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主探しの旅行談  作者: あおにぎり
番外編2
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番外編 竜討伐のその後と次の町

ドラゴン討伐から数日後。

大都市ガレアノスの東門には、多くの人々が集まっていた。


討伐隊の面々がそれぞれ別れを告げるなか、リリエラにも多くの人が挨拶に来ていた。


「リリエラさん、またいつか来てくださいね!」

「次に来るときは、お礼に紅茶をご馳走したいです!」


子どもたちは花で編んだ冠を差し出し、彼女の黒髪にそっとかぶせた。

リリエラは優しく微笑み、小さく頭を下げた。


「ありがたく頂戴いたします。皆さまの未来が、平穏でありますように」


そしてリリエラは、しっかりとした足取りで門をくぐり、次の目的地へと歩みを進めた。


道中は山へ向かう街道。

馬車も通れる程度の道幅で、両側に草花が揺れていた。


ルカノスの村で出会った老人からもらった保存食――干し肉とドライフルーツ、甘いクルミパンは旅の心強い味方だ。


リリエラは時折腰を下ろし、野草を摘んだり、清流で水を補充しつつ、ゆっくりと進んでいく。


昼下がり、草むらから現れた小型の魔獣が、干し肉の香りにつられて近寄ってきた。

耳が大きく、ふわふわの尻尾を持つ生き物――どうやら害はないらしい。


「……お腹が空いているのですか?」


干し肉を小さくちぎって差し出すと、ちょこんと座り、控えめに食べ始めた。

そのまま少しのあいだ、リリエラの後をついてきたが、やがて森の中へ帰っていった。


そして数日後、山の斜面に広がる鉱山町ザトレムが姿を現す。

岩肌に張りつくように建てられた家々、空に伸びる煙突、遠くから聞こえる金属を打つ音。


リリエラは立ち止まり、町の入口に掲げられた鉄製の門看板を見上げる。


「……懐かしい匂い。鍛冶の音、火と鉄の香り」


かつて主と共に訪れた記憶が、かすかに胸の奥をくすぐった。


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