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CAT 第四話

四話です


だんだん前書きが雑くなってきてる気がする……。



俺、鈴村勇作はテレビと、今自分が持っている指名手配所と、テレビに映っている


俺が持っているのと同じ手配書を交互に見て口を呆然と開けていた。


「はぁ……本当にあのバカは!


 ただ……あいつがなんで指名手配なんだ?」


「まったく。お前の甥っ子は虎だな。暴れまわる野良猫にぴったりじゃねぇか!」


同僚がコーヒー片手に俺に対して笑いかけてくる。


「笑いごとじゃねぇよ。いくら血がつながってねぇとはいえ親族だぞ?」


「そう思うんなら、お前頑張ってその大我って坊主警察にスカウトしろよ。


 お前に続いてCATの警官ができりゃあ俺ら一般人も心強い!」


「簡単に言うなよなぁー。あいつが警官とか天変地異が起きてもねぇよ」


そういって俺は席を立つ。


「どこいくんだ?」


「トイレだ!」


俺は警視庁の廊下を歩く。


やはり……ただ宣告をしただけの大我が指名手配犯になるのはおかしい


いずれなるだろうとは少し思っていたが、それにしても時期が早すぎる。


何か……俺は見落としているんじゃあないだろうか?


そのとき、黒いスーツの男が俺の前に歩いているのを目についた。


「おや?これは『英雄』鈴村勇作さんではないですか」


「……英雄なんて言い方するのはあんただけだよ。黒岩」


目の前の男。黒岩に俺は少々きつい言い方をする。


「いやぁー今日の事件は災難ですねぇー。


 貴方の甥っ子、昨日は随分と派手な事をしたおかげで、指名手配犯とは……。


 まぁ、彼はCATになる前から色々と騒動を起こしていましたからねぇ。当然のことなのでしょうか?」


「……。いや、黒岩」


「はい?なんですか?」


「本当に、大我は今までの悪行で指名手配犯だと思うか?


 俺には、そうは思えねぇ、これは身内だからってわけじゃねぇ。何か……匂いがする。誰かさんのな」


「……そうですかねぇー。


 まぁ、上が決めることは我々下の者にはわかりませんよ……」


そういって黒岩はそのまま歩みを始めた。


俺は奴の背中をずっと睨み続けた。


奴は何かを隠している。そもそも、俺は奴を信用してねぇ……。


奴の正体は怪盗セブンか?それとも……また別の……。


「ちっ、セブンは逃がすわ甥は指名手配犯。本当にやってらんねぇな……」


俺は煙草を取り出して火をつける。


ゆっくりと煙を吸い、吐き出す。


とりあえず、変な奴に捕まる前に大我を保護するのか最善策か……。


俺はこれからの徒労を考えて憂鬱としながら、警視庁の廊下を歩いた。













あたし……何やってんだろ。


街中をあたし、野水碧は歩いていた。


私服で、朝に。


これから適当にゲーセンにでも行って時間を潰して民営プールが開くのを待っていよう。


この近くのプールは昼の3時からしか開かないから本当に困ってる。


それまでの時間を本来潰せる場所に……あたしはいけない。


とりあえず……何か食べよう。お腹空いた。


「おい、姉ちゃん。こんな時間に何してんの?」


「……」


やば、めんどくさいのに絡まれた。


「ねえねえ、姉ちゃん女子高生だよね?


 なんでこんな時間に学校にいないのかな?もしよかったら……俺達と遊ばない?」


「っ!?」


あたしは何か殺気を感じて咄嗟に後退する。


男の手には……スタンガンがあった。


「ちっ、失敗したか」


「ナンパ男っぽく行けば、逆に油断してくれると思ったんすけどねぇー」


「…?……??」


あたしは少し困惑としていた。


それよりも……さっきよりも男の数が増えてる。完全に囲まれてる。


「嬢ちゃん。CATなんだろ?」


「っ!?」


「だから学校にも行かずにこんなとこで油売ってるんだろ?


 なぁ?俺らと一緒に面白い所行こうぜ!」


男はスタンガンを構えて襲ってくる。


能力は……使いたくない!でもこの人の数は……。




「おいおい、食事中やで?静かにしぃや。食べもん粗末にする気か?」


「「「「あぁ!?」」」」


その声に、漢たちは一斉にあたしからその声の主へと視線が変わった。


その男は、なぜか……どんぶりとお箸を持ったままあたし達の前に現れた。


「あんな?ここはお食事処が多い商店街やで?


 そこで暴れて埃立てたら立ち食いうどんの質が落ちるやろ?」


「あぁ?てめぇさっきから何を言ってやがん――――――っ!?」


男の一人がうどんの男に絡んでいくが、気が付いたら絡んでいった男が倒れていた。


「てめぇ……何しやがった!?」


「そこの嬢ちゃんは何やら能力使うの躊躇っとるみたいやけど。わいは堂々と使うで?にゃあ~♪」


からかったように言う関西弁の男。


少し高めの声。細めに吊り上がった口元。


「こ、こいつも……CATか!?


 どどどど、どんな能力かわかんねぇが……やっちまえぇー!」


「ほんま……うるさい連中やのう」


そういうと彼は懐から割り箸を口にくわえて綺麗に割った。


「大将!うどんちょい預かっといて!」


「あいよ!薫ちゃん!」


持ってたどんぶりを店の人に渡して箸を構えている男。


「ふざけてんじゃねぇぞこらぁ!」


「わいはふざけてまへん……で!」


「っ!?」


「ほっ、よっ!とう!」


す、すごい……


襲ってくる男たち全員を、文字通り倒してる!?


なんだろう、テレビで見た合気道みたいだ。


「あんたらみたいな街に迷惑かける奴は文字通りこの箸でつまみだしたるで!」


そういうと、持ってた小さなお箸が突然巨大化した。あんなことも出来るの!?


二本の大きな棍棒と化した箸でちんぴらたちを薙ぎ払う男。


「ふぅー全員これで再起不能かな!さて、うどんうどんー♪」


全員が倒れたのを確認して男は機嫌よさそうに席に戻ってまた新しい割り箸を割ってうどんを啜ってた。


「……嬢ちゃん。何してんの?」


ずっと見ていると、彼に突然声をかけられる


「ふぇっ!?」


「はよこっちきいな」


「えっ、あ……うん」


あたしは呼ばれるままに彼の元に行って、彼の隣の席に座る。


「嬢ちゃんは何にする?」


「えっと……じゃあ、うどんで」


「あいよ!」


そういって大将が麺を茹で始めた。


あたしはなんとなく居づらい雰囲気にどうしていいのかわからず、とりあえず彼を見ることにした。


「なんや?わいの顔になんかついてるか?」


「い、いえ……別に」


「そやったらそんな見つめんといてや。恥ずかしいやろ」


「あ、そ、ごめんなさい」


「なんで謝るねん。嬢ちゃん、CATの割には能力使うの躊躇ってるけど、どしてや?」


「……あたしはなりたくて努力したんじゃないからです。私は……この能力が嫌いです」


あたしは、ただ泳ぎが好きだった。


一生懸命毎日毎日練習した。


将来の夢はオリンピックの舞台で泳ぐこと。


そのために練習も毎日毎日かかさずやったずっとずっと泳いでいた。


学校のみんなと上手いことやるのは難しかったけど、そんなことも考えずに泳ぎ続けた。


そしたら……能力が発生した。みんなは私を化け物のような目で見た。


先生から、学校をやめるように宣告された。CATを置いておけない。って言われた。


そしてあたしは、オリンピック選手になることも不可能になってしまったのだ。


CATの選手がプロの世界に入ることは許されないことだとかで……。


「まぁ、なんかあったんやな」


「へい!おうどんお待ち!」


そういって大将に出されたのは、中に氷が入っているうどんだった。


「猫舌やろ?自分も?(笑)」


「え、うん……」


「わいもなぁー。この能力目覚めてから熱くて上手いもん食えんくて困ってるんやわぁー


 小籠包とかぁーラーメンとかなぁー。何かを得るのにはなんかを失うもんや


 それが同等か大きいかは人それぞれやけど、失ってもうたもんをくよくよする暇あるんやったら!喰え!なっ?」


そういって彼はあたしに割り箸を渡してきた。


彼には何も話していないのに、なぜか励まされた気がした。


「は、はい!」


あたしはその箸を受け取って手で半分に割ろうとする……失敗した。。。。


「はははは、手でやろうとするからや。ええか、箸は横向きに均等の力でやるのがええから


 こうして真ん中を口に加えて、真ん中から引っ張れば……ほれ。綺麗に出来た」


「ちょっと薫ちゃん。あんまうちの割り箸割らんといてくれよ……」


「あぁー悪い悪い。これ、これ使え」


「あ、ありがとうございます」


あたしは薫さんが割った箸を受け取ってうどんを食べた。……冷めてるけどおいしかった。











「一年三組鈴村大我ですー」


「よし、入ってこい」


「失礼しまぁーっす」




学校に朝から行くと、俺は裏口に通されて。


そこの前の教室に入る。そこには担任の女の先生がいた。


「昨日から今日まで、相変わらずだな。鈴村」


「……そうですね」


「お前に今日は通達しなければならない。決まりでな」


「わかってます。学校退学ですよね?」


「あぁ、少しでも戦闘力を持つ能力を持ってる者を学校に置くのは世間体と言うものがあるのでな。


 だが、退学になる前に、お前に頼みがあるんだ。鈴村」


「あぁ?頼み?」




「そうだ。まぁ、これはついでと思ってくれていい。お前も気にならないか?


 なぜお前が、CATに目覚めてこんなに早く、目覚めてからはあの宣言以外問題を起こしてないお前が


 指名手配犯になってしまった理由と言うものを……」




担任が俺に、直球に、ただ……そういった。









第五話は一週間後に更新できたらと思ってます^^


どうぞお楽しみください♪♪

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