天学へようこそ 6(終)
「うるせえキンキン声が聴こえると思ったら、友坂じゃん」
「しかも女連れ~?」
綺麗にし終えたばかりの床の横、階段から降りてくる二人の男の人がいた。
「あっおはようございます」
隣の子は缶を身体の横に下ろし、頭を下げて爽やかに挨拶をする。でもなんとなく、その横顔と声に緊張が走ったような気がした。……もしかして、いやもしかしなくてもこの二人は二年生か三年生、この子の先輩か。この子、トモサカくんっていうのか。
寮生らしきその二人は、こちらを見てにやにやとしている。これから外出する予定なのか、お洒落な服装。でも、なんとなく表情がヤな感じ。
「かわいーのいるじゃん」
「早速女連れ込みかよ、一年が」
何か誤解しているようだけど、でもわざわざ否定してあげたくない。この人達、完全に私を「トモサカくんの付属」として見てて挨拶もしないのだ。そんな相手とはこっちだって話したくないや。
「あっえっと、この方は、」
「なに友坂、これ仕送り?」
律儀に否定しようとしたトモサカくんの声が遮られる。ほらね、こういう自分勝手な会話するんだよこういう人達。
「は、はい」
「ふ~ん。現金じゃなくて?」
通路の端に寄せられていた段ボールを見下ろし、先輩(多分)はそう言って猫っ毛の後輩をも見下ろす。なんとなく――いや、はっきりとその声に馬鹿にしたような響きがあって、聴いててこっちがカチンときた。いちいち腹立つなあもう。
「えへへ、そうなんです、現金がいいっちゃいいんすけどね、ウチ貧乏だから。母さんの実家が農家なんですが、そこから送ってきてもらったんです。ばーちゃんちの野菜美味いんすよ~」
なのに、言われた当人は気づいてないような表情でにこにこと説明している。切り替え速いな。
「ちょっと潰れちゃったんですが、無事なのあるので先輩方おひとつどうですか?美味いっすよ旬のトマト」
しかもオススメしてる。強いな。
「ふ~~ん。じゃ、もらうわ」
「オレも」
「まいど~」
段ボールから二つ、トマトが掴み出された。軽やかに受け応えしてるトモサカくん、本当に爽やかだし逞しい。ヤな感じの先輩にもにこやかに対応するのって処世術だな~と思いながら、みかんジュースの缶を両手に持った、次の瞬間だった。
「そーれっ」
ビシャッ
ふわふわとした猫っ毛に、赤い雫が跳ねた。――足元に、トマトを投げつけられたのだ。
「もいっちょ」
グシャッ
階段の手前、新しくしたばかりのマットにも――赤いトマトは投げつけられて潰れ、周囲に飛沫を飛び散らせる。
「――」
何が。
何が、起きたの。
呆然となった私の横、りんごジュースを手にしていたトモサカくんの顔から、笑みが消えた。
「あれ~悪い悪い、落としちまったわ」
「なんかさ~あのトマトくせえし持ってるのヤだったんだよな。貧乏くせえっての?」
ゲラゲラ、と男性二人分の笑い声が響く。何を、言ってるのこの人達。今、何をしたの。
青くさい匂い。熟したそれが、硬い床と取り換えたばかりのマットに叩きつけられ潰され、無惨にその場に転がっている。まるで惨劇のように、トモサカくんの靴にも脚にも赤と透明な汁が飛び散っていた。
「――」
固まった空気は一瞬で、トモサカくんは弾かれたように動き出した。缶を段ボールの横に置いて、洗ったばかりのモップを手にして、汚れた床をまた拭い始める。転がったトマトの残骸は手づかみで、バケツに入れる。その横顔は無表情で、薄赤い飛沫が散った頬は真っ青だ。
「――、っ」
私はその様子が見ていられなくて、缶ジュースをバッグの横に置いてから急いでまた汚れたマットを引き剥がし、手伝い始める。なんだろう、状況を理解するごと、目の後ろが熱くなって目の前がチカチカする。
「ちゃんと掃除しとけよォ友坂?」「そうそう、寮の備品汚したら怒られるぜェ」
今の状態で、笑い声がまだ聴こえてるのが信じられない。何かしてないと駄目だ。何か手を動かしてないと。
「ダメです、替えのマットはもう無いから。雑巾があるので、それでシミを叩きます」
「わかった、モップの置いてあったところ?私、とってくるね」
「いや、自分が、」
「なにまたイチャイチャしてんだよ、友坂~~ぁ?」
小声で清掃の相談をしていたら、いつの間にか近くに寄ってきていたイヤな声。あ、と思う暇もなく、トモサカくんは肩を突き飛ばされてマットの上に転んでいた。がらん、と落ちるモップの柄。
「ッだいじょう、」
「寮内で女とちちくりあうのきんし~~!あと部外者に物を与えるのもきんし~~!! こりゃ寮長に報告するっきゃねえなあ」
「ルールも守れんクソ一年は仕置してもらえや」
ゲラゲラと、また笑い声。飲みさしの缶ジュースが蹴飛ばされ、中身がまたマットに染み込んでいく。汚れたマットの上で蹲る華奢な子。茶髪は垂れ、伏せられた顔とその身体は小さく震えてる。
なに。
なんなの、この世界。これが、天学の裏の伝統だって言うの。
――こんなの、ただのいじめじゃないか。
チカチカと熱く瞬いていた目の前が、すっと落ち着いてくる。人間、沸点を越えると逆に冷静になる場合があるって聞くけど、本当みたい。
転がったモップを拾い上げる。なるべく低い声で、大きな声で言った。
「どうしてあなた方が掃除しないんですか」
「あれ、かわいいの激おこっぽい」
「何もしないならどいて! 掃除出来ない!!」
「『ソウジデキナァい』!」
裏声で真似される。女を下に見てる男のこういう態度って本ッ当に腹立つ!
「友坂ぁ、女に庇われてんぞー」
「それでも男かー」
(無視かよ)
女の怒気なんてなんとも堪えてない、小馬鹿にしきったその表情。ああそうですか、と冷めた怒りが逆に気分を吹っ切った。
深呼吸のように、息を吸い込む。
「……私はその子の関係者じゃありません」
まぁくん、印籠使わせてもらうね!!
「――桐原学。三年A組の、桐原学の関係者ですけど、あなた方はまだそういう態度なんですか……?」
へらへらニヤニヤしていたその人達の顔から、笑みが消えた。初めて、まともに私と視線が合う。
「――は? き、りはら?」
「――へ? うそだろ?」
凄い。本当に印籠効果だねまぁくん!さすがに彼女って言うの恥ずかしいから濁しちゃったけど、こんなんでも効果あるなんて!
(押せる)
その確信とモップを手に、蹲ったトモサカくんを庇うように立った。
「本当です。なんなら今すぐ連絡したっていい。あなた方がいじめという名の非行をしてたって、報告します!」
「「はああ!?!」」
今のみーはかっこわるくたっていい!虎の威を借る狐上等!部外者だし!!
「弁明したいなら、寮長のアリサカさんご本人に直接言ってください。私は、ありのままを、報告します。あなた方とこの私、どちらがアリサカさんに信用されると思いますか?」
アリサカさんと面識無いけどいかにも面識あるように話す!言ってて強引な論理だけどこの時ばかりはその論を通す!野村さん山田さんありがとう!大事なのは勢い!!
「あのジュースは、私が買ってきたんです。私が買って、その子にあげたんです。外から帰ってきて、暑そうだったから……なので、その子は違反してません。なのに話も聞かないで決めつけて、暴力っぽいことをして、そんなの赦されると思ってるんですか。ルール違反をしたのはそちらです」
相手を騙すには自分がまず堂々としてればいい、真実を嘘でコーティングすればいいって、学くんを見てよく知ってるし!ああなんかまた腹立ってきた!!
みーはアホかもだけどバカじゃないもん!弱い者いじめだってしないし赦せない!正しいのはこっちだもん!いざとなったらセクハラされたってキンキン声で喚いてやる!女子なめんな!!
何より!!
「その子が責められる道理は何一つ無い。桐原学の関係者であり部外者の私が、証言します!」
やられっぱなしで泣き寝入りするのは、桐原学の彼女じゃないもん!!!
「――はは……なに言ってんだか。そもそも桐原の関係者って、証拠もねえし」
「そ、そうだよ、あの桐原が、女を寮内に入れるなんて、」
「それが、本当なんだなー」
「マジで嘘じゃないだな~」
青い顔で後ずさった二人の先輩の更に背後、角を曲がって聴こえてきた声が更に二人分。ひょこ、と出てきたのはあの青髪と、金髪の二人だった。
「!」
(野村さん、山田さん)
「げえぇっクソバカコンビ!」「なんでてめえらがここに!」
「お前らみたいなのにクソバカ言われたくねーわ。だってお前ら、学力特待入ってねーじゃん」
「んだんだ。俺も野村もちゃんと天学の入試受けてるし。基準も毎年クリアしてるし。桐ちゃんやアリーほどじゃないけど、お前らよりは頭いいし」
「なー」
言ってる合間も、野村さんは高速でスマフォの画面をタップしており、山田さんはスマフォを構えて撮影している。
「その子は間違いなく学の関係者、ってか彼女だよ。モノホンの。つうわけで触ったら死ぬよ?まあ、もう遅いけど」
「その子に結構な位置まで近づいてニヤニヤしてたよね~命知らず。その様見せたら桐ちゃんに殺されるよ?まあ、もう遅いけど」
もしかしなくても。
「「チクるんじゃねええええええ」」
「「遅いっての」」
……どうやら、山田さん達は途中から一部始終を記録していたらしい。正直、もっと早く登場して欲しかった……。
結局、いじめっこ先輩らはトモサカくんに誠心誠意謝罪し、今後個人への仕送り品に言及しない、干渉しないという誓約を記録付きでとり、引き換えとして学くんへのチクり……報告は無し。ただ、彼らが脱兎のごとく去っていった後、野村さんと山田さんは「よし!送信先を学から有坂に変更!!」「桐ちゃんにはチクらないけどアリーにはチクるべ」と大変ワルい顔でスマフォを操作していた。この青いのとパツキン、なかなかにいい性格をしてらっしゃる。みーは止めません。
唐突な彼らの登場で、ちょっと頭が冷えた。というか、我に返った。今は学くん具合悪いし寝てるだろうし、連絡とか以ての外だよね……あぶなかった……。猪突猛進美恵子ちゃんの大失敗グセが発揮されてしまうところだった……。
(偶然だろうけど野村さん達が近くに居て良かった)
学くんの人望並び寮内権力にも感謝というべきか。でも名前聞いただけであそこまで空気変わるって、まぁくんどれだけえげつないことやったの。黄門様ってより、逆らったらまずい的な魔王の気配を感じたよ?
まあいいか。
「野村先輩、山田先輩、カワカミさん。本当にありがとうございました。自分一人では、きっと対処しきれなかったです」
四人がかりで清掃した後(野村さん達はなんだかんだで手伝ってくれた)、段ボールを抱えながら(重そうなのに軽々と持ってる)、そう言ってくれるトモサカくん。
「でももう平気なので……あ、すみませ、ありがとうござい、ます」
ポケットティッシュを鞄から出してその汚れた頬に当てると、恥ずかしそうにしながらされるがままになっている。少し潤んでた瞳には、気づかなかったことにする。トマトの返り血を拭って綺麗になったその顔は、さすがに疲労の色が見えたので。
「無理しないで。家族からの仕送りをダメにされるの、私だったら凄く嫌だし辛いよ。ねえトモサカくん、」
またこの子が傷つけられたりしたら嫌だな、と思ったので、お節介かもしれないけれど言わざるを得なかった。なんかいつの間にか敬語とれちゃったけど、いいよね。
「ああいうの、いじめのレベルだと思うしなかったことにしちゃいけないと思う」
「……」
天学寮の裏の伝統。そうは聞いたけど、後輩への可愛がりにしては常軌を逸してるとしか思えない。しかも、部外者の目の前で堂々と行われたのだ、れっきとしたいじめが。それこそ一部の天学生が調子に乗っている、寮内の秩序に綻びが出ているという証拠では。
「寮へのお客さんの前でもああいう行為があるってことはかなりの問題だから、寮監さんに直接報告も考えた方がいいんじゃないかな。ていうか、早めに伝えた方がいいと思う。トモサカくん一人の問題じゃなく、ああいうのが続いたら学園の印象自体悪くなるって、そう言えばいい。なんなら私も証人として一緒に行くから」
トモサカくんは少し迷うように瞳を彷徨わせた後、真っ直ぐにこちらを見返し、ゆっくり力強く頷いてくれた。よし。
「うんうん、それは俺も思うなー。女の子と食い物大事にしないやつって万死。掃除も自分でやれってのね」
「んだんだ、俺も同じく。夏の女の子、じゃなかったトマト美味いのにさ。農家の仕事軽んじるやつって美味いもの食う資格ないよね。掃除も自分でやらせりゃ良かった。あ、カワカミさん、リンゴ美味かったよ、さんきゅ~」
「……どうも」
相変わらずよく喋る派手コンビに適当に応対していたら、トモサカくんがくすっと笑った。潤みのとれたくりくりの瞳を瞬かせて、こちらを見つめてくる。可愛いなほんと。
「―――さっきは驚いたんですけど、本当に桐原先輩のご関係者……彼女さんなんですね」
「あ、は、はい、まあ」
まだ照れるなあ、学くんの彼女を自称するのって。
「自分は桐原先輩にも恩があるんです。入寮したての頃、同室の先輩と馴染めなくて困ってたらアドバイスしてくださって。お陰で、今はなんとかやってます」
この子、先輩と同室組なのか。って、え?学くんが、アドバイス??
「あれっ友坂たん教えてないの?」
「おやっカワカミさんとユーマ、文字通りウマあってるみたいだから知ってると思ってたけど」
どういうことよ。
「自分、有坂先輩と同室なんです」
なんと、トモサカくんは寮長と同室の一年生でした。……あれ?そういうことなら、もしかして。
(もしかして、私が学くんの印籠を使う必要無かったんじゃないかな?)
気づいてはいけないことだったかもしれない。
……脳内で、虎の被りものをした狐が、そっとフェードアウトしていく。今考えるとあの口上めちゃ恥ずかしい。しかも野村さん達に映像記録されてたよね。
面識の無いアリサカさんに対し、私は心から願った。アリサカさん、どうか学くんには動画を見せないでください。まぁくんきっと呆れる。
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気温は蒸し暑くも、気持ちの良い風に鬱蒼とした気分と雲とが流されていく。晴れた空はどこまでも高かった。歩いている途中、校舎前の花壇でホースを使い散水してる人を見かける。人というか、ピンクの巨大なブタ。まだ着てるんだ……暑くないんだろうか。
天学の校門前。
あれから超特急で荷物を寮室に置いてきたトモサカくんは、そこまで私を送ってくれた。「寮生が寮内で部外者に物をあげるのが注意対象なんて知らなかったんです、何もお礼出来なくてすみません」と言いながら。全然気にしないでいいのに。ジュース美味しかったし。
「俺らもいるよー」「俺らもちゃんとカワカミさんのガードってるよ~」
青と金コンビはもう、必要時以外は適当に無視。それが一番いい対応の仕方な気がする。ガードってなんの話。
ともあれ、寮監さんに挨拶と報告を済ませてのち(寮監さんは「寮長と相談案件だな、ありがとう」と言ってくれた)校門をまた越えて、外側から内側のトモサカくんらに挨拶する。また色んな変な人に取り囲まれるかもと思ったけど、今度は大丈夫だった。
「今日は色々ありがとうございました。皆さんのおかげで学くんが通っている天学の空気を少し知れた気がします」
「どういたしましてー。あ、学にゃ俺達紳士だったって言っといて」
「また寮に遊びに来てね~。あ、桐ちゃんには俺ら凄く良い人だったって言っといて」
途中、野村さんと山田さんのスマフォが同時に鳴り出し(なぜか二人とも某SF映画の黒い敵役テーマだった)、それを受けて喋り出した二人。私は今のうちにと、トモサカくんに向き直る。こちらから、手を差し出した。
「――トモサカくん、ちゃんとした自己紹介まだだったよね。私は、河上美恵子。北高の二年です」
「――あ、」
そばかすの見える頬が、ぱっと赤くなる。なんだかこの子、本当に……
「こ、こちらこそちゃんとした自己紹介してませんでした!あの!」
正午を過ぎた時間帯、足元に小さく纏まった影。校門から一歩踏み出し、親友と同じ猫っ毛の高校生は言った。
「自分は友坂!天草学園一年、友坂有馬といいます!」
差し出された小さな手を、ぎゅっと握る。にぎにぎ。
(……………この子、やっぱり)
浮かんだものを。形の無い予感を。
「よろしく! 友坂さん」
「――はい!」
「ねえ、もし良かったら……、」
私達は、携帯の番号を教え合うという形で、確かなものとした。
● 〇 ●
奇人変人、そしてごく普通の人も、ちょっと訳ありの子も通う高校、それが私立天草転生学園。
ほんのちょっと冒険心と、サプライズな意趣返しと、かっこわるい意趣返しとそして、新たな出逢い。それに加え改めての決心をも、私はそこで見いだせた。嫌な光景も見たことは見たけど、でも全体的にとても有意義な訪問だったし、楽しかった。これが学くんが通ってる学校の空気なんだろうなって。
苦しい過去を思い出しても、でも、今の学くんを見つめていると何かがまた生まれる。打ち消してくれるとまではいかないけど、その新たに生まれた何かが私を温めてくれるし、成長させもしてくれる。昔は色々あったけど、だからこその今があって、私という存在がある。進行形で育まれている大切な現在を守りたい、未来に発展させたいと心から思う。
きっと今の学くんは、私のすることに怒ったり戸惑いはしても、決して否定しない。呆れはするかもだけど、絶対に嗤いはしない。そんな確信が出来る程度に、大切にされているから。
(私、やっぱり学くんの彼女でいたいなあ)
そう、つくづく思う。
そんなこんなで、私の天草学園初訪問は幕を閉じたのである。まぁくんはちょい出演でした、ごめん。
ちなみに、後日。
天学寮には新たな規律が出来、そして憂さ晴らしのためか学園内でイベントが増えたとのこと。学くんが私の誕生日に凄まじく高そうな腕時計をプレゼントしてくれて、それを買うためにギリギリまでバイトを掛けもってたら無理が祟って風邪を引いてしまったらしいこと。これらは後から知った。
そして。
あれから友坂さんとごく個人的な悩みを聞いたり他愛無いことを話したり、「必需品」を差し入れるためちょくちょく逢う間柄になったこと。その繋がりで野村さんと山田さんばかりか噂の有坂さんとも連絡を取り合えるようになったこと。そしていつの間にか私の存在が天学寮内で有名になり、たまに遊びにいくとまるでヤクザの姐さんみたいな扱いをされるようになったこと。その他、色々とありました。
本当に色々とあるのだけど、全部話すとまぁくんが不機嫌になるので、この辺でやめておきます。
「みー、あのクソバカコンビの連絡先は消しておけ。登録する必要無い」
「ええー、野村さん達確かにうるさいけどいい人達だよ。それにあのカオスな寮内で信用おける友達でしょ。何かあった時とか便利じゃない?学くんだって香織の番号知ってるじゃん」
「……。でも、それは、」
「それは?」
「………。わかった。でも必要以上に気安くするな。有坂はともかくあいつらアホだから、つけあがる」
「ふーん。でもまぁくんだってさ、友坂さんの秘密知ってるんでしょ?割と最初から」
「………!!」
「みーはそれくらいわかるよー。知ってて優しくしたんでしょー?! どうなのよーー!!」
「ッわかった、悪かった、でもやましいことは全然無くて、」
まあ、お互いに嫉妬深いカップルってのも、ありっちゃありだよね。
【終わり】
有坂も友坂も別作品の主役ですが、ここでの紹介は控えておきます(*´艸`*)
長め番外編に付き合ってくださった方々、ありがとうございました<m(__)m>
…
…
実はあともう一話だけ、予定してます…




