十三話
とうとうこの日が来ました。
そう、ミツヒデ様とワタクシの婚礼の日でございます。
オヤカタさまとアイコさまに手を引かれ、ミツヒデ様の元へと…えっ?はっきりとは、みえませんが、驚いたようなお顔をなされているようでございます。
「ミツヒデ、何を驚いている?」
えっ?っと、まさかとは思いますが、きちんとご説明がなされていないとか?
「オヤカタさま、ミツヒデさまにきちんとご説明したのではないのですか?」
ワタクシが、そう問いかけますと、
「説明したよ。必ずミツヒデが、気にいる相手だって」
と、軽い感じで御答えに…
「はぁー」「はぁー」
思わず出たため息、アイコさまも同時でございました。
「それだけしか言ってないの?」「それしか伝えていらっしゃらないのですか?」またまた、アイコさまのお声とワタクシの声が同時でございます。
「えっ?だって、間違ってないだろう?」
オヤカタさまは、相変わらずのド天然でございます。
「どうしてそんなに言葉が足りないんですか?」「どうしてそんなにお言葉がたりないのですか?」
全くこまったものでございます。
オヤカタさまは、地位も権力もごさいます。そして、それは、才があり、実力で手にいれたもの。実に、凄いお方であることには間違いないのですが…如何せん、何故か、私生活においては、とても、ド天然でございます。
なので、そんなこと、他の弟子たちにばれては困ります。それがどこからか漏れても困りますしね…
だから、アイコさまとワタクシで、いつもフォローしていたのでごさいますが…今回は、ワタクシ自身の事なので、オヤカタさまに、きちんと説明して頂くようにお願いもうしあげていたのですが…やはり、きちんとご説明がなされていないようでごさいました。
「わかりました。ミツヒデさまには、ワタクシがご説明致します」