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いにしえの獣  作者: 明日香狂香
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運命

 とら炭焼すみやきのイゴーにあずけた。われるのゼノとカナタにはミルクやにく調達ちょうたつ困難こんなんだからだ。二人ふたり朝霧あさぎりにまぎれてとなりくにはいった。

「ここからは、エストラットだ。我々(われわれ)のようなシラコから人間にんげんをきらっているものもいるからをつけろ。」

 ゼノはちかくのまち目指めざした。


旦那だんなたびにはうまがおすすめですよ。どうです、こいつなんて。あしはやいし、丈夫じょうぶだ。なにかのえんだ。金貨きんかまいでいいですよ。」

 商売人しょうばいにんおとこ栗毛くりげうまみにちかづいてきた。

「それはだめだ。あし怪我けがをしているな。それにっている。おそらくそうながくはないだろう。そっちのちいさいのならおう。」

 ゼノのこたえに商人しょうにんくびはげしくよこった。

「こいつは子馬こうまでさあ。まだれやしませんや。それに子馬こうま貴族きぞくたかってくれる。たび旦那だんなえるような値段ねだんじゃねえ。」

 商売人しょうばいにん見切みきりをつけたのか足早あしばやろうとうまたちをせかせた。

「そうかな。その子馬こうま貴族きぞくれないだろう。荷物にもつかくしちゃいるがうしあしにひどい模様もようがある。」

「ちっ!ばれてたかい。しかし、安売やすうりりはしねえよ。」

 商売人しょうばいにん強気つよきはなった。

金貨きんか30まいなら文句もんくはないだろう。もらっていくぞ。」

 ゼノは強引ごういん商人しょうにん金貨きんかわたすと子馬こうま手綱たずなった。

「いやあ、御見おみそれしました。もしや、どこかの貴族様きぞくさまのおしのびで?まいどありい。」

 馬商人うましょうにん市場いちばなかえた。

子馬こうまってどうするんです。」

 カナタはゼノに質問しつもんした。

「この道案内みちあんないをしてくれる。」

 そういうとゼノは薄茶色うすちゃいろ子馬こうま手綱たずなはなした。子馬こうま三度首さんどくびおおきくたてふるるとそのままあるした。

 いくつかの砂漠さばくえ、ちいさなたにみすうみいた。そして子馬こうままった。

「この模様もようえらばれし部族ぶぞくあかしだ。そのなかにおまえおなえらばれしものがいる。」

 子馬こうま一鳴ひとなきすると、どこからともなくうまたちがあつまってきた。

 かれらはたがいにかおをこすりわせ無事ぶじよろこんでいるようだった。

 そのなか一頭いっとう白馬はくばがいた。うしろあしには子馬こうまのものとはあきらかにことなる模様もようがある。

 それは普段ふだんカナタが額宛ひたいあてかくしているのような模様もようによくていた。

 白馬はくばちいさくさく一鳴ひとなきした。

 カナタにはそれは

「ようこそ。」

 とこえた。

かれがおまえおなじ8つの動物どうぶつだ。」

 ゼノはカナタに小声こごえげた。

「8つの動物どうぶつたがいに意思いし疎通そつうできる。おまえたちはたがいに運命うんめいだ。全員ぜんいんがそろったときことこる。」

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