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主探しの旅行談  作者: あおにぎり
第二章 小さな村から大都市へ
7/22

2-3 ガレアノスにて

ガレアノスの城門は厳重だった。

「ここは大都市ガレアノス。無登録者は入城料が発生する。登録済みなら登録カードを見せろ」

兵士たちは来る者来る者を厳しくチェックしている。


リリエラには冒険者ギルドの登録カードはまだなかった。

「すみません。登録はこれからです」

兵士は少し眉をひそめたが、数枚の銀貨を手に受け取ると門を開けた。


「無事に入れてよかったです……」


城壁の中は活気に満ちていた。広い石畳の通りには露店が並び、様々な香辛料や布、珍しい果物の匂いが混じる。

人々の服装も多彩で、冒険者、商人、貴族らしき者が行き交った。

最初に向かったのは、冒険者ギルド。旅の途中、商人に聞いた話だと、大きな町には冒険者ギルドがあるという。

ここ最近、この都市の近隣で、ドラゴンが目撃され、東門は閉鎖になっていると聞いたので、討伐に参加することにしたのだ。

冒険者ギルドの建物は街の中心近く、立派な石造りで壁には様々な依頼書や功績の証が飾られている。

「登録をお願いしたいのですが。」


「はい。名前、年齢、得意分野、過去の実績を教えてください」


ギルドの受付は、手早く書類を差し出した。

リリエラは必要最低限の情報を淡々と伝える。


すると小さな金属製のカードを手渡された。

「これがギルド登録カードです。紛失しないようにお願い致します。」


リリエラはその手のひらサイズのカードを見つめながら、長い滞在が始まることを覚悟した。


ギルド長が集まったパーティの前で説明を始める。

「ここ数週間、東の森林地帯でドラゴンの目撃が相次ぎ、民家も被害を受けている。これまで数名の冒険者が向かったが、全員撤退か行方不明だ」


パーティは総勢八十名、様々な階級の冒険者が揃っていた。

「討伐が成功するまで、この街は封鎖となり、滞在を余儀なくされる」


リリエラは静かに拳を握りしめた。

「……この町に滞在し、協力するしかありません。情報を集める機会としても、無駄にはできませんしね」


リリエラは宿に荷物を置き、すぐに市場や広場を歩き回る。

広場には人だかりができていて、目当ては噂の超有名冒険者たちらしい。


広場の中央には、噂通りの豪華な装備を身にまとった数人の冒険者がいた。

彼らは大きな盾や華麗な魔法を披露し、人々の歓声を浴びている。金属の鎧が太陽に輝き、魔法使いの詠唱の声が響く。

人々は口々に彼らの武勇伝を語り、期待に胸を膨らませていた。

リリエラはその姿を遠くから静かに見つめた。


「彼らが……ドラゴン討伐のために呼ばれた有名冒険者たちでしょうか」


これから始まる、討伐に覚悟を決めた。

大きな市場では地元のパンとハーブティーを楽しみ、

夜は宿の小さな机でギルドの依頼書や街の情報を読み込む。さらに、道端の露店ではスパイスの香りに誘われ、珍しい香辛料を少量買い求めた。


時折、他の冒険者と挨拶を交わし、礼儀正しく振る舞うリリエラに、少しずつ周囲の視線が変わっていく。

次に買うのは、これからの討伐への備え、武器と防具。

広場の一角にある鍛冶屋兼防具屋は、重厚な鉄の扉が印象的だった。

中では鍛冶師が火花を散らしながら防具や剣を打ち鍛えている。


リリエラは静かに店内を見回した。

目を引いたのは軽量で動きやすそうな革製の防具だった。

「戦闘中の機動性を重視したいのでこちらと、」


次に、手に取ったのは細身の短剣。

装飾は控えめだが、刃の鋭さが確かめられる。

「この剣をお願いします。」


「毎度あり!」


鍛冶、防具屋の隣には薬草と錬金術用品を扱う店があった。

棚には色鮮やかなポーションや瓶詰めの薬草がずらりと並んでいる。


リリエラは必要な回復薬と、魔力を補助する薬剤を数種類選んだ。

「これで長期滞在と討伐の準備は万端ですね」


買い物を終え、リリエラは広場のベンチに腰掛け、通り過ぎる人々を観察した。

冒険者たちが装備の手入れをし、商人が威勢よく声を上げ、子供たちが笑いながら走り回る。


彼女の視線はふと、あのドラゴン討伐に向かう有名冒険者たちの群れへ向かった。


「この街にいる間に、もっと多くのことを見極めなくては」


そう心に誓い、リリエラは次の行動へと意識を切り替えた。



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