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CAT 第七話

2週間ぶりの新話です。楽しんでもらえると助かります♪



「なんやのんなんやのん。この騒ぎは?」

「……犬が走ってますね」

「この街もえらい物騒になりましたなぁ……。まぁ、それは昔からか」

そういうと彼は何気なく上を見上げる。

この街に高くそびえる建物。

そして視線はその遠くへ向ける。

この街はCAT達が迂闊に外に出ないように、なぜか巨大な壁におおわれている。

国はどうしてもこの国からCATが逃れるのを恐れているのだろう。

一般人にはこの壁はあってないようなものである


「……?碧ちゃん」

「はい?」

隣を歩いていた野水碧を手で制止して意識を集中させる。


「いる」

「何がですか?」

「はぁ、自分なぁ……。CATになってんから、少しは警戒心っちゅうのを持った方がええで?」

そういって彼女を手を取って路地裏まで小走りで行く。

数は……10はくだらないか。




「なんやのん?今日は、わんちゃんはきゃんきゃん騒いでるわ

 お前さんらみたいな……アホな連中につけられるわ。はよ出てきぃや」

「……」

「…………」

「………………」

振り返ってそういうと

物陰から十人ほど、柄の悪そうな男たちが現れた。

全員、こちらに敵意を向けている。こいつら……さっきの奴らとおんなじ気配する。


「お前さんらの狙いはなんや?」

「てめぇに教えてやる義理はねぇよ……」

1人の男がナイフを取り出して答える。

そして全員個々に武器を取り出して身構える。

「あ、あの……薫さん?」

「大丈夫や碧ちゃん。あんさんは能力使わんでええ。わいが全部薙ぎ払ったる!」

そして懐から割り箸を取り出して、クチに加えて、それを勢いよく引っ張り箸を割った。













「……こちらジョー。

 タイガは正常に物部真希の所在地に向かっている」

『そうか、いいか。逃すなよ

 物部真希はまだ何者にも《染まっていない》そのうえ《染める側》でもない。これは絶好のチャンスだ』

「わかってる。依然としてタイガは物部が指示しているであろう動物たちと戦闘中。

 騒ぎにならないように殺さないようには、してくれてる……みたいだが……」

『どうした?』

「こっちとしては、その動物たちをむしろ安全に出来るようにタイガを気づかせないように抑制させるのが手いっぱいだ。下手に動物虐殺などで捕まられては困る」

『あぁ、なるべくお前の《音》でタイガを抑制してくれ』

「あぁ」

通信をしながら、建物から建物へ飛び移る。

常に眼下にいるある男を見つめる。鈴村タイガだ。

奴は現在物部真希と言う少女に襲われ、喧嘩をしている所だ。

15人目。一番新しいCAT。そのくせに単純にして最強である『力』の能力を持っている。


あの力があれば……《奴》にも、そして……《奴ら》にも。

だから今迂闊な事をしてこの国の直接監視下の上、動けなくなる牢獄の中はまずい。

動物虐殺事件なんて起こされた日にゃあ流石にあの鈴村勇作もフォローしきれない。


「っ!?」

その時、一瞬の殺意。

咄嗟に逃げる。攻撃の仕方、気配が過去に襲われた経験があった。

「……いや……しかし」

見た目が、まったく別の者だった。別人だった。

タイガと別れてすぐに襲った奴とは、また別の……奴だった。

「くそっ!今日は『これ』によく会うな!」

「貴方を拘束するよう、言われました。ツヴァイ、捕獲を始めます」

くそっ!こいつの相手をしているうちに、タイガを見失う!


「五十鈴!」

『なんだ』

「貴様の言っていたのとは別の『もの』が来た!

 こいつを逃げながらではタイガを抑制することは難しい。どうにか出来るか?」

『……検討してみよう』

そういわれて通信が切れる。

五十鈴が検討するってんだ。多少は大丈夫だろ。


「さぁ、嬢ちゃん!上手に俺と踊ろうか!」

「捕獲。捕獲。捕獲捕獲捕獲捕獲捕獲!!!」

狂気じみた表情になった少女は俺に襲い掛かってくる。


「ビートを刻め!」

俺はヘッドフォンから重低音が流れ始め、それを耳にした少女が怯む。

その隙に脇腹に蹴り。建物の壁まで転がる。

立ち上がる土煙。しかし、その土煙からものすごいスピードで少女が迫ってきた。


「くっ!」

とても女の拳とは思えねぇ!なんつう重い拳してやがる!

俺は肘を少女の顎にあて、上に突き上げる。

「テンポを上げる!」

俺の回りに流れる音楽のテンポが上がり、俺の動きが早くなる。

少女の身体に俺の拳を浴びせる。

少女は俺の動きについていけずにただただそれを喰らうのみだった。

「HA!嬢ちゃんにゃあこのステップについていけねぇだろ?」

またぶっ飛んでいった少女に俺は投げかける。

軽快なステップを刻む。音に乗れない奴は俺と勝負にならねぇよ

「……ん?」

土煙から誰も出てこない。

やがて土煙は風に飛ばされて消える。

「ッ!?」

そこに……少女の姿はなかった。


「捕獲捕獲捕獲捕獲捕獲捕獲捕獲捕獲!!!!」

「ッ!?」

身体が突然鉄の縄に縛られる。

振り返ると少女の腕が機械のように外れて、そこから俺を縛っている鉄の縄が伸びている。

「こいつは……『何者』だ!?」

「対象を捕獲。ハハハ、捕獲。完了。完了」

その眼は狂気じみていた。

話し方は機械的であるのに、表情は人間じみてる。

ロボットじゃない?だったらこれはなんだ?

くっそ!と、に、か、く!

少女の頭を俺はなんとか動く手で掴む。


「最大音量!ビックウェイブ!!」

俺の腕から脳に直接。気が飛ぶほどの大音量を流し込む。

「機能……停止。停止。てい……」

そういって少女は倒れてしまった。

だが、鉄の縄がほどけない。ぴっちりと縛られてやがる。

「仕方ねぇ、引っ張って人に見つからないように、五十鈴の所へ戻るか……」





                ☆




「だぁっ!邪魔だ!」

腕にまとわりついている犬を思いっきり振り飛ばす。

『待て、鈴村大我』

「なんだぁ!?てめぇ!今はそれどころじゃ」

『多分、ポケットにこっそり入れたイヤホンがあるだろう?』

「だからぁ!それを確認できるほど、余裕ねぇよ!」

『とにかく!それを早く付けろ!つけるだけでいい!』

そういわれて俺は犬たちを払いのけてイヤホンを見つけた。

つけりゃあいいんだろつけりゃあ!

付けると、なんか微妙に音がする。


『それをつけてれば多少本気を出しても犬が死ぬことはない……はずだ!

 お前は、動物虐殺を働きたいのか!?少しは抑えろ!』

「……っ」

なんかぐうの音も出ない。

そういえばさっきからぶん殴りまくっているのに犬たちが死んでねぇ気がする……。

まぁ、言われたからにゃあ抑えてみっか!

俺は襲い掛かってくる犬たちを振り払い続ける。




そして走り続けてた。

「見つけたぜぇ……!!」

俺はある建物を見上げる。

少しだけ大きい一軒家。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!!!」

俺は大声で叫ぶ。絶対に相手が聞こえるように全力で叫ぶ。


「来てやったぞ物部真希!出てこい!」

………………。

……………………。

「おいっ!無視すんじゃねぇぞ!!」

………………。

……………………。


「…………ちっ!」

無視かこのやろぉ……。

そっちがその気なら、こっちにも考えが……。


『おい!鈴村大我!貴様何を!?』

「うるせぇな女ぁ!家の問題の解決法はこうなんだよ!GTOもやってた!」

そして思いっきり家の壁に向かって殴りつける。

『力』の能力を持つ男の拳が腕を思いっきり振るい、ぶつけられた家は……当然。崩壊する。


「はわっ!はわわわわっ…………!」

「見つけたぜぇ、てめぇが物部真希だな?」

目の前には、座って怯えた雰囲気の顔も見えない長い茶色髪の少女の姿があった。


「た、太郎!」

少女の口からその声が聞こえる。

その瞬間に俺の腹部に一匹の犬が突進してくる。


「うっ……!」

俺はそのまま少し後ろまで飛ばされる。


「へっ、中々いいタックルだ」

「うぅ……。鈴村大我、倒す!倒す!倒さないと!私、私は!」


「来いよ。物部、てめぇの強さ俺に見せてみろ」

長い茶髪から覗く瞳は俺への戦意が感じられた。

やっぱり、こいつは強い。怯えてるようだけど……強い!




「さぁ……こい!」

「太郎ッ!」




そして、俺に向かって、物部の横にいた大きな犬が俺に突進を仕掛ける。




ついに物部真希との直接大切です♪♪

どのような結末になるのか。これからも読んでいただけると光栄です^^

ではでは

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