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いにしえの獣  作者: 明日香狂香
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ウシクワール

 ウシクワールは人間にんげんまれるはるむかしから姿形すがたかたちえない古代こだいザメの一種いっしゅだ。かれらの背中せなかかた銀鱗ぎんりんおおわれ、あおくちのような模様もようがあった。いにしえの伝説でんせつかたとしてのあかしだと一族いちぞくにはしんじられてきた。

 かれは『うつわ』になるはなかった。人間にんげんりょうはじめたころ、サメは人間にんげんおそうことはなかった。が、人間にんげんはサメを獰猛どうもうものとしてきらっていた。やがて、人間にんげん毒水どくみずうみながし、けがすにしたがい、サメも人間にんげんきらっていった。ウシクワールの一族いちぞくは『うつわ』をまもものとして、つね人間にんげん距離きょりっていた。


 あるときかれはシャチにおそわれている人間にんげん子供こどもたすけた。そのときウシクワールという名前なまえ漁師達りょうしたちからもらった。それ以来いらい、シャチはウシクワールをつけねらうようになった。やがて、かれが『うつわ』にえらばれた。それは、つよかったからではない。かれもっとも用心深ようじんぶかかったからだ。


 サメの儀式ぎしきが、すべての『うつわ』のなかで、もっとも原始的げんしてき獰猛どうもうだろう。『うつわ』にたましいうつすことは復活ふっかつ儀式ぎしきはじめめの部分ぶぶんにあたる。その方法ほうほうは『うつわ』のきた肉体にくたい一部いちぶしょくすことだった。陸上りくじょう動物達どうぶつをすすることもできたが、うみかれらは生者せいじゃ肉体にくたいをかじりった。手足てあしもなく、どくたないかれらに選択せんたく余地よちなどい。とくにサメの儀式ぎしき原始的げんしてきで『うつわ』の一頭いっとう数頭すうとう候補こうほおそいかかる。かれらはたがいにみだれてたたかい、最後さいごのこった一頭いっとうつぎの『うつわ』となる。こうして何千年ねんぜんねんかれらはたましいえをおこなってきた。

 サメたちは、自分じぶんちから鼓舞こぶするため、そのするど勇猛ゆうもうたたかった。ウシクワールはった。たがいにきずつき、最後さいご一頭いっとうのこるのを。これは人間にんげんたちのたたかいをまなんだ。かれらは、まずよわ連中同士れんちゅうどうしたたかわせ、最後さいご大将たいしょうてくる。サメには発想はっそうだ。ウシクワールは『うつわ』には興味きょうみかったが、ぬのも御免ごめんだった。

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