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詩*夜空へ*

夜に向けて/流星群

作者: a i o

夜に向けて/



掻き乱れた心そのまま

あついシャワーに打たれ

ゆるんだ泡が排水口へと

吸い込まれていくさまを

濡れた目で見ている


ドライヤーはいつも

音ばかり大きくて

首に感じる

まだどこか湿った髪のもつ

温もった重たさ


ミント味の歯みがき粉と

やわらかめの歯ブラシは

口の中の後味とは裏腹に

くたびれた夫婦のように並んでいて


ブーンと唸る冷蔵庫に冷やされた

ミネラルウォーターを一口飲んだのなら

そこから透明になるよう祈りながら

あらゆるスイッチを

儀式のように消していく


ドレッサーに置きっぱなしの

ハンドクリームを

手のひらにすり込むと

人工のバナナのような甘い香りが

仄かに漂い


私はそれを スン、と嗅いで

甘い記憶のまま

両の瞼をそろそろと下ろす


星座以外は何にも

繋がることのない

遥かなる 夜に向けて──





流星群/



あれはね


空に皺が寄るほど

しがみついていた星たちが

一斉に手を離したんだ












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