4話 完全犯罪
4話 完全犯罪
昨日、夢の中で、神に出会った。
神はこう告げていた。
「もし、御主が主役になりたいのなら、
こんなゲームをやってはどうだろう?
内容は、簡単、
津田 美貴(ツダ ミタカ)
九周 健一(キュウシュウ ケンイチ)
五月 良子(サツキ リョウコ)
武藤 早紀(ムトウ ハルキ)
川下 幸寺(カワシモ コウジ)
東野 回次(ヒガシノ カイジ)
東野 奈緒(ヒガシノ ナヲ)
宇田 魁斗(ウダ カイト)
宇田 久留美(ウダ クルミ)
後、
宇田 玲子(ウダ レイコ)
の計10人を事故や自殺のように殺せば、お前を主役にしてやろう。
そうすれば、お前は脇役を倒せば褒められるし、何をしても文句は言われない。
そうすれば、お前が夢見たセカイが手に入るのだ。このゲームは強制だ!嫌なら殺さなければいい。
ソレだとお前は
一生、日陰だけどな!
お前が起きた時、机の上にノートが置いてあるはずだ。
そこに10人のフルネームが書いてある。
そうすれば、これはただの夢ではないことに気がつくだろう。で、
もし牢屋とかに捕まったらお前は間違いなく俺が殺す。つまり証拠が残らないように、殺せ!
以上だ。 」
僕は目が覚めた。
机の上には見たこともないノートがあった。
表紙をめくると、9人の名前が書いてあった。
1番目は僕のことをけなしたあの先生だ。
2番目と3番目は昔っから僕をいじめていた主犯だった。そう、部活動の時、プレーがうまかった2人
4番目と5番目はレイを脅していた2人
だけどそれは僕をいじめるようになった
5番目から9番目は僕とレイの両親だ。
問題は次のページに書いてあった宇田玲子。
僕は目を閉じ、再びそのページを見た。
レイを殺せというのか?
この時、僕はレイの家で2人で暮らしていた。僕は、2階の部屋に
レイは1階の部屋にいた。
家出しても文句なんて言われない。
僕は両親にずっと前から見捨てられていたのだ。
とにかく僕は、急いで宇田玲子と書かれているページを破り捨てた。そして、なんとなく
僕は一回の台所に行った。
レイはすでに起きていて、朝ごはんを作っていた。
「この匂いは卵焼きかな。」
僕は必死で冷静になろうとした。
「そうよ、リクが好きな卵焼き。」
レイはエプロンを着ていた。
可愛かった。僕は、
昨日の夢の内容を話した。
「レイ、僕は昨日、夢で神に出会ったんだ。そしたら神が僕に向かって『まず、このノートに書いてある9人を殺せ。その後、追加でもう一人の名前を教えてやる。
そうしたら、そいつも殺せ。いいか、絶対に証拠なんて残すんじゃねーー。警察に捕まったらお前は死ぬだけだ。
10人殺せば、その時から
お前が主役だ。これ以上の幸せはあるまい。』って言ったんだよ」僕は苦笑いしながら言った。
僕はなんでこんなこと言ったんだろう。
僕はレイに嘘をついた。10人目の名前はすでにわかっている。
僕はレイを殺せない。愛しているから。
「へ〜、私も手伝うよ!家族なんか死ねばいいと思ってるし、全員リクをいじめてきたヒトじゃない。簡単、簡単!」
僕は胸が締め付けられるような気がした。
まず、レイはこんなわけのわからない話を信じてくれたのだ。
僕は今でもあの夢のことは、半信半疑なのに。
次に、レイは僕を初めて救ってくれたヒトだ。いじめたヒトなんかじゃない。
「うん、そうだね。」
何を言ってるんだ僕は、主役とレイどっちが大切なんだ。
でも僕は、口を止めることが、できなかった。
「それじゃーーリク、
どうやって殺すか計画を立てよう。」レイは可愛い笑顔で、微笑んだ。