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いにしえの獣  作者: 明日香狂香
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憎しみの淵

 カナタたちがおくくと、すべての『うつわ』の名前なまえした。くらなかでも、へびあなうさぎはかれらの位置いちがわかる。ジャファールはそれぞれの『うつわ』にそっとちかづくと、その毒牙どくがてた。『うつわ』たちはそのどくにより身動みうごききができなくなった。それから、ジャファールはくら洞窟どうくつで『うつわ』たちにかたりかけた。


 まずは、サメのウシクワールだ。

「ウシクワール、おまえ住処すみかであるうみ毒水どくみずながされて、人間にんげんにくんでいるはずだ。」

「そうだ、にくい!人間にんげんめ。」

 ウシクワールの模様もようくろ変化へんかした。

 次に、鹿しかのトッティにかたりかけた。

「おまえつまは、人間にんげんわなにかかって大怪我おおけがをした。」

「そうだ。たが、たすけてもくれた。」

 トッティはまよいながらも、反論はんろんした。

「そうかな?わなさえなければ、人間にんげんたすけなどいらなかったはずだ。やつらはたすけたのではない。つぐなったのだ。」

「そうか、だまされていたのか。人間にんげんのやつらめ。」

 ジャファールのどくによって朦朧もうろうとする意識いしきなか、トッティのこころにはさえまれていた人間にんげんへのいかりがよみがえってきた。

「ハイアット、おまえおなじだろう。」

「そうだ、人間にんげん大怪我おおけがわされたんだ。」

 鹿しか緋色ひいろもワシのしろ模様もようくろずんだ。ジャファールは慎重しんちょうとらにささやいた。

「スジャーニ、おまえ両親りょうしん人間にんげんころされた。父親ちちおやはおまえ母子ぼしがすためにんだ。『うつわ』は大地だいち意志いしによってまもられる。。『うつわ』であった母親ははおやは、おまえがすため『うつわ』のたましいうつし、みずからがみちえらんだ。」

 彼女かのじょ両親りょうしんていないうえ人間にんげんそだてられたため、もっともにくしみがうすい。ジャファールのどくたくみな言葉ことばは、彼女かのじょあたまなかゆがんだ過去かこ記憶きおくつくしていた。

「そうか。人間にんげんすべてをうばったんだ。偽善者ぎぜんしゃどもめ。」

 最後さいごあなウサギのウトミーヤにちかづいた。

「よく、はたらいた。感謝かんしゃしているぞ。おまえ人間にんげんにくいだろう。」

 そういうと、その毒牙どくがあなウサギの首筋くびすじきたてた。ウサギのルビーいろ赤黒くろくなった。


 ジャファールは、全員ぜんいんっていた人間にんげんへの憎悪ぞうおたね成長せいちょうさせ、かれらをにくしみのふちへとみちびくと、祭壇さいだんおくかくれた。わりに、予言師よげんしサタドゥールがあらわれた。かれは『うつわたちくちにした。直後ちょくご、『うつわ』らは名前なまえくさりによってからだ自由じゆううばわれた。サタドゥールは、ジャファールのからだげると、ゲノのふねにサメ以外をませた。サメはおきかうふねあとっていった。

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