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審判  作者: えくせりあ
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1

一度目の生を終えてから、僕は激しく取り乱した。


泣いて泣いて泣き続けた。


神に背いたのだと。僕は魔女なんだ…と。


けれど悪魔に見初められた私に手を差し伸べてくれる人が居た。


「君、大丈夫かい?」

聞こえたのは優しい声。

見上げた先に居たのはお父様。

「お父様…」

僕がそう言うと、彼は怪訝(けげん)な顔をした。僕みたいな女は知らないといった顔だ。僕は激昂(げきこう)した。娘の顔を知らない?

そんなバカな話があるか!

お母様がお腹を痛めて産んだこの僕を!他ならぬお父様が忘れるなど!あってはいけないことなんだ!!


刹那(せつな)、僕の手から放たれた炎がお父様を焼く。

お父様の服は焼けて消える。

もう制御できない。魔女め。

お父様の肌が焼けて爛れる。

人の焼ける匂いがする。許さない。

お父様の目が僕を睨む。

人の焼ける音がする。殺してやる。

お父様の手が僕を掴もうとして力尽きた。


パチパチプツプツと音がする。

僕を責め立てるように。


膝から崩れ落ちる。

後戻りはできない。

バラバラ、バラバラと僕が崩れる。

死んで(つぐな)うなんて許されない。

ここは僕の知る村じゃない。

ここに僕は必要ない。

神だってもう僕を許さない。

主も僕を救ってくれない。

ならば。

せめて悪役になってやろう。

世界を憎む大魔女に。

女子供の肉を喰らい、

男共の首を飾ってやる。

けれど僕は許される。



この世界でまともなのは

きっと僕しか居ないんだから。

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