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三話

ワタクシが、この寺に来たのは、十三年前、ミツヒデ様が五才の時でした。

何故か、ミツヒデ様はワタクシに懐いてくださり、しょっちゅうワタクシに付きまとって、オヤカタさまにに良く叱られていました。

ワタクシのことを、もしかしたら、兄のように思ってくださっていたのかもしれません。しかし、いつの頃からか、ノブナガ様は、ワタクシと、距離をおくようになりました。少し寂しく思ったものです。と、同時に、ほっともしました。

この世界は、男とか、女とか、そんなことは何の関係もなく、身分や、地位なども関係なく、恋愛や結婚などは、わりと、自由です。

しかし、ひとつだけ、禁じられていることがあります。それは、″近しい者″との恋愛や結婚です。

″近しい者″とは、血の繋がった親きょうだいはもちろんのことだが、血が繋がっていなくても、戸籍上親きょうだいになった者、そして、家族同然のような内弟子も含まれます。

ワタクシは、オヤカタ様の一番弟子。ですから、ワタクシは、ミツヒデ様に、恋心など抱いてはいけないのです。

まぁ、ワタクシの想いとは関係なく、ミツヒデ様は、ワタクシに、興味もないでしょうが…

興味もないのに、あんな御戯れを…