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#8 尾行と森とオークキング

朝、木の上で起きたら何となく違和感を感じた。

念のため索敵をすると人間サイズの反応がある。

あの違和感が気配なのかな?

この感じなのか?

索敵の感触では反応は1人だ。

森に入っても付いてくる。

一応魔物は狩りながら進むが、どんな状況でも一定以上は近づいて来ない。


尾行か?


ギルドかな?


そういえばギルドのオッサン何か変だったからな。

でも、まずいな。

このまま奥まで付いて来たらやばくないかな?


一度街に戻るか?


・・・・めんどくさいな、敵意はなさそうだし話してみよう。


「すいませんが出てきて下さい、話をしませんか?」


応答無し、まぁ尾行っぽいしな。

こっちから会いに行こう。

ちょっと本気出そう。


「用件は何ですか?」


瞬時に後ろに回り込み話しかける。

あっ、身構えた。

フードを目深まで被ってるので顔は見えない。

身体の線を見ると女性かな?


・・・・つーかまだ黙るのかよ!


もういいや、こっちの用件だけ伝えよう。


「僕はこのまま森の奥に行きます、これ以上は付いて来ない方が良いですよ」


それだけ言って、俺は身体強化魔法(アイア○マン)を本気で使い森の奥へ走り出した。


・・・・・そして10分後、吐いた(汗)


身体強化魔法(アイア○マン)はヤバい。

生身でジェットコースターになったみたいだ。

慣れるために休み休み使って行こう。

あと尾行は余裕でまいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


帰る時は遠回りをして、森の魔物を狩って行く。

今日で12日目、アイア○マンにもかなり慣れてきた。

そしてオークとゴブリンは特に重点的に狩る。

最初に森に入った時は酷かったからな(汗)


オークとゴブリン、やつらは基本裸だ。

そして興奮してるのか、下半身の一部をおっ立てながら突っ込んで来る。

つーか雄と雌の区別ぐらい本能で解れよ!!

最初は余りのキモさに、叫びながらひたすら斬った!

それでも、うじゃうじゃ湧いてくる。

斬って、斬って、殴って、斬って、全滅するまで向かって来やがった!

しかもこっそり忍び寄るやつまでいやがる!

そして俺はやつらは見付け次第殲滅すると誓った!


そんなこんなでやつらの集落を15程、今まで潰して来た。


今も潰していたのだか、何か変なやつがいる。

鎧を着て、大きめの大剣を構えている。

体長は3mくらいのオークだ。


「オマエツヨイ、オレガハラマセルノニ、フサワシイ」


この豚喋りよった!


つーか孕ませるってなんだよ!


「ふざけんな、何が孕ませるだ、俺は男だ!」

「ソノスガタデカ?」

「事情があんだよ!なんだよ、見た目で判断してんのかよ!」

「ダイジョウブ、オトコデモ、ハラマセル」

「話が通じないっ!!」


今までの魔物とは格段に嫌な予感がするので(喋るしな)俺が反応出来る限界まで身体強化魔法(アイア○マン)を使う。


まずは手始めにぶん殴る。


『ゴンッ』


腹に当てたが感触がおかしい?

その隙にオーク?が大剣を横凪ぎに一閃する。


『ズバッ』

「いてぇ」


避けきれず胸元を浅く斬られた。

つーか剣に魔力纏わせてやがる!

服に血がにじむ、久々にヤバい相手だ。

分厚い脂肪と皮膚で拳打は効果が薄いな。

じゃあ次は小太刀だ。


『ズバッ』


『シュゥゥゥ』


「治りやがった!」

「コチラカライクゾ」


『ガンッ』

『ガギン』


オーク?の力は俺以上だった。

刀で受けてもそのまま吹き飛ばされる。

素早さは俺の方が上なのでヒットアンドアウェイで斬っていく。

一度首を切り落とそうとしたが骨に阻まれて、即座に治ってしまった。

他の武器を探すと、鍛冶の為に作った大槌があったので試す。


『グシャッ』

「グウウウ」


ちょうど足の爪先の辺りに当たって潰した感触があった。

この感触はちょっと気持ち悪いな。


そのあともオーク?の攻撃を掻い潜りながら何度か大槌で潰していく。

潰した傷は治りが遅いらしく、少しずつ希望が見えてきた。

そんなこんなで死闘が始まってから30分以上経ち、やっとオーク?の回復が間に合わなくなってきた。


因みにオーク?の状態は何となく察してくれ。

簡単に説明すると四肢が動かずに今は跪いてる。


こっちも服は血まみれで、コートや上着、タイツの一部は修復出来ないほど壊れたし、俺の左腕も二の腕から切り飛ばされた。

つーか今も痛い。


「ツヨキモノヨ、オマエヲ、ハラマセタカッタ」

「まだ言うのかよ!まぁお前も強かったよ、じゃあな」


『グシャッ』


そして止めを指し、今回は死体をしまいこんだ。

正直ザウスさんとの訓練が無ければヤバかった。

鎧つきのオークは何度か倒したが、こいつは別格に強かったので、何だったのか帰って聞こうと思ったんだ。


「さて、これはどうしよう(汗)」


切り飛ばされた左腕を見つめる。

いくら自然回復力が高くてもこれは治らんよな(汗)

つーか痛みが大したことないのが怖い。

多分【完全耐性】が仕事してるんだと思う。


・・・・そういえばポーション貰ったよな。

特級なら軽い部位欠損は治るはずだし試すか。


左腕の傷口に特級ポーションをかけ、切り飛ばされた腕を押し付ける。

両方の傷口から光が漏れだして傷口が見えなくなる。

1分ほど経って光が収まると左腕はくっついていた。

傷跡は少し残っているが指も肘も手首も問題なく動く。


「スゲーな特級ポーション、こんなの地球では手術しても五分五分だろ」


つーか喋る魔物っているんだな。

スゲー疲れたし1日早いけどもう屋敷に帰ろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちょっと説明


屋敷はちょっとした丘の上にある。

そして丘の下にはダンジョンの入り口。

さらに丘を取り囲むように城壁?の様なものがある。

屋敷の裏はスゴい高い岩山。

なので森は半月状に広がっている。


以上説明終わり!


ーーーーーーーーーーーーーーーー


屋敷に着くと、テル達が出迎えてくれた、あれ?何か慌ててる。


「タッチャン無事?怪我はないの?血まみれじゃない!」


「あ~大丈夫だよ、かなり疲れてるけど、怪我はポーションでもう治ったよ」

「良かった~オークキングと出会って良く無事にすんだね」

「オークキング?あの喋るオークか?」

「そうだよ、あんなの相手に良く無事だったよ」


何で知ってる?

あの通信魔道具か?


「あの通信魔道具で見てたのか?」

「そうだよ、途中で壊れてひやひやしてたんだよ」


あ~確か最初に一撃もらった時に壊れたんだ。

つーか壊れたことに気付かなかった。


「大丈夫だよ、かなり時間かかったけどな、そうだジルさん、こいつの素材で使えるのありますか?」


そう言ってポーチからオークキングを出す。


「・・・・・・倒したのか?どうやって?」

「いやぁ、大槌あって良かったですよ、それ以外はあんまり効かないんで」

「コイツは使えない素材はないぞ、どれもなかなかの素材じゃ」

「じゃあ魔石以外はジルさん使って下さい」

「なんじゃと!いらんのか!ワシでもあまり見たことない素材じゃぞ!」

「いやぁ、オーク素材は使いたく無いんですよ、それにこいつと喋っちゃったんで、なおさらね」

「・・・・・そうか、ありがたく使わせてもらおう」

「あと明日からちょっと作りたい魔道具あるんで、また教えて下さいね」

「任せておくのじゃ」

「タッチャン、もう危ないことはやめてよね」

「もちろん、つーか自分からなんてやらないよ、オークとゴブリン以外」

「多分今回のオークキングで、オーク達は落ち着くと思うよ」

「そっか、じゃあ後はゴブリンか、ゴブリンもキングいるの?」

「いるけどそう簡単にキングに進化なんてしないよ」

「進化?じゃあオークキングも最初は普通のオークだったの?」

「そうだよ、生き物はみんなレベルが上がると強くなって、限界まで行くと進化出来るの、でも普通はそこまでいかないよ」

「レベル?生き物全部?進化?」

「私は元々エルフだったんだけど、進化してハイエルフになったの」


「待って!色々わかんないこと多い、・・・・ちょっと整理しよう」


「な~に?」

「魔物を倒すとレベル?が上がるの?」

「うん、人は魔物じゃないとダメだよ、魔物は自分の種族以外なら何でもいいの」

「限界まで行くと進化するの?」

「うん、そうだよ、どんな生き物でもそうだよ」

「そんな現象俺は知らない!地球でレベルなんて無いよ、小説やゲームの中だけだよ」

「そうなの?まぁそんな感じだよ」


やべぇ、本格的にファンタジーだ。

じゃあレベルの確認とかどうすんだ?

ステータスとかあんのか?

ヤバいな確認することが多い。

買った本も読まなきゃ。


・・・・・まぁいいや、時間はあるし後で確認しよう。


「テル、今日の夜、色々教えてくれ」

「えっ、・・・うん、いいよ」


何で赤くなるんだよ!


・・・・もういいや、今日は突っ込み疲れた。

血まみれだからお風呂入りたい。


「ミカさん、お風呂って入れますか?」

「はい、すぐに入れますよ、お嬢様とですか?」

「ちげーよ!お前ら何なんだよ、血まみれだからだよ!」


そんなこんなでお風呂に入った。


帰って来てからの方が疲れたかも。

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