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火花
火花が
飛び散る炎のひとつであるように
ひとは季節のいち部分だ
たとえ表皮的な部分でも
季節にとりこまれていることに違いないし
我々は我々を季節と呼んでよい
その季節が
わたしを取り込んで離さないから
かなりさめざめとした冬を
直情的に受け入れている
火花は散り
やがて燃え移ったからだが
両手を広げて求め始める
愛を!
この愛の賛歌が
だれか恐ろしいほど愚直なひとに
ゆっくり染みわたってくれるのならいい
季節は通り過ぎ
やがて冬はいつかの記憶のかなた
そのときがくるまで 一瞬一瞬を刻み込んでいく
煽情的な愛を!
直情的な愛を!
婉曲的な愛を!