三日目 秀逸極めし悪魔の童
新:あれー?なんか久し振りじゃね?
古:そうだな。さっきちょっと眠ってただけなのに、その時間が長く感じる......。
?:無理もないでしょう。
古:ッ!?
新:だ、誰だ!?
?:今の貴様らに用はない。即刻消え失せてもらう。――【強制移動呪文】!!
古:ま、眩し......い......。
新:覚え......て......ろ......。
?:さて、邪魔は消え失せた。今これをご覧下さっている読者の皆様にはあのお方より伝言が届いております。この先少々長くなりますので本編へのスキップを推奨致しますが、決してブラウザバックは行わないようお願い申し上げます。では早速......、『メッセージを再生します』。
ごめんなさぁぁぁい!!延期だのなんだのでかれこれ月日は流れていき、投稿間隔が遂に1ヶ月以上にまで及んでしまいましたぁぁぁ!!更新を楽しみに待っていて下さった方、本当に申し訳御座いません!!冬休み中は部活に勉強にネトゲのチーム運営に忙しく、休みが明ければすぐにテストがあり、小説執筆の時間が全く作れず今に至ります......。あと一週間後には市中学校駅伝大会が迫っております。自分も選手候補故に、今後いつ投稿できるか分かりません......。しかし時間があればチマチマと書いていきますので、そう長くはないはずです。何よりも楽しみにして下さっている方に申し訳ない。と、こんな私ではありますが、どうかこれからも宜しくお願い致します!そしてここまでお読み下さりありがとうございました!引き続き、本編を是非ご覧下さい!
「おっはよー!悠兎!!」
そんな声が聞こえ、俺は背中に激痛を感じつつ声のした後ろを振り向いた。
「おいおい、どうした?今日は元気がないじゃないか。具合でも悪いのかよ?顔色が悪いぞ?」
多少の予想はしていたものの、いざ対面するとやはり面倒くさいという衝動を抑えきれなかったようだ。確かに俺の顔には「面倒」という文字が刻まれているかもしれない。しかしそれを体調不良と捉える彼には流石と言わざるを得ない。
彼の名は江島陽斗。名の通りの陽キャだ。しかし、コイツはそこら辺でうはうはしているだけのただの陽キャじゃない。野球部所属でスポーツ万能のクセに成績も優秀。顔も相当に整っており、背もそれなりの高身長。更には皆の憧れ生徒会会長ときたものだ。到底この俺が話していい相手ではないことは明白たる事実だろう。流石は秀逸を極めた神童と謳われるだけのことはある。俺もそしておそらく俺以外の生徒や教師共も、コイツの超人的能力は事実として受け入れている。
だが、俺にはたったひとつ、受け入れ難い事実が存在する。
こんな人間離れした奴でも、誰かを――。
「清渚ー、どうよ?」
「んんー、いつも通りの浮かない顔だね。ま、コイツがどうであろうと私には関係ないかなー」
女子にしては少し低めの声の主はそう言いつつも俺の顔を覗きこむ。
彼女が席を立った上に俺に急接近してくるとは、流石に俺でも予想外だったため驚きと動揺を隠せず一歩、二歩と後退ってしまった。
おそらくそれが原因だろう、彼女は俺を追うようにして近付き、先程とはうってかわって刺々しい声を俺に投げつけた。
「何?そんなに私が恐いわけ?」
「い、いやいやっ、そういう訳ではなくてですね...!」
「じゃぁ、どーゆー訳なのか説明してくれる?」
慌てて頭を振ったが、時既に遅し。彼女は射るような視線を俺に向けていた。
彼女の名は根本清渚。背は彼女の歳の平均で見れば中の下あたりだろうか。艶やかな黒髪はショートカットで、毛先まできちんと切り揃えられている。今は鋭い目つきのため少々細めの二重が更に細くなり、身体が今にも凍りつきそうになるほどだ。しかし薄い桃色の唇をよく見れば、ほんの少しだが口角が上がっているのが分かる。つまり彼女は今、俺をおちょくっているのだ。
「ねぇ、聞こえてるの?ボーッとしちゃって、ホントに具合が悪いんじゃない?」
ニヤニヤ笑いが一度不思議げに俺を見つめ、すぐに不安そうな顔になる。一度怒ればそれこそ鬼神の如く標的なるものを狩る彼女だが、実は意外と優しいのだ。
「ん、あ、あぁ、ちゃんと聞いてるよ」
「だったらちゃんと返事しなさいよ!」
優しい、なんて思っていたらすぐにこれだ。彼女の喜怒哀楽は常人と比べればかなり激しい方だと言えるだろう。故にここは更なる刺激を加えぬよう、慎重に対処せねばならない。が、この危機を救ってくれたのは意外にもそばで話を聞いていた江島だった。
「ほらほら二人とも、そろそろ着席しないと先生来ちゃうよ?」
「あっ、もうこんな時間じゃん!こんなヤツにかまってる場合じゃないって!」
「それじゃぁ、俺も自席に戻ろうかな。悠兎もはやく座るんだよ」
江島のファインプレーで一時は助かった。流石は神童様である。俺が他人と話すことを好きとしない性格でなかったら、正直言って最高の友達となっていたことだろう。
完全着席時刻まであと二分。清渚という人物の登場によって予定時刻より大幅に遅れをとってしまった。そういえば、あれからそろそろ一年が経つのか。人生を無駄に生きている俺にとってはかなり遅い一年だったが、頑張らなくてはいけないことが多い彼女からすればとても速い一年だったことだろう。
一年前、それは突然に起こった。
それまで残酷な日々を送ってきた少年は、それを機にもう一度誰かのために生きようと心に決める――。
新:ん、あ......、な、何があったんだ......。
古:やっと起きたか。どうやら俺たちはまた違う場所へと飛ばされてしまったみたいだ。
新:......?なんで分かるんだよ。
古:辺りをよく見てみろ。
新:んん?目の覚めるような緑、石造りの家々、大きな時計塔、行き交う人々......、なんら変わりはねぇじゃねぇか。......ん?あれ?
古:やっと分かったか。ここはさっきまでいた暗闇の紙と看板しかない場所じゃない。どこかの街の広場か公園ってとこだろう。
新:もう......!わけわかんねぇよっ!
古:わけもわからないまま行動を起こしても仕方がない。まずは情報収集をしてみよう。
新:あ、あぁ、そうだな。だがどうする?
古:何が?
新:お前いっつも肝心なとこが抜けてるんだよな。
古:は?何言ってんだよ。
新:俺たちはコミュ症だってことだよ。
古:......ッ!!
えー、今回は本作品をご覧下さり誠に有難う御座いました。今後もどうか本シリーズを宜しくお願い致します。次がいつなのかは分かりませんが、きっと遠からぬ未来のはず......!次回皆様にまたお会いできることを心から願い、結びとさせて頂きます。今日は本当に有難う御座いました!