも、あなたはゲームの立花薫とは違う、変えれるかもしれない、良かった」
俺はほっとするとともに、複雑な気持ちになった。
せっかくの初女の子との下校タイムだと言うのに寒すぎる。
俺にメロメロになるはずの悪役令嬢が、俺に惚れる未来はないと分かったからだ。
彼女のバッドエンドは避けて欲しいが、これで俺のハッピー彼女持ちライフは終わった。
あのロキめ、絶対俺は天界へ返り咲いてあいつをぼこる!
そう心に誓ったのだった。