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#31 エルアと飛空挺と予想外

ダンジョンから地上に戻るとローザが待ち構えてた。


「お帰りなさいませ」

「ただいま、ずっと待ってたのか?」

「いえ、そろそろかと思いやって来ました」

「なにそれ怖い!」

「メイドの嗜みです」

「絶対違うだろ!」

「それよりもエリザベート様がお呼びですので早速行きましょう」

「あ~、そう言えば誘拐犯の件があったな、わかったよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「やっと帰って来たわね、色々聞きたい事かあるけどそっちはどうだったの?」

「魔石は見つかったよ、後は色々聞きたい素材が一杯取れた」

「それなら良かったわ、でも素材の話は後回しよ、早速行きましょう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ねぇエリーさん?」

「何?」

「もうマリーの部屋にいきなりゲートは止めてあげようよ、着替え中とか気まずさMAXだよ」

「そうね、ちょっと可哀想なことしたわね、次からは確認するわ」

「そうしてあげて」


今俺とエリーさんはマリーさんの部屋の隣で待機中だ。

着替えの最中に来てしまい、追い出された(汗)


「もういいですよ」


「マリーさんごめんなさい」

「マリー悪かったわ」

「それはもういいです、出来れば忘れて下さい、それとタツキさん、事件を解決していただいて本当にありがとうございました」

「いいのいいの、偶々だから」

「それでもです、まさかダンジョンに隠れていたとは思いませんでしたから」

「それでマリー、捜査は進んでるの?」

「はい、エルフの協力者もかなり判明しました、ですが数名は逃走を許してしまいました、多分ダリス帝国の反乱軍に合流したんだと思います」

「そっか~、エルフも色々いるだろうしな、あの自称貴族も大概だったしな」

「ああいった思想はいつの時代も無くならないのね」

「まぁ後は帝国の軍隊が何とかするだろうしな」

「それで恩賞なのですが、お婆様とも話したのですがタツキさんは何か欲しいものとかありますか?」

「・・・・・・今の所無いな」

「よろしければエルニアの貴族位なども可能ですが?」

「要らない、絶対に!」

「まぁタツキはそうよね」

「ですがそれだとこちらも困るのですが」

「じゃあエリーさんの屋敷の近くに小さくてもいいから家が欲しい、そうすればゲートの魔道具を設置出来るから」

「それなら私の屋敷でいいじゃない?」

「いやいや色々改造したいじゃん、それにあんまり頻繁に先代女王の屋敷に出入りするのも不味いでしょ」

「わかりました、やっと恩賞が決まって良かったです」

「じゃあもう用件は終わりか?」

「はい終わりですよ、何か用があるんですか?」

「おうよ!男のロマンを叶えるんだよ!」

「飛空挺だったかしら?それなら良い場所があるわよ」

「私も見て良いですか?」

「いいよいいよ、マリーさんもおいでよ、それでいい場所ってどこ?」

「じゃあ着いてきて頂戴」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


城の中を進み、隠し扉の様な所を通って更に階段を登っていく。

登っていく、15分が経過して更に登っていく。


つーか階段長いわ!

マリーさんもはぁはぁ言ってるし、全く外の景色見えないからつまんないし!


「エリーさんまだなのか?」

「あと少しよ、ほら見えてきたわ」


階段を登りきると、上には空、周りには緑足元には樹木の天辺?


そこは大樹『エルア』の頂上だった。

頂上は尖っている訳ではなく平らになっていて、かなり広い空間が広がっていた。


「ここなら広いし、周りの目を気にする必要も無いわ」

「確かに、早速出して準備するよ」


マジックバッグの格納庫のフォルダから飛空挺を出す。

全長30m、赤いフォルムで先端に細長くなっている。

船体の側面には俺のサイン入りだ。

中はワンルームと同じように空間拡張で広げてある。

浮遊魔法で浮いていき、そのまま飛ぶ事も出来るし、船尾で連続した爆発を起こすことで速度を出す事も可能だ。

空を飛ぶ魔物もいるので、防御結界と武装も装備している。

それら全てを起動する為の魔石がやっと揃った!


中に入って魔石をセットする。


今回手に入れた魔石全て使い、念のためダンジョンコア(初期)も入れてみた。

ダンジョンでは『我が子』とか言ってたけど多分使ってもいいよな。

複雑な魔導回路にはめた魔石が輝きだし、起動準備が出来た。


コックピットはガラス張りにしてあり、広さは5m四方程で席は3つある。

中央の席に座り、スイッチを押して起動する。


「飛空挺起動!」


『パチッ』


『ウィンウィンウィン』

『ゴゴゴゴゴッ』

『ピーピーピーピー』


飛空挺が浮き上がった!


【飛空挺ノ起動、完了シマシタ】


「なんだ?」

「喋ったわよ!」

「何ですかこの声は?」

「俺だって知らないよ、こんな機能作ってないぞ」


【初メマシテ、私ハタツキ様ニダンジョンコアト呼バレテイタソンザイデス】

「あの魔石か?何で喋るんだよ?つーか聞き取り難いな」

「タツキあなた、ダンジョンコアなんて使ったの!」

「森林の迷宮で貰ったから使ってみたんだよ」

「まさか最下層まで行ったんですか!」

【これで聴きやすいですか?】

「おぉ分かりやすい」

【それでは説明します、まずダンジョンコアは発生から時間が経つと自我が生まれます、タツキ様が踏破報酬の会話をしたのがそうです、そしてダンジョンコアに魔力が満ちるとダンジョンコアを産みます、それが私です、私も生まれてからかなり時間が経っているので自我を持っております】

「じゃあお前はあのダンジョンコアの子供みたいなもんか?」

【その通りです】

「よし!直ぐに飛空挺から外してやる!」

【何故外すのでしょうか?】

「あのダンジョンコアは性格悪かった、折角の飛空挺が変になったら困る!」

【その心配はありません、私はタツキ様の所有物です、タツキ様の意に逆らう事はありません】

「本当か?」

【不安でしたらダンジョンコアを鑑定なさって下さい】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「エリーさんどうかな?」

「確かにあなたが所有物として登録されているわ、これなら信用出来そうね」

「そうなのか?」

【絶対にタツキ様を裏切るような事はございません】

「まぁいいや、それよりもダンジョンコアはこのままがいいのか?ダンジョンになりたいとか無いのか?」

【タツキ様次第ですが、私はむしろこのままが良いです、ダンジョンになると動けませんがこの飛空挺は世界を見て回れますから】

「じゃあ別にいっか、でも暫くは外に出れないかも知れないぞ」

【構いません、タツキ様の望むままに】

「後はダンジョンコアって長いよな、名前付けるか、何がいいかな?」

「森林の迷宮のダンジョンコアなのよね、でも船体は赤いわね」

「う~ん、船体は赤いし緑とは合わないよな、マリーさんは何かある?」

「・・・・・ルージュですかね?」

「俺が考えてたのはノイエ・◯ールかバルバ◯ッサなんだよな~、じゃあ混ぜよう、飛空挺は『ノイエ・ルージュ』でダンジョンコアは『ヒスイ』で良くね、それでいいかな?」

【ありがとうございます、これより私はヒスイです、飛空挺はノイエ・ルージュと登録します、よろしくお願いいたします】

「おう、よろしくな、そう言えばヒスイは操縦とか任せられるのか?」

【可能です、船内の事は全て行えます】

「突然便利な機能が付いたな(汗)じゃあまた今度な、今日はもうしまうから待ってろよ」

【かしこまりました】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ノイエ・ルージュ凄いですね」

「ちょっと予想外だったけどな」

「それよりもダンジョン踏破ってどういう事よ、ちゃんと聞かせなさいよ」

「だってエリーさんが後でって言ったんじゃん、そうだマリーさん、ここ広いから見て欲しい素材出していいかな?」

「良いですよ、もうそう簡単に驚きませんからね」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あなたは何を倒してきたのよ!」

「でかいトレントみたいなやつだよ、慧眼鏡で見ても詳しく分からなかったけど」

「お婆様、この葉は精霊樹の葉では無いのですか?」

「そうね、確かに精霊樹の葉だわ、ここまで解体されてると分からないけど多分エンシェント・トレントだったんでしょうね」


うん?分からん。


「トレントのお爺さんみたいな事か」

「そんなものよ、そしてその元になった木が精霊樹よ、これだけの量は中々見ないわよ」

「使えそうな素材か?確か葉はエリーさんに貰った参考書で見たと思うな」

「薬の素材としてはかなり良いものよ、枝や幹も樹木としては最高級ね、杖や弓とかに使えば魔力の通りも良いし、丈夫で柔軟性もあるわね」

「じゃあ一応取っとくか、エリーさんとマリーさんもいるか?」

「「もちろん(よ)」」

「じゃあ欲しいの持っていっていいよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あ~疲れた、そろそろ休もうか」

「そうですね、今日はかなり色々ありましたから」


屋敷に着くと俺はそう言ってベッドに飛び込んだ。

つーか何で色々やることあるんだろう?

・・・・・まぁいいや、風呂入って寝よう。


「プルルルルルッ、プルルルルルッ」


通信か?ミネルバたちかな?


「もしもし?」

「もしもしタツキさんですか?」

「そうだよ、結依か?」

「そうです、ちょっと大変な事になりました」

「どうしたよ?」

「反乱軍の所から同級生たちが逃げ出して来ました、それと」

「逃げ出して来たのか!」

「それとですね!」

「ハイハイそれと?」

「帝国軍が敗走しました」

「えっ、マジか?」

「はい、タツキさんが戦った邪神の眷族がかなり出てきたみたいなんです」

「あ~、そうなったのか、まぁこっちは大体用事は済んだからすぐ帰るわ」

「まだ他にもあるんです!」

「まだあんのかよ!もうお腹一杯だよ!」

「タツキ様ミネルバです」

「おぅ何だよ、どうした?」

「テルミーナ様がトリカールに到着しました、ダンジョンから遂に解放されたんです!」

「お~良かったじゃん」

「そうなんです、それと一緒に地球人3人も一緒に来たんです」

「んっ?何で?ちょっと意味分かんないよ」

「とにかく出来るだけ早く帰ってきて貰えませんか」

「あ~、うん出来るだけ頑張ります」

「じゃあお願いします」


何だろう、厄介事がまとめて来やがったな。

まぁテルが解放されたのは良いニュースだよな!

後は・・・・・寝てから考えよう。


「タツキ様どうしましょうか?」

「取り敢えず寝よう、今日はもう考えたくないし、それに多分考えても分からんよ」

「そうですね、一応エリザベート様には私から話しときます」

「よろしく~、そしてお休み~」


こうしてエルニアでの長い1日が終わった。

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